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(203)
ひふみ神示 6_日月の巻 第30帖 おのころの国成り、この国におりましてあめとの御柱見立て給ひき。伊邪那岐 命伊邪那美 命島生み給ひき。 初めに水蛭子、淡島、生み給ひき。この御子、国のうちにかくれ給ひければ、次にのりごちてのち生み給へる御子、 淡道之穂之三別島、伊予の二名島、この島、愛媛、飯依比古、大宜都比売、建依別と云ふ。次、隠岐の三子島、天之忍許呂別。次、筑紫島、この島、白日別、豊日別、建日向日豊久土比泥別、建日別。次、伊伎島、天 比登都柱。次、津島、天狭手依比売。次、佐渡島。次、大倭秋津島、天津御空豊秋津根別。次、吉備之児島建日方別。次、小豆島、大野手比売。次、大島大多麻流別。次、女島、天一根。次、知詞 島、天 忍男。次、両児島、天両屋、二島、八島、六島、合せて十六島生み給ひき。次にまたのり給ひて、大島、小島、生み給ひき。淡路島、二名島、おきの島、筑紫の島、壱岐の島、津島、佐渡の島、大倭島、児島、小豆島、大島、女島、なかの島、二子島の十四島、島生みましき。 次に、いぶきいぶきて、御子神生み給ひき。大事忍男 神、大事忍男 神、 石土毘古 神、石土毘古 神、 石巣比売 神、石巣比売 神、 大戸日別 神、大戸日別 神、 天之吹男 神、天之吹男 神、 大屋毘古 神、大屋毘古 神、 風木津別之忍男 神、風木津別之忍男 神、 海 神、海 神、 大綿津見 神、 水戸之神、水戸の神、 速秋津比 神、 速秋津比売 神、速秋津比売 神、 風 神、風 神、 志那都比古 神、 木 神、木 神、 久久能智 神、 山 神、山 神、 大山津見 神、 野 神、野 神、 鹿屋野比売 神、 野椎 神、 鳥之石楠船 神、 天 鳥船 神、 大宜都比売 神、大宜都比売 神 火之夜芸速男 神、 火之煇比古 神生みましき。速秋津日子、速秋津比売、 二柱の神川海に因りもちわけ、ことわけて、生ませる神、 沫那芸 神、沫那美 神、 頬那芸 神、頬那美 神、 天之水分 神、国之水分 神、 天之久比奢母智 神、国之久比奢母智 神。次に、 大山津見 神、野椎 神の二柱神、山野に依りもちわけて、ことあげて生みませる神、 天之狭土 神、国之狭土 神、 天之狭霧 神、国之狭霧 神、 天之闇戸 神、国之闇戸 神、 大戸惑子 神、大戸惑女 神、 大戸惑子 神、大戸惑女 神生みましき、伊邪那美 神やみ臥しまして、たぐりになりませる神、 金山比古 神、金山比売 神、 屎になりませる神、 波仁夜須比古 神、波仁夜須比売 神、 尿に成りませる神、 弥都波能売 神、和久産巣日 神、 この神の御子、 豊宇気比売 神と申す。 ここに伊邪那美 神、火の神生み給ひて、ひつちとなり成り給ひて、根の神の中の国に神去り給ひき。ここに伊邪那岐 神泣き給ひければ、その涙になりませる神、 泣沢女 神、ここに迦具土 神斬り給へば、その血石にこびりて、 石析 神、 根析 神、 石筒之男 神、 雍瓦速日 神、 樋速日 神、 建御雷男 神、 建布都 神、 豊布都 神、 御刀の手上の血、 闇於加美 神、 闇御津羽 神、ここに殺されし迦具土の御首に成りませる神、 正鹿山津見 神、 御胸に於藤山津見 神、 腹に奥山津見 神、 陰に闇山津見 神、 左の御手に志芸山津見 神、 右の御手に羽山津見 神、 左の御足に原山津見 神、 右の御足に戸山津美 神、成りましき。 ここに斬り給へる御刀、 天之尾羽張、伊都之尾羽張、と云ふ。ここに妹恋しまし給ひて根の国に追い往で給ひき。 十一月二十五日夜、一二
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(213)
ひふみ神示 6_日月の巻 第40帖 ここに伊邪那美の命語らひつらく、あれみましとつくれる国、未だつくりおへねど、時まちてつくるへに、よいよ待ちてよと宣り給ひき。ここに伊邪那岐 命、みましつくらはねば吾とつくらめ、と宣り給ひて、帰らむと申しき。ここに伊邪那美 命九聞き給ひて、 御頭に大雷、オホイカツチ、 胸に火の雷、ホノイカツチ、 御腹には黒雷、黒雷、 かくれに折雷、サクイカツチ、 左の御手に若雷、ワキ井カツチ、 右の御手に土雷、ツチイカツチ、 左の御足に鳴雷、ナルイカツチ。右の御足に伏雷、フシ井カツチ、なり給ひき。 伊邪那岐の命、是見、畏みてとく帰り給へば、妹伊邪那美 命は、よもつしこめを追はしめき、ここに伊邪那岐 命黒髪かつら取り、また湯津々間櫛引きかきて、なげ棄て給ひき。伊邪那美 命二の八くさの雷神に黄泉軍副へて追ひ給ひき。 ここに伊邪那岐 命十挙 剣抜きて後手にふきつつさり、三度黄泉比良坂の坂本に到り給ひき。坂本なる桃の実一二三取りて待ち受け給ひしかば、ことごとに逃げ給ひき。 ここに伊邪那岐 命桃の実に宣り給はく、汝吾助けし如、あらゆる青人草の苦瀬になやむことあらば、助けてよと宣り給ひて、また葦原の中津国にあらゆる、うつしき青人草の苦瀬に落ちて苦しまん時に助けてよとのり給ひて、おほかむつみの命、オオカムツミノ命と名付け給ひき。 ここに伊邪那美 命息吹き給ひて千引岩を黄泉比良坂に引き塞へて、その石なかにして合ひ向ひ立たしてつつしみ申し給ひつらく、うつくしき吾が那勢 命、時廻り来る時あれば、この千引の磐戸、共にあけなんと宣り給へり、ここに伊邪那岐 命しかよけむと宣り給ひき。 ここに妹伊邪那美の命、汝の国の人草、日にちひと 死と申し給ひき。伊邪那岐 命宣り給はく、吾は一日に千五百生まなむと申し給ひき。 この巻二つ合して日月の巻とせよ。十一月三十日、ひつ九のか三。
