| 番号 (No.) |
書籍 | 巻 | 章 | 内容 |
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1 (4) |
ひふみ神示 | 1_上つ巻 | 第4帖 | 急ぐなれど、臣民なかなかに言ふこときかぬから、言ふこときかねば、きく様にしてきかす。神には何もかも出来てゐるが、臣民まだ眼覚めぬか、金のいらぬ楽の世になるぞ。早く神祀りて呉れよ、神祀らねば何も出来ぬぞ。表の裏は裏、裏の裏がある世ぞ。神をだしにして、今の上の人がゐるから、神の力出ないのぞ。お上に大神を祀りて政事をせねば治まらん。この神をまつるのは、みはらし台ぞ、富士みはらし台ぞ、早く祀りてみつげを世に広めて呉れよ。早く知らさねば日本がつぶれる様なことになるから、早う祀りて神の申す様にして呉れ。神急けるよ。上ばかりよくてもならぬ、下ばかりよくてもならぬ、上下揃ふたよき世が神の世ぞ。卍も一十もあてにならぬ、世界中一つになりて |
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2 (26) |
ひふみ神示 | 1_上つ巻 | 第26帖 | 「あ」の身魂とは天地のまことの一つの掛替ない身魂ぞ、「や」とはその左の身魂、「わ」とは右の身魂ぞ、「や」には替へ身魂 |
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3 (27) |
ひふみ神示 | 1_上つ巻 | 第27帖 | 何もかも世の元から仕組みてあるから神の申すところへ行けよ。元の仕組は富士-二二-ぞ、次の仕組はウシトラ三十里四里、次の仕組の山に行きて開いて呉れよ、今は分るまいが、やがて結構なことになるのざから、行きて神祀りて開いて呉れよ、細かく知らしてやりたいなれど、それでは臣民の手柄なくなるから、臣民は子ざから、子に手柄さして親から御礼申すぞ。行けば何もかも善くなる様に、昔からの仕組してあるから、何事も物差しで測った様に行くぞ。天地がうなるぞ、上下引繰り返るぞ。悪の仕組にみなの臣民だまされてゐるが、もう直ぐ目さめるぞ、目さめたらたづねてござれ、この神のもとへ来てきけば、何でも分かる様に神示で知らしておくぞ。秋立ちたら淋しくなるぞ、淋しくなりたらたづねてござれ、我を張ってゐると、いつまでも分らずに苦しむばかりぞ。この神示も身魂により何んなにでも、とれるやうに書いておくから、取り違ひせんやうにして呉れ、三柱と七柱揃うたら山に行けよ。七月一日、ひつくのか三。 |
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4 (56) |
ひふみ神示 | 2_下つ巻 | 第14帖 | 臣民ばかりでないぞ、神々様にも知らせなならんから、なかなか大層と申すのぞ。一二三の仕組とは、永遠に動かぬ道のことぞ、三四五の仕組とは、みよいづの仕組ぞ、御代出づとは神の御代になることぞ、この世を神の国にねり上げることぞ、神祀りたら三四五の御用にかかるから、その積りで用意して置いて呉れよ。この神は世界中の神と臣民と、けだものも草木もかまはねばならんのざから、御役いくらでもあるぞ。神様と臣民同じ数だけあるぞ。それぞれに神つけるから、早う身魂みがいて呉れよ、みがけただけの神をつけて、天晴れ後の世に残る手柄立てさすぞ。小さいことはそれぞれの神にきいて呉れよ、一人ひとり、何でもききたいことは、病直すことも、それぞれの神がするから、サニワでお告うけて呉れよ、この方の家来の神が知らせるから何でもきけよ。病も直してやるぞ、その神たよりたなら、身魂みがけただけの神徳あるぞ。この世始まってない今度の岩戸開きざから、これからがいよいよぞ。飛んだところに飛んだこと出来るぞ。それはみな神がさしてあるのざから、よく気つけて居れば、さきの事もよく分かるようになるぞ。元の神代に返すと申すのは喩へでないぞ。七から八から九から十から神烈しくなるぞ、臣民の思う通りにはなるまいがな、それは逆立してゐるからぞ。世界一度にキの国にかかりて来るから、一時は潰れたやうに、もうかなはんと云ふところまでになるから、神はこの世に居らんと臣民申すところまで、むごいことになるから、外国が勝ちたやうに見える時が来たら、神の代近づいたのぞ、いよいよとなりて来ねば分らん様では御用出来んぞ。七月の二十日、ひつ九のか三。 |
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5 (68) |
ひふみ神示 | 2_下つ巻 | 第26帖 | 神の国を真中にして世界分けると申してあるが、神祀るのと同じやり方ぞ。天のひつくの家とは天のひつくの臣民の家ぞ。天のひつくと申すのは天の益人のことぞ、江戸の富士と申すのは、ひつくの家の中に富士の形作りて、その上に宮作りてもよいのぞ、仮でよいのぞ。こんなに別辞てはこの後は申さんぞ。小さい事はサニワで家来の神々様から知らすのであるから、その事忘れるなよ。仏も耶蘇も、世界中まるめるのぞ。喧嘩して大き声する所にはこの方鎮まらんぞ、この事忘れるなよ。七月の三十一日、一二 |
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6 (80) |
ひふみ神示 | 2_下つ巻 | 第38帖 | 富士は晴れたり日本晴れ、これで下つ巻の終りざから、これまでに示したこと、よく腹に入れて呉れよ。神が真中で取次ぎ役員いくらでもいるぞ、役員はみな神柱ぞ。国々、ところどころから訪ねて来るぞ、その神柱にはみつげの道知らしてやりて呉れよ、日本の臣民みな取次ぎぞ、役員ぞ。この方は世界中丸めて大神様にお目にかけるお役、神の臣民は世界一つに丸めててんし様に献げる御役ぞ。この方とこの方の神々と、神の臣民一つとなりて世界丸める御役ぞ。神祀りて呉れたらいよいよ仕組知らせる神示書かすぞ、これからが正念場ざから、ふんどし締めてかかりて呉れよ。秋立ちたら神烈しくなるぞ、富士は晴れたり日本晴れ、てんし様の三四五となるぞ。八月の三日、ひつくのか三。 |
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7 (88) |
ひふみ神示 | 3_富士の巻 | 第8帖 | 山は神ぞ、川は神ぞ、海も神ぞ、雨も神、風も神ぞ、天地みな神ぞ、草木も神ぞ、神祀れと申すのは神にまつらふことと申してあろが、神々まつり合はすことぞ、皆何もかも祭りあった姿が神の姿、神の心ぞ。みなまつれば何も足らんことないぞ、余ることないぞ、これが神国の姿ぞ、物足らぬ物足らぬと臣民泣いてゐるが、足らぬのでないぞ、足らぬと思ふてゐるが、余ってゐるではないか、上の役人どの、まづ神祀れ、神祀りて神心となりて神の政治せよ、戦など何でもなく鳧がつくぞ。八月十七日、 |
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8 (97) |
ひふみ神示 | 3_富士の巻 | 第17帖 | 九十が大切ぞと知らしてあろがな、戦ばかりでないぞ、何もかも臣民では見当とれんことになりて来るから、上の臣民九十に気つけて呉れよ、お上に神祀りて呉れよ、神にまつらうて呉れよ、神くどう申して置くぞ、早う祀らねば間に合はんのざぞ、神の国の山々には皆神祀れ、川々にみな神まつれ、野にもまつれ、臣民の家々にも落つる隈なく神まつれ、まつりまつりて弥勒の世となるのぞ。臣民の身も神の宮となりて神まつれ、祭祀の仕方知らしてあろう、神は急けるぞ。八月二十五日、 |
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9 (101) |
ひふみ神示 | 3_富士の巻 | 第21帖 | 神の申すこと何でも素直にきくやうになれば、神は何でも知らしてやるのぞ。配給のことでも統制のことも、わけなく出来るのぞ、臣民みな喜ぶやうに出来るのぞ、何もかも神に供へてからと申してあろがな、山にも川にも野にも里にも家にも、それぞれに神祀れと申してあろがな、ここの道理よく分らんか。神は知らしてやりたいなれど、今では猫に小判ぞ、臣民神にすがれば、神にまつはれば、その日からよくなると申してあろが、何も六ヶ敷いことでないぞ、神は無理言はんぞ、この神示読めば分る様にしてあるのざから役員早う知らして縁ある臣民から知らして呉れよ。印刷出来んと申せば何もしないで居るが、印刷せいでも知らすこと出来るぞ、よく考へて見よ、今の臣民、学に囚へられて居ると、まだまだ苦しい事出来るぞ、理屈ではますます分らんやうになるぞ、早う神まつれよ、上も下も、上下揃えてまつりて呉れよ、てんし様を拝めよ、てんし様にまつはれよ、その心が大和魂ぞ、益人のます心ぞ、ますとは弥栄のことぞ、神の御心ぞ、臣民の心も神の御心と同じことになって来るぞ、世界中一度に唸る時が近づいて来たぞよ。八月の二十八日、 |
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10 (208) |
ひふみ神示 | 6_日月の巻 | 第35帖 | 元からの神示腹に入れた人が、これから来る人によく話してやるのざぞ。この道はじめは辛いなれど楽の道ぞ。骨折らいでも素直にさへしてその日その日の仕事しておりて下されよ。心配要らん道ぞ。手柄立てようと思ふなよ。勝たうと思ふなよ。生きるも死ぬるも神の心のままざぞ。どこにどんな事して居ても助ける人は助けるのざぞ。神の御用ある臣民安心して仕事致しておりて下されよ。火降りても槍降りてもびくともせんぞ。心安心ぞ。くよくよするでないぞ。神に頼りて神祀りてまつわりておれよ。神救ふぞ。十一月二十九日、ひつ九のか三。 |
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11 (222) |
ひふみ神示 | 7_日の出の巻 | 第9帖 | 人、神とまつはれば喜悦しうれしぞ、まつはれば人でなく神となるのぞ、それが真実の神の世ぞ、神は人にまつはるのざぞ、 |
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12 (224) |
ひふみ神示 | 7_日の出の巻 | 第11帖 | 江戸に道場作れよ、先づ一二三唱へさせよ、神示読みて聞かせよ、鎮魂せよ、鎮神せよ、十回で一通り会得る様にせよ、神祀りて其の前でせよ、神がさすのであるからどしどしと運ぶぞ。誠の益人作るのぞ、此んな事申さんでもやらねばならぬ事ざぞ、神は一人でも多く救ひ度さに夜も昼も総活動してゐる事会得るであろがな、神かかれる人早う作るのぞ、身魂せんだくするぞ、神かかりと申しても狐憑きや天狗憑きや行者の様な神馮りでないぞ、誠の神憑りであるぞ、役員早う取りかかり呉れよ。十二月十一日、一二 |
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13 (231) |
ひふみ神示 | 7_日の出の巻 | 第18帖 | 富士の御用は奥山に祀り呉れよ、カイの御用も続け呉れよ、江戸一の宮作りて呉れよ、道場も同じぞ、 |
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14 (319) |