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(284)
ひふみ神示 10_水の巻 第10帖 五大洲引繰り返って居ることまだ判らぬか。肝腎要の事ざぞ。七大洲となるぞ。八大洲となるぞ。 今の臣民に判る様に申すならば 御三体の大神様とは、 天之御中主 神様、 高皇産霊 神様、 神皇産霊 神様、 伊邪那岐 神様、 伊邪那美 神様、 つきさかきむかつひめの神様で御座るぞ。雨の神とは あめのみくまりの神、 くにのみくまりの神、 風の神とは しなどひこの神、 しなどひめの神、 岩の神とは いわなかひめの神、 いわとわけの神、 荒の神とは 大雷のをの神、 わきいかづちおの神、 地震の神とは 武甕槌 神、 経津主 神々様の御事で御座るぞ。木の神とは 木 花開耶姫 神、 金の神とは 金かつかねの神、 火の神とは わかひめきみの神、 ひのでの神とは 彦火々出見 神、 竜宮の乙姫殿とは 玉依姫の神様のおん事で御座るぞ。此の方の事何れ判りて来るぞ。今はまだ知らしてならん事ぞ。知らす時節近づいたぞ。六月十一日、みづの一二
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(789)
ひふみ神示 31_扶桑の巻 第1帖 東は扶桑-二三-なり、日--出づる秋は来にけり。この巻扶桑-二三-の巻、つづく六の巻を合せて七の巻一百四十四帖の黙示を五十黙示と申せよ。イシもの言ふぞと申してありたが、イセにはモノ言ふイシがあると昔から知らしてあろうがな、五の一四がもの言ふのであるぞ、ひらけば五十となり、五百となり、五千となる。握れば元の五となる、五本の指のように一と四であるぞ、このほうを五千の山にまつれと申してあろうが、これがイチラ(五千連)ぞ、五十連ぞ、判りたか、五十連世に出るぞ。天に神の座あるように、地には人民の座があるぞ、天にも人民の座があるぞ、地に神の座があるぞ。七の印と申してあるぞ、七とはモノのなることぞ、天は三であり、地は四であると今迄は説かせてあったなれど愈々時節到来して、天の数二百十六、地の数一百四十四となりなり、伊邪那岐三となり、伊邪那美二となりなりて、ミトノマグハイして五となるのであるぞ、五は三百六十であるぞ、天の中の元のあり方であるぞ、七の燈台は十の燈台となり出づる時となったぞ、天は数ぞと申してあろう、地はいろは(意露波)であるぞ。判らん者が上に立つこととなるぞ、大グレン目の前、日本のみのことでないぞ、世界中のことであるぞ、今度は三千世界が変るのであるから今迄のようなタテカヘではないのであるぞ。何も彼も鏡にうつるのであるぞ。鏡が御神体であるぞ。何もうつらん御神体のカガミは何もならんぞ。
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(813)
ひふみ神示 32_碧玉之巻 第10帖 岩戸しめの始めはナギ(伊邪那岐命)ナミ(伊邪那美命)の命の時であるぞ、ナミの神が火の神を生んで黄泉国に入られたのが、そもそもであるぞ、十の卵を八つ生んで二つ残して行かれたのであるぞ、十二の卵を十生んだことにもなるのであるぞ、五つの卵を四つ生んだとも言へるのであるぞ、総て神界のこと、霊界のことは、現界から見れば妙なことであるなれど、それでちゃんと道にはまってゐるのであるぞ。一ヒネリしてあるのぢゃ、天と地との間に大きレンズがあると思へば段々に判りてくるぞ。夫神、妻神、別れ別れになったから、一方的となったから、岩戸がしめられたのである道理、判るであろうがな。その後、独り神となられた夫神が三神をはじめ、色々なものをお生みになったのであるが、それが一方的であることは申す迄もないことであろう、妻神も同様、黄泉大神となられて、黄泉国の総てを生み育て給ふたのであるぞ、この夫婦神が、時めぐり来て、千引の岩戸をひらかれて相抱き給う時節来たのであるぞ、うれしうれしの時代となって来たのであるぞ。同じ名の神が到るところに現はれて来るのざぞ、名は同じでも、はたらきは逆なのであるぞ、この二つがそろうて、三つとなるのぞ、三が道ぞと知らせてあろうがな。時来たりなばこの千引の岩戸を倶にひらかんと申してあろうがな。 次の岩戸しめは天照大神の時ぞ、大神はまだ岩戸の中にましますのぞ、ダマシタ岩戸からはダマシタ神がお出ましぞと知らせてあろう。いよいよとなってマコトの天照大神、天照皇大神、日の大神、揃ふてお出まし近うなって来たぞ。 次の岩戸しめは素盞鳴命に総ての罪をきせてネの国に追ひやった時であるぞ、素盞鳴命は天下を治しめす御役神であるぞ。天ヶ下は重きもののつもりて固まりたものであるからツミと見へるのであって、よろづの天の神々が積もる-と言ふ-ツミ(積)をよく理解せずして罪神と誤って了ったので、これが正しく岩戸しめであったぞ、命をアラブル神なりと申して伝へてゐるなれど、アラブル神とは粗暴な神ではないぞ、あばれ廻り、こわし廻る神ではないぞ、アラフル現生る-神であるぞ、天ヶ下、大国土を守り育て給う神であるぞ、取違ひしてゐて申しわけあるまいがな。このことよく理解出来ねば、今度の大峠は越せんぞ。絶対の御力を発揮し給ふ、ナギ、ナミ両神が、天ヶ下を治らす御役目を命じられてお生みなされた尊き御神であるぞ。素盞鳴の命にも二通りあるぞ、一神で生み給へる御神と、夫婦呼吸を合せて生み給へる御神と二通りあるぞ、間違へてはならんことぞ。 神武天皇の岩戸しめは、御自ら人皇を名乗り給ふより他に道なき迄の御働きをなされたからであるぞ。神の世から人の世への移り変りの事柄を、一応、岩戸にかくして神ヤマトイハレ彦命として、人皇として立たれたのであるから、大きな岩戸しめの一つであるぞ。 仏教の渡来までは、わずかながらもマコトの神道の光がさしてゐたのであるなれど、仏教と共に仏魔わたり来て完全に岩戸がしめられて、クラヤミの世となったのであるぞ、その後はもう乱れほうだい、やりほうだいの世となったのであるぞ、これが五度目の大き岩戸しめであるぞ。
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(1017)
霊界物語 01_子_霊界探検/玉の争奪戦 20 日地月の発生 第二〇章日地月の発生〔二〇〕 盲目の神使に迎へられて、自分は地の高天原へたどりついたが、自分の眼の前には、何時のまにか、大地の主宰神にまします国常立大神と、稚姫君命が出御遊ばしたまうた。自分は仰せのまにまにこの両神より、貴重なる天眼鏡を賜はり、いよいよ神界を探険すべき大命を拝受したのである。 忽ち眼前の光景は見るみる変じて、すばらしい高い山が、雲表に聳えたつてゐる。その山には索線車のやうなものが架つてゐた。自分は登らうかと思つて、一歩麓の山路に足を踏みこむと、不思議や、五体は何者かに引上げらるるやうな心持に、直立したままスウと昇騰してゆく。 これこそ仏者のいはゆる須弥仙山で、宇宙の中心に無辺の高さをもつて屹立してゐる。それは決して、肉眼にて見うる種類の、現実的の山ではなくして、全く霊界の山であるから、自分とても霊で上つたので、決して現体で上つたのではない。 自分は須弥仙山の頂上に立つて、大神より賜はつた天眼鏡を取り出して、八方を眺めはじめた。すると茫々たる宇宙の渾沌たる中に、どこともなしに一つの球い凝塊ができるのが見える。 それは丁度毬のやうな形で、周辺には一杯に泥水が漂うてゐる。見るまにその球い凝塊は膨大して、宇宙全体に拡がるかと思はれた。やがて眼もとどかぬ拡がりに到達したが、球形の真中には、鮮かな金色をした一つの円柱が立つてゐた。 円柱はしばらくすると、自然に左旋運動をはじめる。周辺に漂ふ泥は、円柱の回転につれて渦巻を描いてゐた。その渦巻は次第に外周へ向けて、大きな輪が拡がつていつた。はじめは緩やかに直立して回転してゐた円柱は、その速度を加へきたるにつれ、次第に傾斜の度を増しながら、視角に触れぬやうな速さで、回転しはじめた。 すると、大きな円い球の中より、暗黒色の小塊体が振り放たるるやうにポツポツと飛びだして、宇宙全体に散乱する。観ればそれが無数の光のない黒い星辰と化つて、或ひは近く、或ひは遠く位置を占めて左旋するやうに見える。後方に太陽が輝きはじめるとともに、それらの諸星は皆一斉に輝きだした。 その金の円柱は、たちまち竜体と変化して、その球い大地の上を東西南北に馳せめぐりはじめた。さうしてその竜体の腹から、口から、また全身からも、大小無数の竜体が生れいでた。 金色の竜体と、それから生れいでた種々の色彩をもつた大小無数の竜体は、地上の各所を泳ぎはじめた。もつとも大きな竜体の泳ぐ波動で、泥の部分は次第に固くなりはじめ、水の部分は稀薄となり、しかして水蒸気は昇騰する。そのとき竜体が尾を振り廻すごとに、その泥に波の形ができる。もつとも大きな竜体の通つた所は大山脈が形造られ、中小種々の竜体の通つた所は、またそれ相応の山脈が形造られた。低き所には水が集り、かくして海もまた自然にできることになつた。この最も大いなる御竜体を、大国常立命と称へ奉ることを自分は知つた。 宇宙はその時、朧月夜の少し暗い加減のやうな状態であつたが、海原の真中と思はるる所に、忽然として銀色の柱が突出してきた。その高さは非常に高い。それが忽ち右旋りに回転をはじめた。その旋回につれて柱の各所から種々の種物が飛び散るやうに現はれて、山野河海一切のところに撒き散らされた。しかしまだその時は人類は勿論、草木、禽獣、虫魚の類は何物も発生してはゐなかつた。 たちまち銀の柱が横様に倒れたと見るまに、銀色の大きな竜体に変じてゐる。その竜体は海上を西から東へと、泳いで進みだした。この銀色の竜神が坤金神と申すのである。 また東からは国祖大国常立命が、金色の大きな竜体を現じて、固まりかけた地上を馳せてこられる。両つの御竜体は、雙方より顔を向き合はして、何ごとかを諜しあはされたやうな様子である。しばらくの後金色の竜体は左へ旋回しはじめ、銀色の竜体はまた右へ旋回し始められた。そのため地上は恐ろしい音響を発して震動し、大地はその震動によつて、非常な光輝を発射してきた。 このとき金色の竜体の口からは、大なる赤き色の玉が大音響と共に飛びだして、まもなく天へ騰つて太陽となつた。銀色の竜体はと見れば、口から霧のやうな清水を噴きだし、間もなく水は天地の間にわたした虹の橋のやうな形になつて、その上を白色の球体が騰つてゆく。このとき白色の球体は太陰となり、虹のやうな尾を垂れて、地上の水を吸ひあげる。地上の水は見るまに、次第にその容量を減じてくる。 金竜は天に向つて息吹を放つ。その形もまた虹の橋をかけたやうに見えてゐる。すると太陽はにはかに光を強くし、熱を地上に放射しはじめた。 水は漸く減いてきたが、山野は搗たての団子か餅のやうに柔かいものであつた。それも次第に固まつてくると、前に播かれた種は、そろそろ芽を出しはじめる。一番に山には松が生え、原野には竹が生え、また彼方こなたに梅が生えだした。 