ひふみ神示 | 11_松の巻 | 第28帖 | 保食の神祀らづに、いくら野山拓いたとて、物作ることは出来ないぞ。煎り豆花咲く目出度い時となってゐるのに何して御座るのぞ。いくら人民の尻叩いて野山切り拓いても食物三分むつかしいぞ。神々まつれと申してあろが、野拓く時は野の神まつれ。物作る時は保食の神まつれ。産土の神様にもお願ひしてお取次願はな何事も成就せんぞ。人民の学や智ばかりで何が出来たか。早よ改心第一ぞ。山も川も野も人民も草も木も動物虫けらも何もかも此の方の徳であるぞ。それぞれの御役あるのざぞ。学や智捨てて天にむかへ。地にむかへ、草にむかへ、生物にむかへ、木にむかへ、石もの云ふぞ。草もの云ふぞ。七月十八日、あめのひつくのかみ。 |
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15 (329) |
ひふみ神示 | 12_夜明けの巻 | 第9帖 | 天詞様まつれと申してあろが。天津日嗣皇尊大神様とまつり奉れ。奥山には御社造りて、いつき奉れ。皆のうちにも祀れ。天津日嗣皇尊弥栄ましませ、弥栄ましませとおろがめよ。おろがみ奉れ、天照皇大神様、天照大神様、月の大神様、すさなるの大神様、大国主の大神様もあつくまつりたたえよ。奥山の前の富士に産土の大神様祀れよ、宮いるぞ。清めて祭れよ、タマの宮はその前横に移せよ。奥の富士に国 常立 大神、豊雲野 大神祀る日近うなりたぞ。宮の扉あけておけよ。臣民の住居も同様ぞ。大難小難にまつりかへて下されとお願ひするのざぞ。取違ひ、お詫び申せよ、楽にしてやるぞ。天の異変気付けよ。八月の五日、アメのひつ九の神。 |
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16 (345) |
ひふみ神示 | 13_雨の巻 | 第11帖 | 日の出の神様お出ましぞ、日の出はイであるぞ、イの出であるぞ、キの出であるぞ、判りたか。めんめめんめに心改めよと申してあろがな、人民と云ふ者は人に云はれては腹の立つ事あるものぢゃ、腹立つと邪気起るからめんめめんめに改めよと、くどう申すのぢゃぞ、智や学ではどうにもならんと云ふ事よく判りておりながら、未だ智や学でやる積り、神の国の事する積りでゐるのか。判らんと申して余りでないか、何事も判った臣民口に出さずに肚に鎮めておけよ、言ふてよい時は肚の中から人民びっくりする声で申すのざ、神が申さすから心配ないぞ、それまでは気も出すなよ。二十二日の夜に実地が見せてあろうがな、一所だけ清いけがれん所残しておかな足場なく、こうなってはならんぞ、カタ出さねばならんぞ、神国、神の子は元の神の生神が守ってゐるから、愈々となりたら一寸の火水でうでくり返してやる仕組ざぞ、末代の止めの建替であるから、よう腰抜かさん様見て御座れ、長くかかりては一もとらず二もとらさず、国は潰れ、道は滅びてしもうから早う早うと気もない時から気つけてゐるのぢゃが、神の申すこと聞く臣民人民まだまだぞ。此の道難しい道でないからその儘に説いて聞かしてやれよ、難し説くと判らん様になるのぞ。平とう説いてやれよ、難しいのは理屈入るのざぞ、難しい事も臣民にはあるなれど理屈となるなよ、理屈悪ざぞ。霊術も言霊もよいなれど程々に、三分位でよいぞ、中行かな行かれんのざぞ、銭儲けて口さへすごして行けばよい様に今の臣民まだ思ってゐるが、それは四つ足の四つの悪の守護である位判りておろがな。悪とは他を退ける事であるぞ、まつりまつりとくどう申してあること未だ判らんのか、今外国よいと申してゐる臣民は外国へ行っても嫌はれるぞ、外国にも住むところ無くなるぞ、外国も日本もないのざぞ、外国とは我よしの国の事ぞ、神国は大丈夫ざが、外国や日本の国大丈夫とは申されんぞ、と事分けて申してあろがな、日月の集団作り、境界作ってもならんが |
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17 (470) |
ひふみ神示 | 22_青葉の巻 | 第1帖 | 音秘会には別に神祀らいでもよいぞ、光の大神様斎き祀り結構いたしくれよ、皆に音秘様の分霊さずけとらすぞ。お守り、さずけとらすぞ、光の大神様の信者には御神名さずけとらせよ、役員には御神石まつりくれよ、光の大神様の日々の御給仕には十のカワラケにて供へまつれよ。役員七つに分けよ、大道師、権大道師、中道師、権中道師、小道師、権小道師、参道の七段階ぞ、中道師から上は神人共ざぞ。世界の民の会は三千世界に拝み合ふのざぞ、何事も神まつり第一ざと申してあろがな。大き器持ちて御座れよ、小さい心では見当とれんことになるぞ。慢心取違いポキンぞ。ミタマ何時でも変るのざぞ、次々に偉い人出て来るから神示よく読んでグングン行って進めよ、行ふ所神現はれるぞ、光の道弥栄ぞ、なせばなるのざぞ、人民どんどん行はなならんのざぞ、この神示から、ひかり教会から世に出せよ、この巻ア火ハの巻、前の巻は三 |
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18 (1716) |