次いで杉、桧、槙などいふ木が、山や原野のところどころに生じた。つぎに一切の種物は芽を吹き、今までまるで土塊で作つた炮烙をふせたやうな山が、にはかに青々として、美しい景色を呈してくる。 地上が青々と樹木が生え始めるとともに、今まで濁つて赤褐色であつた天は、青く藍色に澄みわたつてきた。さうして濁りを帯びて黄ずんでゐた海原の水は、天の色を映すかのやうに青くなつてきた。 地上がかうして造られてしまふと、元祖の神様も、もう御竜体をお有ちになる必要がなくなられたわけである。それで金の竜体から発生せられた、大きな剣膚の厳めしい角の多い一種の竜神は、人体化して、荘厳尊貴にして立派な人間の姿に変化せられた。これはまだ本当の現体の人間姿ではなくして、霊体の人間姿であつた。 このとき、太陽の世界にては、伊邪那岐命がまた霊体の人体姿と現ぜられて、その神をさし招かれる。そこで荘厳尊貴なる、かの立派な大神は、天に上つて撞の大神とおなり遊ばし、天上の主宰神となりたまうた。 白色の竜体から発生された一番力ある竜神は、また人格化して男神と現はれたまうた。この神は非常に容貌美はしく、色白くして大英雄の素質を備へてをられた。その黒い頭髪は、地上に引くほど長く垂れ、髯は腹まで伸びてゐる。この男神を素盞嗚大神と申し上げる。 自分はその男神の神々しい容姿に打たれて眺めてゐると、その御身体から真白の光が現はれて、天に冲して月界へお上りになつてしまつた。これを月界の主宰神で月夜見尊と申し上げるのである。そこで大国常立命は、太陽、太陰の主宰神が決つたので、御自身は地上の神界を御主宰したまふことになり、須佐之男大神は、地上物質界の主宰となり給うたのである。 (大正一〇・一〇・二〇旧九・二〇谷口正治録)
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霊界物語 01_子_霊界探検/玉の争奪戦 22 国祖御隠退の御因縁 第二二章国祖御隠退の御因縁〔二二〕 大国常立尊の御神力によりて、天地はここに剖判し、太陽、太陰、大地の分担神が定まつたことは、前述したとほりである。しかして太陽の霊界は伊邪那岐命これを司りたまひ、その現界は、天照大御神これを主宰したまふのである。次に太陰の霊界は、伊邪那美命これを司りたまひ、その現界は、月夜見之命これを主宰したまふ。大地の霊界は前述のごとくに大国常立命之を司りたまひ、その大海原は日之大神の命によりて須佐之男命これを主宰したまふ神定めとなつた。 しかるに太陽界と、大地球界とは鏡を合したやうに、同一状態に混乱紛糾の状態を現出した。太陰の世界のみは、現幽両界ともに元のままに、平和に治まつてゐる。ひとり太陰に限つて、なぜ今でも平和に治まつてゐるかと言へば、この理は月の形を地上から観測しても明らかである如く、光はあれども酷烈ならず、水気はあつても極寒ではない。実に寒暑の中庸を得たる至善至美の世界であるからである。これに反して太陽の世界は、非常に凡てのものが峻烈で光は鮮かであり、六合に照徹する神力はあれども、それだけまた暗黒なる陰影が多い。しかしてまた大地は、もとより混濁せる分子の凝り固まつてできたものであるから、勢として不浄分子が多い。したがつてまた邪神の発生するのも、やむを得ない次第である。 そこで稚姫君命は、天稚彦と共に神命を奉じて天に上り、天界の神政を司らうとしたまうたが、御昇天の途上において、地上からつき従うた邪神どもにあやまられ、天地経綸の機織の仕組を仕損じたまひ、つひに地上に降りたまひて国常立命と共に地底に潜ませられ、あらゆる艱難苦労を忍びたまふの已むを得ざるに立ちいたつた。稚姫君命の御失敗の因縁については、後日詳しく述べることにする。 さて、大国常立命は天地間の混乱状態邪悪分子をば掃蕩して、最初の神界の御目的どほりの幽政を布かうと遊ばしたまうた。これについて国祖は、まづ坤金神を内助の役として種々の神策を企図したまひ、また、大八洲彦命を天使長兼宰相の地位に立たして、非常に厳格な規則正しき政を行ひ、天の律法を制定して、寸毫といへども天則に干犯するものは、罰するといふことに定めたまうた。そのために地上の年数にして数百年の間は非常に立派に神政が治まつてゐたが、世が次第に開けゆくにつれて、神界、幽界、現界ともに邪悪分子が殖えてきた。すなはち八百万の神人は、日増に大神の御幽政に対する不服を訴ふるやうになり、山川草木にいたるまで言問ひあげつらふ世になつた。 そこでやむを得ず宰相大八洲彦命は、国常立尊の御意志に背くと知りつつも、和光同塵の神策をほどこし、言問ひ、論争ふ八百万の神々を鎮定慰撫しつつ、ともかくも世を治めてゆかれたのである。 しかるにこのとき霊界は、ほとんど四分五裂の勢となり、一方には、盤古大神(又の御名塩長彦)を擁立して、幽政を主宰せしめむとする一派を生じ、他方には、大自在天神大国彦を押し立てて神政を支配し、地の高天原を占領せむとする神人の集団が出現し、その他諸々の神々の小集団は、或ひは盤古大神派に、或ひは大自在天神派に付随せむとし、また中には、この両派に属せずして中立しながら、国常立尊の神政に反対する神々も生じてきた。 そこで国常立尊はやむを得ず天に向つて救援をお請ひになつた。天では天照大御神、日の大神(伊邪那岐尊)、月の大神(伊邪那美尊)、この三体の大神が、地の高天原に御降臨あそばし給ひ、国常立尊の神政および幽政のお手伝ひを遊ばされることになつた。国常立尊は畏れ謹み、瑞の御舎を仕へまつりて、三体の大神を奉迎したまうた。