霊界物語 | 18_巳_丹波物語3 玉照姫の誕生 | 05 赤鳥居 | 第五章赤鳥居〔六三三〕 天火水地と結びたる青赤白黄をこき交ぜて 緑滴る足曳の山と山とに包まれし 由良の流れに沿ひ乍ら彼方に立てる紫の 煙目あてに進み行く紫姫の宣伝使 草木も萠ゆる若彦や馬に鞭鞭つ膝栗毛 鹿と踏み締めテクテクと肩も斑鳩、飛ぶ空を 笠西坂の頂上に四人は漸く着きにけり。 若彦『紫姫様、此風景の佳い地点で四方の景色を観望して息を休めませうか』 紫姫『妾もさう思つて居ました、弥仙のお山は紫のお容姿を現はし給ひ、連峰を圧して高く雲表に頭を突出して、実に何とも云へぬ雄大さで御座いますね』 若彦『左様です、春の弥仙山は又格別ですな、彼方に見ゆる四尾の神山、コンモリした木の繁茂、桶伏山もちらりと見えて居ます、実に遠方から見た四尾山は一層の崇高味を増すやうですな、昨夜あの山麓の悦子姫様のお館を訪ねた時は、その様に立派な山ぢやと思ひませなンだが、矢張大きなものは近寄つて見るよりも、遠見の方が余程真相に触れる様ですな』 紫姫『アヽ佳い景色にうたれ、思はず時間を費やしました、そろそろ出掛ませうか』 馬公『もう些と休みていつたら如何です、之から奥へ行けば山と山と、双方から圧搾した様な殺風景な難路許りですよ、充分聖地を此処から憧憬して名残を惜しみ、四尾山に袂別の挨拶を終つて行かうではありませぬか、随分此先は急坂がありますから………』 紫姫『サア、も少し休みませうか』 鹿公『アヽ、さうなさいませ、充分英気を養つて参りませう、一歩々々大江山に接近するのですから、…此安全地帯で充分に浩然の気を養つて行く事に致しませう。然し乍ら最早大江山の鬼雲彦は遁走し、後には鬼武彦の御眷属が御守護して居られるなり、三嶽の岩窟は滅茶々々となり、鬼ケ城亦鬼熊別の敗走以来、敵の影を留めて居ないぢやありませぬか、それに又貴女は吾々を此方面へ用向も仰有らずに引き連れておいでになつたのは、少しく合点が参りませぬ、一体全体如何遊ばす積りですか。少し位お洩らし下さつても滅多に口外は致しませぬがな』 紫姫『いいえ、悦子姫様を通じて大神様の「一切秘密を守れ」との御神命なれば、仮令貴方と妾の仲でも之ばかりは発表する事は出来ませぬ、軈て真相が分るでせう』 鹿公『紫姫様は、吾々二人は元来貴女の従僕、さう叮嚀なお言葉をお使ひ下さつては実に恐れ入ります、何卒今後は鹿、馬と仰有つて下さいませ』 紫姫『いえいえ、今迄の妾なれば極端なる階級制度の習慣で主人気取りになるでせうが、三五教に救はれてより上下の隔壁を念頭よりすつかり散逸させて仕舞ひました。人間の作つた不合理的な階級制度を墨守するは、却て大神様の御神慮に違反する事となりませう。元は一株の同じ神様の分霊ですからな』 鹿公『ハイ、有難う御座います。左様ならば今後は主従の障壁を撤去し、私交上に於ては平等的交際を指して頂きませう。然し乍ら教理の上の事に就いては矢張師弟の関係を何処迄も維持して行き度う御座います、何卒之だけはお認め置きをお願ひ申します』 紫姫『何だか妾がお前さまの師匠なぞと云はれると、足の裏までくすぐつたい様な気がしてなりませぬ』 鹿公『今後は其積りでお願ひ致します、然し乍ら貴女は花の都へは帰り度うは御座いませぬか』 紫姫『それは人間ですもの、故郷に帰り度いは山々ですが、神様の御命令を完全に果さなくてはなりませぬ、それ迄は妾は故郷の事はすつかり念頭から分離して居ます、何卒今後は故郷の事は云つて下さいますな……、サア若彦さま、参りませう』 と潔く駆出す。 紫姫の一行は厳の霊や瑞霊 神の恵を河守駅ややすやす渉る船岡の 深山[※京都府福知山市大江町の豊受大神社が鎮座している船岡山のこと]を左手に眺めつつ人の心のあか鳥居 鬼武彦が眷属の旭明神祀りたる 祠の前に立ちどまり行く手の幸を祈りつつ 又もや北へ行かむとす頃しもあれや山林に 悲しき女の叫び声鳥の啼く音か猿の声か 合点ゆかぬと立ちとまり頭を傾け聞き居れば 助けて呉れいと手弱女の正しく叫びの声なりき。 若彦は此声に引きつけらるる如き面持にて前後を忘れ耳をすまし居る。 馬公『モシモシ若彦さま、何を茫然として居なさる、あの声は如何ですか、悲し相な乙女の救援を求むる声ぢやありませぬか』 若彦『何とも合点のゆかぬ声だ』 叫び声は益々烈しく聞え来る。 紫姫『皆さま、御苦労ですが妾は此祠の前で御祈念を致して待つて居ますから、道は暗う御座いますが気を注け乍ら、あの声を尋ねて実否を調べて来て下さいませぬか』 若彦『ハイ、畏まりました、貴女お一人此処にお待たせしても済みませぬから、鹿公を添へて置きませう』 紫姫『いえいえ、決して御心配下さいますな、妾は之より宣伝使となつて如何なる魔神の中にも単騎進撃をやらねばならない者で御座います、何卒お構ひなく一刻も早くあの声の方に向つてお進み下さいませ』 若彦『委細承知致しました、戦況は時々刻々に報告致させます、サアサア馬公、鹿公、サア出陣だ』 馬公『ここに馬が居ります、千里の名馬、御跨り下さいませ、敵に向つて天晴れ名将の武者振りを発揮するも一寸妙ですぜ』 鹿公『馬でお気に入らねば鹿も居ります、児屋根の命さまは鹿にお乗り遊ばしたぢやありませぬか、成る可くは私に恩命を下し給はらば結構ですが……』 若彦『馬公、鹿公、馬鹿口たたく猶予があるか、サア早く行きませう』 馬、鹿『エー、馬鹿々々しい、突貫々々、お一二お一二』 と暗がりの道を声をあげて進み行く。以前の声はピタリと止まりぬ。三人は暗夜に方向を失ひ当惑に暮るる折しも暗中に人の声、 甲(滝公)『サア、もう之で大丈夫だ、ああして松の下に猿轡を箝めて引括つて置けば逃げる気遣ひはない哩、マアゆつくりと暗がりを幸ひ休息でも遊ばさうぢやないか』 乙(板公)『休息しようと云つたつて俄に暗くなつて寸魔尺哭ぢや、まるで釜を被つた様ぢやないか』 甲(滝公)『釜を被れば空の星は見えない筈だ、あれ見よ、雲の綻びからチラホラと星の光が幽に瞬いて居るぢやないか』 乙(板公)『何、何処もかも天地暗澹、星一つだに見えぬ悲しさだ』 甲(滝公)『之程立派に星が見えて居るのに貴様は又何処を向いて居るのだ、アハヽヽヽ、やられ居つたな、八畳敷に』 乙(板公)『八畳敷て何だい』 甲(滝公)『大方狸に睾丸でも被されよつたのだらう』 乙(板公)『何、ソンナ気遣ひがあるものか、ヤア方角を間違つて居つた。