然るところ、地上は国常立尊の御系統は非常に減少して勢力を失ひ、盤古大神および大自在天神の勢力はなはだ侮り難く、つひには国常立尊に対して、御退位をお迫り申すやうになつた。天の御三体の大神は、地上の暴悪なる神々にむかつて、あるひは宥め、或ひは訓し、天則に従ふべきことを懇に説きたまうた。されど、時節は悪神に有利にして、いはゆる……悪盛んにして天に勝つ……といふ状態に立ちいたつた。 ここに国常立尊は神議りに議られ、髪を抜きとり、手を切りとり、骨を断ち、筋を千切り、手足所を異にするやうな惨酷な処刑を甘んじて受けたまうた。されど尊は実に宇宙の大原霊神にましませば、一旦肉体は四分五裂するとも、直ちにもとの肉体に復りたまひ、決して滅びたまふといふことはない。 暴悪なる神々は盤古大神と大自在天神とを押し立て、遮二無二におのが要求を貫徹せむとし、つひには天の御三体の大神様の御舎まで汚し奉るといふことになり、国常立尊に退隠の御命令を下し給はむことを要請した。さて天の御三体の大神様は、国常立尊は臣系となつてゐらるるが、元来は大国常立尊は元の祖神であらせたまひ、御三体の大神様といへども、元来は国常立尊の生みたまうた御関係が坐します故、天の大神様も御真情としては、国常立尊を退隠せしむるに忍びずと考へたまうたなれど、ここに時節の已むなきを覚りたまひ、涙を流しつつ勇猛心を振起したまひ、すべての骨肉の情をすて、しばらく八百万の神々の進言を、御採用あらせらるることになつた。そのとき天の大神様は、国祖に対して後日の再起を以心伝心的に言ひ含みたまひて、国常立尊に御退隠をお命じになり、天に御帰還遊ばされた。 その後、盤古大神を擁立する一派と、大自在天神を押立つる一派とは、烈しく覇権を争ひ、つひに盤古大神の党派が勝ち幽政の全権を握ることになつた。一方国常立尊は自分の妻神坤金神と、大地の主宰神金勝要神および宰相神大八洲彦命その他の有力なる神人と共に、わびしく配所に退去し給うた。 地上の神界の主宰たる大神さへ、かくのごとく御隠退になるといふ有様であるから、地上の主宰たる須佐之男命も亦、八百万の神々に、神退ひに退はるるの已むなきにいたりたまひ、自転倒嶋を立去りて、世界のはしばしに漂泊の旅をつづけられることになつた。しかし須佐之男命は、現界において八岐大蛇を平げ地上を清め、天照大御神にお目にかけ給うたと同じやうに、神界においても、すべての悪神を掃蕩して地上を天下泰平に治め、御三体の大神様にお目にかけ、地上の主宰の大神となり給ふといふのである。 さて、自分はこれから国常立尊随従の八百万の神人の中でも、主なる神司の御経歴御活動を述べ、また盤古大神および大自在天神を擁立せる一派の八百万の神々の経歴および暴動振りを、神界にて目撃せるままを述べておかふと思ふ。 (大正一〇・一〇・二〇旧九・二〇谷口正治録)
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霊界物語 02_丑_常世姫の陰謀/シオン山攻防戦 総説 総説 神界における神々の御服装につき、大略を述べておく必要があらうと思ふ。一々神々の御服装に関して口述するのは大変に手間どるから、概括的に述ぶれば、国治立命のごとき高貴の神は、たいてい絹物にして、上衣は紫の無地で、下衣が純白で、中の衣服が紅の色の無地である。国大立命は青色の無地の上衣に、中衣は赤色、下衣は白色の無地。稚桜姫命は、上衣は水色に種々の美はしき模様があり、たいていは上中下とも松や梅の模様のついた十二単衣の御服装である。天使大八洲彦命、大足彦のごときは、上衣は黒色の無地に、中衣は赤色、下衣は白色の無地の絹の服である。その他の神将は位によつて、青、赤、緋、水色、白、黄、紺等、いづれも無地服で、絹、麻、木綿等に区別されてゐる。 冠もいろいろ形があつて纓の長短があり、八王八頭神以上の神々に用ゐられ、それ以下の神司は烏帽子を冠り、直衣、狩衣。婦神はたいてい明衣であつて、青、赤、黄、白、紫などの色を用ゐられ、袴も色々と五色に分れてゐる。また神将は闕腋に冠をつけ、残らず黒色の服である。神卒は一の字の笠を頭に戴き、裾を短くからげ、手首、足首には紫の紐をもつて結び、実に凛々しき姿をしてをらるるのである。委しく述ぶれば際限がないが、いま述べたのは国治立命が御隠退遊ばす以前の神々の御服装の大略である。 星移り、月換るにつれ、神界の御服装はおひおひ変化し来たり、現界の人々の礼装に酷似せる神服を纒はるる神司も沢山に現はれ、神使の最下たる八百万の金神天狗界にては、今日流行の種々の服装で活動さるるやうになつてをる。 また邪神界でもおのおの階級に応じて、大神と同一の服装を着用して化けてをるので、霊眼で見ても一見その正邪に迷ふことがある。 ただ至善の神々は、その御神体の包羅せる霊衣は非常に厚くして、かつ光沢強く眼を射るばかりなるに反し、邪神はその霊衣はなはだ薄くして、光沢なきをもつて正邪を判別するぐらゐである。しかるに八王大神とか、常世姫のごときは、正神界の神々のごとく、霊衣も比較的に厚く、また相当の光沢を有してをるので、一見してその判別に苦しむことがある。 また自分が幽界を探険した時にも、種々の色の服を着けてゐる精霊を目撃した。これは罪の軽重によつて、色が別れてゐるのである。しかし幽界にも亡者ばかりの霊魂がをるのではない。現界に立働いてゐる生きた人間の精霊も、やはり幽界に霊籍をおいてをるものがある。これらの人間は現界においても、幽界の苦痛が影響して、日夜悲惨な生活を続けてをるものである。