下ばつかり見て居つたものだから、星が見えなかつたのだ、ホンに彼方此方に星の金米糖が光つて居る哩』 甲(滝公)『それこそ方角が天と地がつて居つたのだ』 乙(板公)『何、地と違つた丈だよ、アハヽヽヽ。然し貴様と俺と二人では彼の女を此暗がりに舁いで行く訳にもゆかず、道で又三五教の宣伝使にでも出会つたら大変だからなア』 甲(滝公)『ちつたア出世しようと思へば之位な苦労はせなくちや成らないよ。何時も黒姫さまが苦労は出世の基ぢやと仰しやるぢやないか、ソンナ弱い事を言はずに、サア之から棒片にでも括りつけて、貴様と俺とが舁いで魔窟ケ原の岩窟へ帰るとしよう。さうすれば富彦だつて虎若だつて、俺達に対し今迄の様に無暗に威張らなくなるよ。吾々は殊勲者として黒姫さまの信任益々厚く、鼻高々と高山彦の御大将以上に待遇されるかも知れないよ、アハヽヽヽ』 鹿は俄に女の作り声を出して、 鹿公『コレコレ、滝公、板公、俺は黒姫ぢや、その女を大切に踏縛つて早く舁いで、此黒姫の後に跟いて御座れ、愚図々々して居ると三五教に寝返りを打つた青彦が馬公や鹿公の古今無双の英雄豪傑を引率れ、お前達の首を捻切るかも知れぬ。サアサ早く用意をなされ、コンナ処で愚図々々して居ると云ふ事があるものかいのう』 甲(滝公)『ヤ、呼ぶより誹れとは此処の事か、今の今とて、…へ…一寸……貴女様のお噂を致して居りました。イヤもう骨の折れた事で御座いました。お節の阿魔女随分手が利いて居ましたよ』 鹿公『ア、さうぢやらうさうぢやらう、彼奴は仲々手の利いた奴ぢや、強情な女ぢや、サアサア早く月の出ぬ間に用意をなされ』 甲、乙(滝公、板公)『ハイ、畏まりました、暫時お待ち下さいませ』 鹿公『そのお節は何処に置いてあるのだい』 乙(板公)『ハイハイ、此処から十間許り先方の松の木の麓に猿轡を箝ませ、手足を縛つて根元に確り括つて置きました』 鹿公『それはお骨折ぢやつた、然し息の絶える様な事はして無からうな』 乙(板公)『何、貴女、何うせ連れて帰つて殺すか、此処で殺すか、手間は同じ事ですもの、あの通り猿轡を箝めた以上は、もう今頃はコロリといつて居るかも知れませぬ』 甲(滝公)『イエイエ、滅多に死ンでは居りますまい、此滝公が息の絶れない様に、声を出さない様に、そこは注意周到な者です、大丈夫ですよ』 鹿公『俺も一寸調べがてらにお前の後に跟いて行かうかな』 甲(滝公)『サアサ黒姫様、御実検下さいませ、貴女に実地を見て貰へばお馬の前の功名も同然、いやもう無上の光栄で御座います』 鹿公『それはお手柄お手柄、サア早く見せて下さい』 板公『随分険難な暗がり道で御座いますから、私がお手を把つて上げませう』 鹿公『イヤイヤ、滅相な、年は寄つても未だお前の様な若いお方に助けられる程、耄碌はして居りませぬ哩、手を握られると発覚の……どつこい……八角の糞をこめて気張つても……お節の手を握つて妙な事をするでないぞ』 板公『阿呆らしい、何を仰しやいます、ソンナラ私の後から足音をたよつて来て下さいませ、アヽ暗い暗い』 と探り足に歩き出す。三人は息を凝らし闇を幸ひ跟いて行く。 滝公『オイ、板公、何の辺だつたいな、あまり暗くつて鼻抓まれても分らぬ様だ、テント方向がとれぬぢやないか』 板公『ヤ、此処だ此処だ、オイお節、これから魔窟ケ原の結構な処へ送つてやるのだ、満足だらう。オイお節、返事をせぬか』 滝公『馬鹿云うない、声をたてぬ様に猿轡を箝めて置いた者が返事をするものかい、狼狽へた事を云ふな』 板公『オヽ、さうだつたな、サアサアお節、解いてやらう、ヤア偉い猿轡だ、息を絶らしては面白くない、ちつと緩めてやらう、ヤア暖いぞ暖いぞ、確に此耆婆扁鵲の診察に依れば極めて安心だ。恢復の見込たしかだ。予後良だ』 馬、妙な声を出して、 馬公『ヒユー、ドロドロドロ、怨めしやア、仮令生命はとらるるとも、魂魄此土に留まりて、滝公、板公の素首引き抜かいでやむべきか……』 滝、板は、 滝公、板公『ヤア、出やがつた、こいつア堪らぬ』 と無茶苦茶に駆け出す。過つて傍の谷川へザンブと二人は陥ち込みたり。 馬公は手早く綱を解き猿轡を外し、 馬公『ヤアお節さま、しつかり成さいませ、もう大丈夫です』 お節は初めて気が付いたと見え、 お節『何、汝悪神の家来共、もう斯うなる上はお節が死物狂、目に物見せて呉れむ』 馬公『ヤア、それは違ひます、私は三五教の馬と申すもの、貴女のお声を尋ねてお助けに来たのです、御安心なさいませ。今二人の悪者共は驚いて逃行く途端に、此谷川へ落ち込みました。あまり暗いので如何なつたか知りませぬが、吾々は決して悪者では御座いませぬ。サア鹿公、若彦さま、此お節さまの手を引いて広い道まで連れて行つてあげませうか』 お節は初めて安心の態、 お節『これはこれは危い処をようこそお助け下さいました。アヽ神様有難う御座います』 と天に向つて合掌し感謝する折しも、山を覗いて出る半円の月、忽ち道は判然と見え出しにける。 馬公『アヽ有難いものだ、これで安心だ、サア早く、紫姫さまがお待ちかね、参りませう』 とお節の手を把り、四人は紫姫の暗祈黙祷を凝らす祠の前にやつと帰り来たりぬ。 鹿公『紫姫様、鹿の野郎が功名手柄、お褒め下さいませよ。目的物は首尾よく手に入りました』 紫姫『ア、それはそれは、御苦労様、何処のお方だつたか知らぬが危い処で御座いましたな』 お節『ハイ、有難う御座います、力と頼むお爺さまには死に別れ、お婆アさまにも亦死別れ、今は頼りなき女の一人暮し、許婚の妾が夫の後を慕ひ、聖地に向つて進み来る折しも、道に踏み迷ひ魔窟ケ原を通りました。所が後より「オーイオーイ」と男の声、何は兎もあれ、怪しき奴と一生懸命に長い道を此処まで逃げて参りました、折あしく道中の岩石に躓きバタリと転けて倒れた所を、追ひかけて来た二人の男、折り重なつて妾を高手小手に縛り、松の木の麓に連れて行つて、打つ蹴る殴るの乱暴狼藉、妾は力の限り何れの方かお通りあらばお助け下さるであらうと、女々しくも声をたてました。さうすると二人の悪者は妾の口に箝ます猿轡、最早叶はぬと観念の目を睜り、気も鈍くなりまする際、思はぬお助けに預かりました。此御恩は死すとも忘れませぬ、皆様能くお助け下さいました』 と嬉し涙に泣き伏しける。 鹿公『モシ若彦さま、察する処貴方のれこぢやありませぬか』 若彦『ハイ……』 と云つたきり若彦は俯向き居る。 鹿公『アハヽヽヽ、これはこれは、お恥しう御座るか、久し振りの恋女房の対面、柔和しい言葉の一つも掛けておあげなさつては如何ですか、吾々が居ると思つて云ひ度い事も能う云はず、泣き度うても能う泣かず、吾と吾心を詐つて居らつしやるのでせう。吾々であつたなればソンナ虚偽な事は致しませぬワ、「ア、お前は女房か、能うマア無事に居て呉れた、これと云ふも神様のお蔭、会ひたかつた会ひたかつた」としつかと抱きしめ嬉し涙に暮れにけり……と云ふ場面だ。吾々は暫く退却を致さう、ナア若彦さま、お節さまとゆつくり程経し思ひ出の物語、しつぽりとなされませや、ずつしりとお泣き遊ばせ、紫姫さま、馬公、暫く気を利かせませう』 若彦『イヤ有難う御座います、皆様のお蔭、斯様な処でお節殿に会ふのも神様のお摂理で御座いませう。モシモシお節どの、私を覚えて居ますか、青彦ですよ』 お節『ア、貴方が青彦さま、お懐しう御座います。能うマア無事で居て下さいました』 と嬉しさに前後を忘れ、青彦の手に獅噛み付く様に身体をもだえ泣き叫ぶ。 鹿公『カチカチ、観客の皆さま、これで幕切と致します。今後の成行は又明晩続き物として演じまする、何卒不相変御贔屓を以て賑々しく御入来あらむ事を偏に希ひ上げ奉ります、アハヽヽヽ』 紫姫『オホヽヽヽ、鹿公、時と場合に依ります、洒落もいい加減にしなさいや』 馬公『オイ鹿、何を云ふのだ、サアサア皆さま、月も出ました、もう一息だ、天の岩戸まで急ぎませう』 (大正一一・四・二五旧三・二九北村隆光録) |
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霊界物語 | 46_酉_小北山の宗教改革2 | 14 打合せ | 第一四章打合せ〔一二二四〕 松姫館には夜の更くるまで雑談が始まつてゐる。 五三『モシ松彦さま、思はず、暇を小北山で費しましたなア。治国別の宣伝使は、さぞ待つてゐられますでせうなア。何うです、神様をスツパリ祀りかへて行くといふお話ださうですが、これだけ沢山のお宮さまを一々祀りかへて居つた日には、二日や三日では埒があきますまい。そんな事をしとつたら肝腎の御用が後れるぢやありませぬか』 松彦『ソレもさうですが此儘にして行く訳にも行かず、困つたものです。私達は都合によつたらエルサレム迄行つて来なくてはなりませぬ。さうすれば一年位は早くてもかかりますから、イツソの事、松姫に一任しておいたら何うでせうなア』 五三『万公さまも一緒に暫く残しといたら何うでせうか』 アク『モシ先生、こんな男を残しておかうものなら、又狐につままれて駄目ですよ。お寅さまに魔我彦、万公の欺され三幅対です。が、欺され三幅対をこんな処へ置いておかうものなら、又候狐狸の巣窟となつて了ひます。而して万公さまは斎苑の館からお供に連れて治国別さまが厶つたのだから、貴方の勝手にはなりますまい』 松姫『ソラさうですなア、五三公さま、一つ貴方神様に伺つて見て下さらぬか』 五三『ハイ承知致しました。それなら一つ伺つて見ませう』 と言ひながら手を組んで暫く無我の境に入つた。 五三『ヤア解りました。未だ三日ばかしは差支ない様です。明日早朝から神様の御祀りかへをする事に致しませう、それに就てはお寅さま、魔我彦さまの承諾をうけておく必要はありますまいかなア』 松姫『それが第一です。テクさま、すまないが一つお寅さまと魔我彦さまを此処へ来て頂くやうに頼んで下さいなア』 テク『承知致しました』 と座を立つて階段を下り行く。 アク『松姫さま、随分貴女は此処へおいでになつてから日日が経つたやうですが、妙な神さまばかり祀つたものですなア』 松姫『本当にをかしくて怺らぬのです。幾何にでもへぐれてへぐれてへぐれ廻す神さまですからなア』 アク『へぐれ神社に種物神社、生羽神社に大門神社、其他随分妙な名があるぢやありませぬか。ヨウマアこんな出放題な神名や神社名がつけられたものですなア』 松姫『ソレでも世間は広いものですよ。誰も彼も一生懸命になつて詣つて来るのですから、不思議なものですわ』 アク『大変に変性男子をほめて変性女子をくさしてゐるぢやありませぬか』 松姫『二三年前迄は極力変性女子を悪の鏡だとか言つて攻撃して居りましたが、此頃は変性男子の生宮が昇天遊ばしたので、仕方がなく一生懸命に変性女子の弁解ばつかりしてゐるのですよ。男子と女子とが経と緯とで錦の機を織るのだ。而して義理天上日の出神が世界中の事を調べて、変性女子にソツと言うて聞かすのだと、ソレハソレハ偉い権幕でしたわ』 万公『余程改心が出来たと見えますねえ』 松姫『イエイエさうではありますまい。三五教の信者を占領しようと思へば、此頃は女子の勢力が強いのだから、両方をうまく言はねばひつかかつて来ないものですから、策略であんな事を云つとるのですよ。九分九厘行つたとこで女子は悪の鏡だと云つてクレンとひつくり返すのですから油断は出来ませぬよ。