これらの苦痛を免るる方法は、現体のある間に神を信仰し、善事を行ひ万民を助け、能ふかぎりの社会的奉仕を務めて、神の御恵を受け、その罪を洗ひ清めておかねばならぬ。 さて現界に生きてゐる人間の精霊を見ると、現人と同形の幽体を持つてゐるが、亡者の精霊に比べると、一見して生者と亡者の精霊の区別が、判然とついてくるものである。生者の幽体(精霊)は、円い霊衣を身体一面に被つてゐるが、亡者の幽体は頭部は山形に尖り、三角形の霊衣を纒うてをる。それも腰から上のみ霊衣を着し、腰以下には霊衣はない。幽霊には足がないと俗間にいふのも、この理に基づくものである。また徳高きものの精霊は、その霊衣きはめて厚く、大きく、光沢強くして人を射るごとく、かつ、よく人を統御する能力を持つてゐる。現代はかくの如き霊衣の立派な人間がすくないので、大人物といはるるものができない。現代の人間はおひおひと霊衣が薄くなり、光沢は放射することなく、あたかも邪神界の精霊の着てをる霊衣のごとく、少しの権威もないやうになつて破れてをる。大病人などを見ると、その霊衣は最も薄くなり、頭部の霊衣は、やや山形になりかけてをるのも、今まで沢山に見たことがある。いつも大病人を見舞ふたびに、その霊衣の厚薄と円角の程度によつて判断をくだすのであるが、百発百中である。なにほど名医が匙を投げた大病人でも、その霊衣を見て、厚くかつ光が存してをれば、その病人はかならず全快するのである。これに反して天下の名医や、博士が、生命は大丈夫だと断定した病人でも、その霊衣がやや三角形を呈したり、紙のごとく薄くなつてゐたら、その病人は必ず死んでしまふものである。 ゆゑに神徳ある人が鎮魂を拝授し、大神に謝罪し、天津祝詞の言霊を円満清朗に奏上したならば、たちまちその霊衣は厚さを増し、三角形は円形に立直り、死亡を免れるものである。かくして救はれたる人は、神の大恩を忘れたときにおいて、たちまち霊衣を神界より剥ぎとられ、ただちに幽界に送られるものである。 自分は数多の人に接してより、第一にこの霊衣の厚薄を調べてみるが、信仰の徳によつて漸次にその厚みを加へ、身体ますます強壮になつた人もあり、また神に反対したり、人の妨害をしたりなどして、天授の霊衣を薄くし、中には円相がやや山形に変化しつつある人も沢山実見した。自分はさういふ人にむかつて、色々と親切に信仰の道を説いた。されどそんな人にかぎつて神の道を疑ひ、かへつて親切に思つて忠告すると心をひがまし、逆にとつて大反対をするのが多いものである。これを思へばどうしても霊魂の因縁性来といふものは、如何ともすることが出来ないものとつくづく思ひます。 ○ 大国治立尊と申し上げるときは、大宇宙一切を御守護遊ばすときの御神名であり、単に国治立尊と申し上げるときは、大地球上の神霊界を守護さるるときの御神名である。自分の口述中に二種の名称があるのは、この神理に基づいたものである。 また神様が人間姿となつて御活動になつたその始は、国大立命、稚桜姫命が最初であり、稚桜姫命は日月の精を吸引し、国祖の神が気吹によつて生れたまひ、国大立命は月の精より生れ出でたまうた人間姿の神様である。それよりおひおひ神々の水火によりて生れたまひし神系と、また天足彦、胞場姫の人間の祖より生れいでたる人間との、二種に区別があり、神の直接の水火より生れたる直系の人間と、天足彦、胞場姫の系統より生れいでたる人間とは、その性質において大変な相違がある。そして神の直接の水火より生れ出たる人間は、その頭髪黒くして漆の如く、天足彦、胞場姫より生れたる人間の子孫は赤色の頭髪を有している。[※「そして神の直接の」から「頭髪を有して居る。」まで、校定版・八幡版では削除されている。]天足彦、胞場姫といへども、元は大神の直系より生れたのであれども、世の初発にあたり、神命に背きたるその体主霊従の罪によつて、人間に差別が自然にできたのである。 されども何れの人種も、今日は九分九厘まで、みな体主霊従、尊体卑心の身魂に堕落してゐるのであつて、今日のところ神界より見たまふときは、甲乙を判別なし難く、つひに人種平等の至当なるを叫ばるるに立いたつたのである。 ○ 盤古大神塩長彦は日の大神の直系にして、太陽界より降誕したる神人である。日の大神の伊邪那岐命の御油断によりて、手の俣より潜り出で、現今の支那の北方に降りたる温厚無比の正神である。 また大自在天神大国彦は、天王星より地上に降臨したる豪勇の神人である。いづれもみな善神界の尊き神人であつたが、地上に永住されて永き歳月を経過するにしたがひ、天足彦、胞場姫の天命に背反せる結果、体主霊従の妖気地上に充満し、つひにはその妖気邪霊の悪竜、悪狐、邪鬼のために、いつとなく憑依されたまひて、悪神の行動を自然に採りたまふこととなつた。それより地上の世界は混濁し、汚穢の気みなぎり、悪鬼羅刹の跋扈跳梁をたくましうする俗悪世界と化してしまつた。 八王大神常世彦は、盤古大神の水火より出生したる神にして、常世の国に霊魂を留め、常世姫は稚桜姫命の娘にして、八王大神の妃となり、八王大神の霊に感合し、つひには八王大神以上の悪辣なる手段を用ゐ、世界を我意のままに統轄せむとし、車輪の暴動を継続しつつ、その霊はなほ現代にいたるも常世の国にとどまつて、体主霊従的世界経綸の策を計画してをる。 ゆゑに常世姫の霊の憑依せる国の守護神は、今になほその意志を実行せむと企ててをる。八王大神常世彦には天足彦、胞場姫の霊より生れたる八頭八尾の大蛇が憑依してこれを守護し、常世姫には金毛九尾白面の悪狐憑依してこれを守護し、大自在天には、六面八臂の邪気憑依してこれを守護し、ここに艮の金神国治立命の神系と盤古大神の系統と、大自在天の系統とが、地上の霊界において三つ巴になつて大活劇を演ぜらるるといふ霊界の珍しき物語である。 