併しながら変性女子の眷属がかうして沢山やつて来たものだから、肝腎の教祖が女と手に手をとつて駆落したのも、つまり神罰が当つたのでせう』 松彦『曲神は善の仮面を被りつつ 世を欺くぞゆゆしかりける。 表には愛と善とを標榜し 裏に曲をば包む醜道。 何時の世にも栄ゆるものは偽善者よ 正しきものは衰へて行く。 さりながら五六七の神の生れし上は 最早悪魔の栄ゆ術なし』 松姫『蠑螈別、魔我彦、お寅婆さまの 心は猫の眼なりけり。 夜も昼も酒に腸くさらせつ 曲の宮居となれる憐れさ。 艮の婆さまと自ら称へつつ 坤神何時もこぼちつ。 曲津見の醜の教に迷ひけり 何を言うてもきくらげの耳。 これだけによくも迷ひしものぞかし 誠の教は一言もきこえず』 五三『斎苑館珍の宮居に比ぶれば 天と地との如くなりけり。 小北山峰の嵐はつよくとも 早をさまりて松風の音』 万公『ここへ来て怪しき事の数々を たこになるまで耳に入れける。 耳も目も口鼻迄も痺れける 曲と曲とに囲まれし身は。 さりながら神の御稜威は灼乎に 逃げ失せにけり醜の曲神』 アク『あくせくと心なやむる事勿れ ただ何事も神に任せて。 悪神を追ひそけちらし根本の 神祀るとて世人あざむく』 タク『ユラリ彦、上義の姫の生宮と 信じゐるこそ可笑しかりけれ。 さりながら信じてくれたそのために 小北の山を立直すなり。 高姫や黒姫司がきくならば さぞ懐旧の念に燃ゆべし』 テク『尾白し頭も白し古狐 騙しけるかな三人の人を。 蠑螈別今は何処にひそむらむ お民の後を慕ひ慕ひて。 魔我彦の心はさぞやもめぬらむ 恋にこがれしお民とられて』 これよりお寅、魔我彦、お菊、文助などを加へ、松姫館の奥の間で明朝早くより三五の大神を鎮祭すべく修祓、遷座式其他の件に就て打合せをなし、各自の居間に帰つて其夜を明かす事となつた。 あゝ惟神霊幸倍坐世。 (大正一一・一二・一五旧一〇・二七外山豊二録) 因に、本日午前九時より午後十一時まで十四時間に原稿紙八百一枚を口述し終れり。これ今日までのレコード也。(瑞月) |
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霊界物語 | 81_申_伊佐子の島の物語 | 04 遷座式 | 第四章遷座式〔二〇三一〕 アヅミ王が発起のもとに、軍神等が百日百夜丹精を凝らしたる結果、月光山の頂上にさも荘厳なる瑞の御舎は建てられにけり。 茲にアヅミ王は、七日七夜の修祓を終り、恭しく神殿に昇り祓ひの式を修し、且つ遷宮式の祝詞を奏上しける。 神々等は此の聖場に襟を正し、恐懼して控へ居る。禊祓の祝詞の文に曰ふ。 『掛巻くも畏き、紫微天界の真秀良場高日の宮に、大宮柱太敷きたて、高天原に千木高知りて、永久に鎮まりいまし、大宇宙を領有ぎ給ふ主の大御神、高鉾の神、神鉾の神の貴の大前に斎主元イドム城の主アヅミ王、謹み敬ひ畏み畏みも白さく。 アヅミの国は大御神の恵弥深く、田畑繁り木の実豊かに、国津神は朝な夕なの厚き恵に、楽しく世を送りける折もあれ、サールの国の国司エールスは、数多の兵士を率ゐて大栄山の峰を渡り、真珠の湖を占領し、進んで平和の楽土と聞えたる、吾祖先より弥次々に守りたる、イドム城を取り囲み、弓矢をもちて攻め寄せ来りけるにぞ、吾も此猛き仇を防がむとして射向ひたりけるに、果敢なくも味方の大方は敵に滅ぼされ、吾娘は行方分かずなりにける。かかる禍の吾に迫り来るは、全く祖々の志を軽んずるの余り、主の大神の御恵を忘れ、恣なる政治を為せし罪故と、ここに前非を悔い真心より改めて、大神の御子たる事を悟らひにける。吾ここをもて悔い改めの心の千重の一重のしるしにもと、月光山の頂の最も清く最も涼しき、常磐木茂る上津岩根に、大宮柱太敷きたてて、主の大神の大御霊を招ぎ奉るとして、海川山野の種々の美味物を、八足の机代に置き足はし、御酒御饌御水献りて願ぎ奉るさまを、安らけく平らけく聞食し、相諾ひ給ひて、月光山のこれの聖所は、弥益々も常夏の国と栄え、神の恵を戴きて再びイドムの城を奪ひ返さしめ給へ。イドムの城の再び吾手に返りし上は、上下共に驕りの心を戒め、火、水、土の恵を悟らしめ、大御神の大御心に叶ひ奉るべく教へ諭すべきを誓ひ奉る。仰ぎ願はくは主の大御神、これの大殿に天降りましまして、貴の御霊を永久に止めさせ給ひ、イドムの国は言ふも更なり、サールの国も悉く、大御神の恵の露に潤はしめ、直く正しき心を持たしめ給へと、畏み畏みも祈願奉らくと白す。 一二三四五六七八九十百千万 千万の栄えあれ 八千万の恵あれ』 かく歌ひ終り、再び神前に敬礼しながら、 『久方の天津御神の大御かげを 吾はたしかに拝みまつりぬ ありがたき神の天降りに我国は 弥ますますも栄え行くらむ 主の神の御霊天降らす今日よりは 我国原は安けかるべし 天を仰ぎ地に額づき朝夕を 主の大神に仕へ奉らむ 月光の山は清しも主の神の 御霊の永久に止まり給へば 草も木も色艶やかになりにけり 神の天降りし此のたまゆらに 過ちし心をとみに清めたる 吾は神の子神の宮なり 永久にこれの宮居に止まりて 伊佐子の島根を照らさせ給へ』 と拍手して元の座に直りける。 ムラジ姫は神前に拝礼し静かに歌ふ。 『八十日日はあれども今日の吉き日こそ わがたましひの蘇り知る 主の神はこれの聖所に天降りまして わがたましひの勇みやまずも 嘆かひの日数重ねて嬉しくも 今日の吉き日にあひにけらしな 愛娘チンリウ姫の行く先を 守らせ給へ主の大御神 わが娘齢しあれば一日だも 早く吾目にうつさせ給へ 何となく心嬉しく勇みたちて 吾手吾足舞ひ狂ふなり 祖々の守りし城に立ち帰り 神のまつりを行はせませ』 シウランは歌ふ。 『久方の主の大神の御霊を 斎きし今日は喜びあふる 厳かな王の祝詞の言霊に 主の大御神天降りましけむ 言霊の助くる国と知りながら 行ひ得ざりし事を悔ゆるも 言霊を朝夕宣りつつありしならば イドムの城は滅びざりけむ 言霊の厳の力を忘れたる 報いは滅びの他なかりけり 武士を数多引き連れ敗れたる われも言霊忘れ居たりき』 斯く歌ふ折しも、殿内忽ち鳴動して地鳴震動烈しく、新築の社殿も殆ど覆へらむばかり思はれにける。 アヅミ王は恐れ畏み、再び神前にひれ伏して静かに歌ふ。 『大神の御旨にそむきし為なるか 天地一度に揺ぎそめたる 罪あれば吾を譴責めよ天津神 われに倣ひしものにありせば わが教曇りたるより国津神 神を忘れて乱れたりける 吾生命召すも厭はじ国津神の 罪を偏に許させ給へ』 かく歌ふ折もあれ、突然として神前に現はれ給ひし三柱の大神あり。 一柱の神は主の大神と見えて御姿いたく光らせ給へば、拝み奉るよしもなく、わづかにその御影を想像するばかりなりけるが、白衣を纒ひ右手に各自鉾を持たして立ち給ふ神は、正しく高鉾の神、神鉾の神にましましける。 高鉾の神は厳かに宣らせ給ふ。 『吾こそは高日の宮ゆ天降りてし 高鉾の神ぞ心安かれ この国は生言霊の死せる国 神の助けのあらぬ国ぞや アヅミ王元津心に立ちかへり 宮居造りしわざを嘉すも 天地の一度に揺りしは主の神の 天降り給ひししるしなるぞや アヅミ王よ恐るるなかれ主の神の 御国助くと天降りませしぞや』 神鉾の神は御歌詠ませ給ふ。 『主の神の御供に仕へ八重雲を かき分け此処に天降りし神ぞや 神鉾の神はわれぞや村肝の 心清めてわが面を見よ』 この降臨にアヅミ王をはじめ左守、右守、軍師其他の神々は広庭にひれ伏し、感謝と喜びに身をふるはして蹲り居る。 アヅミ王は恐る恐る謹み歌ふ。 『罪深き吾身の願ひ聞召し 天降り給ひし神ぞ畏し 今日よりは心を清め身を浄め 神の御旨に叶ひ奉らむ 力弱き吾に力を添へ給へ イドムの国は醜はびこれば』 高鉾の神は御歌詠ませ給ふ。 『醜神は汝が心に潜むなり みたま清めて追ひ出すべし 刈菰と乱れはてたる此の国も 汝が心の汚れし故ぞや 今日よりは元津心にたちかへり 誠の上にも誠を尽せよ』 アヅミ王は歌ふ。 『ありがたき仰せなるかも知らず知らず わが魂に曲津の潜めるか 主の神の厳の力にわが魂の 醜の鬼神退ひ給はれ』 神鉾の神は御歌詠ませ給ふ。 『ゐやなきは汝が言葉よ魂の 鬼は自らつくりしものを 肝向ふ心の鬼を退ふべき 誠の力は真言なるぞや』 斯く歌ひ給ふや、三柱の神は消ゆるが如く御姿を隠させ給ひける。再び天地震動して大空の雲は左右に分れ、虹の如き天の浮橋かかるよと見る間に、三柱の神は荘厳なる雄姿を現はし給ふ御姿、ほのかに下界より拝むを得たりける。 アヅミ王は天を仰ぎ拍手しながら、謹みの色を面に漲らして歌ふ。 『主の神は善言美詞の言霊を われに授けて帰りましけり 御教委曲に聞きてわが魂の 汚れはてたる事を悟りぬ 大宮は新たに仕へ奉れども 鎮まりまさずて帰らせ給ひぬ 真心のあらむ限りを尽しつつ われは誠をもちて仕へむ 主の神の怒りに触れしか吾魂は 穏かならず震ひをののく エールスに城奪はれしも吾魂に 潜む曲津のわざなりしかな 上下の序を乱し誇りたる 国津神らの罪また深けむ さりながら吾魂の曇りゐて 世の乱れをば悟らず居たるよ 乱れしと悟りし頃は早や既に 吾住む城は落ちにけらしな 掛け巻くも綾に畏き大神の 恵賜はれこれの御国に』 ムラジの姫は歌ふ。 『三柱の神の御姿拝みてゆ われは頭をもたげ得ざりき 頭上より押しつぶさるる心地して 御稜威畏みふるへ居たるも 天地にかかる尊き神坐すと 知らざる罪の報い来しよな エールスの襲ひ来るも宜ようべ 神に背きしイドムの城は 天地は神の住処と知らずして 驕り暮せし罪恐ろしも 七日七夜の禊はおろか百日日も 身体みたま清め澄まさむ 主の神の御霊をこれの新殿に 迎へむとせし罪恐ろしも 吾々がみたまの曇り晴れざれば 如何で天降らむ三柱神は 恐れ多き事をなしけり曇りたる みたまかかへて神祀るとは 新殿は厳かなれど主の神は 鎮まりまさず心もとなや 磨きたる上にもみたまみがきあげ 神の御前に仕へ奉らな』 シウランは歌ふ。 『恐れ多き事をなしけり汚れたる 身を省みず神を招ぎしは 神殿も毀れむばかり唸りつつ 動き揺れしは神罰なるべし 今日よりは弓矢の道を改めて 言霊軍の司とならむ』 ナーマンは歌ふ。 『年古く左守の神と仕へつつ この過ちを悟らざりしよ 吾王の輔弼の役を勤めつつ 王を誤らしめし吾なり 主の神よ許し給はれわが生命 よしや召すとも厭はざりせば チンリウ姫敵に奪はれ給ひしも われらが罪と思へば悲しき』 ターマンは歌ふ。 『長からむ月日を王に仕へつつ 神の恵を悟らずに来し 罪といふ罪のことごと集まりて イドムの城は滅びしなるらむ かくなるも吾等が神を忘れたる 罪と思へば身の置場もなし』 アヅミ王は歌ふ。 『汝たちは嘆かふなかれ皆われが 神をなみせし罪なりにける 今日よりは心あらため愛善の 神の心に抱かれ進まむ 如何ならむ罪科あるも愛善の 主の大神は救ひ給はむ』 シウランは歌ふ。 『吾王の優しき心聞くにつけ われ自ら涙こぼるる 今となり歎くも詮なし村肝の 心清めて仕ふるのみなる 地の上の欲に離れて惟神 神の誠に従はむかな』 ムラジ姫は歌ふ。 『形ある宝を捨てて形なき 宝求むと心を磨かむ 吾魂は曇りて居たり主の神の 貴の教を聞くまで悟らず』 かく各自述懐を歌ひ、神前に感謝の祝詞を奏上し後しざりしながら、月光山の頂上なる神殿を降り、俄造りの城内に帰り行く。 大空の月は皎々として輝き渡り、時ならぬ百鳥の囀り百花の香り、空中の音楽嚠喨として響き渡り、短き春の夜は遂に明け放れたり。ああ惟神霊幸倍坐世。 (昭和九・八・四旧六・二四於伊豆別院白石恵子謹録) |