自分はここまで口述したとき、何心なくかたはらに散乱せる大正日日新聞に眼をそそぐと、今日はあたかも大正十年陰暦十月十日午前十時であることに気がついた。霊界物語第二巻の口述ををはつた今日の吉日は、松雲閣において御三体の大神様を始めて新しき神床に鎮祭することとなつてゐた。これも何かの神界の御経綸の一端と思へば思へぬこともない。 ついでに第三巻には、盤古大神(塩長彦)、大自在天(大国彦)、艮能金神(国治立命)三神系の紛糾的経緯の大略を述べ、国祖の御隠退までの世界の状況、神々の驚天動地の大活動を略述する考へであります。読者諸氏の幸に御熟読あつて、それが霊界探求の一端ともならば、口述者の目的は達せらるる次第であります。 アゝ惟神霊幸倍坐世 大正十年旧十月十日午前十時十分 於松雲閣口述者識 (註)本巻において、国治立命、豊国姫命、国大立命、稚桜姫命、木花姫命とあるは、神界の命により仮称したものであります。しかし真の御神名は読んで見れば自然に判明することと思ひます。
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霊界物語 04_卯_常世会議/国祖隠退/神示の宇宙 49 神示の宇宙その四 第四九章神示の宇宙その四〔一九九〕 『瑞月憑虚空、照破万界暗』 とは神示の一端である。 瑞月王仁は前述の如く、現代の盛ンな学説に少しも拘泥せず、霊界にあつて見聞きせるそのままを、出放題に喋舌る斗りである。是に就いては、満天下の智者学者が邪説怪論として、攻撃の矢を向けて来るであろう。 大空に懸る無数の星辰の中には、其の光度に強弱あり、厚薄ありて、その色光一定して居ないのは、決して星の老若大小に依るのではない。その水火調節の分量及び金、銀、銅、鉄等の包含の多少の如何に由つて種々に光色が変つて見えるまでである。水の分量の多い時は白光を顕はし、火の分量の多い星は赤色を表はす。故に星の高低や位置に由つて種々の光色を各自に発射して居る。星の光の☆の如く五光射形に地球より見えるのは火の量分の多い星であり、㌻の如く六光射形に見ゆるのは水の量分の多い星である。火の字の各端に○点を附して見ると㎜のごとく五つの○点となる。五は天を象り、火を象る。また水の字の各端に○点を附して見ると、㎝の如く六つの○点となる。六は水を象り、地を象る。故に五光射星と六光射星は天上にあつて水火の包含量の多少を顕はして居るのであります。 又星は太陽の如く、自動傾斜運動を為さず、月球のやうに星自体が安定して光つて居るから、五光射、六光射が良く地球上から見得らるるのである。 太陽もまた星の様に、安定し自体の傾斜運動をせなかつたら、五光射体と見え、又は六光射体と見えるのであるが、その自動的傾斜運動の激しきために、その光射体が円く見えるのである。譬へば蓄音機の円盤に、色々の画や文字を書き記しておいて、これを廻して見ると、その色々の形の書画が盤と同様に、丸くなつて見えるやうなものである。 また北斗星と云ふのは、北極星に近い星であつて、俗に之を七剣星、又は破軍星と称へられてゐる。この七剣星はまた天の瓊矛とも言ひ、伊邪那岐の神、伊邪那美の神が天の浮橋に立つて漂へる泥海の地の世界を、塩古淤呂古淤呂にかき鳴らしたまひし宇宙修理固成の神器である。今日も猶我国より見る大空の中北部に位置を占めて、太古の儘日、地、月の安定を保維して居る。 また北斗星は、円を画いて運行しつつある如く地上より見えて居るが、是は大空の傾斜運動と、大地の傾斜運動の作用に由つて、北斗星が運行する如く見ゆる斗りである。万一北斗星が運行する様な事があつては、天地の大変を来すのである。併し他の星は、地上より見て、東天より西天に没する如くに見ゆるに拘らず、北斗星の運行軌道の、東西南北に頭を向けて、天界を循環するが如くに見ゆるのは、その大空の中心と、大地の北中心に位して居るため、他の諸星と同じ様に見えぬのみである。譬ば、雨傘を拡げて、その最高中心部に北極星稍下つて北斗星の画を描き、その他の傘の各所一面に、星を描いて直立しその傘の柄を握り、東南西北と傾斜運動をさせて見ると、北斗星は円を描いて、軌道を巡る如く見え、広い端になるほどその描いた星が、東から西へ運行するやうに見える。之を見ても、北斗星が北極星を中心として円き軌道を運行するのでない事が分るであらう。 また太陽の光線の直射の中心は赤道であるが、大地の中心は北極即ち地球である。大地の中心に向つて、大空の中心たる太陽が合せ鏡の如くに位置を占めて居るとすれば、地球の中心たる北部の中津国即ち我が日本が赤道でならねばならぬと云ふ人があるが、それは太陽の傾斜運動と、地球の傾斜運動の或る関係より、光線の中心が地球の中心即ち北部なる我日本に直射せないためである。 また赤道を南に距るほど、北斗星や北極星が段々と低く見え、終には見えなく成つて了ふのは、大空と大地の傾斜の程度と、自分の居る地位とに関係するからである。是も雨傘を上と下と二本合して傾斜廻転をなし乍ら考へて見ると、その原因が判然と分つて来る。 (大正一〇・一二・二七旧一一・二九外山豊二録)
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霊界物語 06_巳_大洪水/国生み神生み/三五教の誕生 18 天の瓊矛 第一八章天の瓊矛〔二六八〕 この大変乱に天柱砕け、地軸裂け、宇宙大地の位置は、激動の為やや西南に傾斜し、随つて天上の星の位置も変更するの已むを得ざるに致りける。 さて大地の西南に傾斜したるため、北極星および北斗星は、地上より見て、その位置を変ずるに至り、地球の北端なる我が国土の真上に、北極星あり、北斗星またその真上に在りしもの、この変動に依りて稍我が国より見て、東北に偏位するに致りける。 また太陽の位置も、我が国土より見て稍北方に傾き、それ以後気候に寒暑の相違を来したるなり。 ここに大国治立命は、この海月成す漂へる国を修理固成せしめむとし、日月界の主宰神たる伊邪那岐尊および伊邪那美尊に命じ、天の瓊矛を賜ひて天の浮橋に立たしめ、地上の海原を瓊矛を以つて掻きなさしめ給ひぬ。 この瓊矛と云ふは、今の北斗星なり。北極星は宇宙の中空に位置を占め、月の呼吸を助け、地上の水を盛ンに吸引せしめたまふ。北斗星の尖端にあたる天教山は、次第に水量を減じ、漸次世界の山々は、日を追うて其の頂点を現はしにける。 数年を経て洪水減じ、地上は復び元の陸地となり、矛の先より滴る雫凝りて、一つの島を成すといふは、この北斗星の切尖の真下に当る国土より、修理固成せられたるの謂なり。 太陽は復び晃々として天に輝き、月は純白の光を地上に投げ、一切の草木は残らず蘇生し、而て地上総ての蒼生は、殆ど全滅せしと思ひきや、野立彦、野立姫二神の犠牲的仁慈の徳によりて、草の片葉に至るまで、残らず救はれ居たりける。 神諭に、 『神は餓鬼、虫族に至る迄、つつぼには落さぬぞよ』 と示し給ふは、この理由である。 アヽ有難きかな、大神の仁慈よ。唯善神は安全にこの世界の大難たる大峠を越え、邪神は大峠を越ゆるに非常の困苦あるのみなりき。 而て仁慈の神は、吾御身を犠牲となし禽獣魚介に至る迄、これを救はせ給ひけり。世の立替へ立直しを怖るる人よ。神の大御心を省み、よく悔い改め、よく覚り、神恩を畏み、罪悪を恥ぢ、柔順に唯神に奉仕し、その天賦の天職を盡すを以て心とせよ。 惟神霊幸倍坐世。 (大正一一・一・一八旧大正一〇・一二・二一外山豊二録)
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霊界物語 06_巳_大洪水/国生み神生み/三五教の誕生 27 神生み 第二七章神生み〔二七七〕 天の御柱大御神国の御柱大神は 陽と陰の水火を合せつつ淡路嶋なる大倭 豊の秋津の嶋を生み伊予の二名や筑紫嶋 次には隠岐と佐渡の嶋越の洲まで生みたまひ 次に大嶋吉備児嶋対嶋壱岐嶋百八十の 国々嶋々生みたまふ名づけて稜威の大八洲 神の御国と称ふなり。 大八洲の国とは、地球全体の海陸の総称なり。 爰に伊邪那岐命は弥修理固成の神業を、着々と緒に就かせられける。 長白山には、磐長彦を国魂として之に任じ、玉代姫[※御校正本では「玉世姫」]之を輔佐し、 万寿山は、瑞穂別国魂に任ぜられ、瑞穂姫これを輔佐し、 青雲山には、吾妻彦国魂に任ぜられ、吾妻姫之を輔佐し、 地教山は、ヒマラヤ彦国魂となり、ヒマラヤ姫之を輔佐し、 天山は、谷山彦国魂に任ぜられ、谷山姫之を輔佐し、 崑崙山は、磐玉彦国魂に任ぜられ、磐玉姫之を輔佐し、[※御校正本では「岩玉彦」「岩玉姫」] タコマ山は、吾妻別国魂に任ぜられ、吾妻姫之を輔佐し、[※御校正本では「東別」「東姫」] ロッキー山は、国玉別国魂に任ぜられ、国玉姫之を輔佐し、[※御校正本では「国魂別」「国魂姫」] 羅馬は、元照別国魂に任ぜられ、元照姫之を輔佐し、 モスコーは、夕日別国魂に任ぜられ、夕照姫之を輔佐[※夕照姫は第3巻第26章で病死しているのでこれは意味不明]し、 新高山は、花森彦国魂に任ぜられ、花森姫之を輔佐し、[※御校正本では「花守彦」「花守姫」] 常世の都は、貴治彦国魂に任ぜられ、貴治姫之を輔佐することとなりにける。 つぎに霊鷲山は、神教を宣布する神界の根本霊地として、白雲別、圓山姫、久方彦、三葉彦を永遠に守神として任命されたりける。 次に黄金山には東雲別、東雲姫、青雲別、青雲姫、機照彦、機照姫を神教護持の為に、永遠に任命し給ひける。 (大正一一・一・二一旧大正一〇・一二・二四井上留五郎録)
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霊界物語 06_巳_大洪水/国生み神生み/三五教の誕生 28 身変定 第二八章身変定〔二七八〕 ここに二柱の大神は陰陽水火の呼吸を合して、七十五声を鳴り出し給ひ、スの言霊を以て之を統一し給ふ事となりぬ。 而してこの七十五声の父音を、立花の小戸と云ふ。祝詞に、 『筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原に御禊ぎ祓ひ給ふ時に生坐る』 とあるは、このアオウエイの五大父音より、以下の七十声を生み出し、新陳代謝の機能たる祓戸四柱の神を生み成し給ひて、宇宙の修祓神と為し給ひたるなり。 而してこの五大父音を地名に充つれば、 『ア』は天にして『アジヤ』の言霊となり 『オ』は地にして『オーストラリヤ』の言霊となり 『ウ』は結びにして『アフリカ』の言霊となり 『エ』は水にして『エウロツパ』の言霊となり 『イ』は火にして『アメリカ』の言霊となる。 而して『アジヤ』は『ア』と返り、『オーストラリヤ』はまた『ア』に返り、『アフリカ』また『ア』に返り、『エウロツパ』又『ア』に返り、『アメリカ』又『ア』の父音に返る。 その他の七十声は何れも『アオウエイ』の五大父音に返り来るなり。 この理に依りて考ふるも、『アオウエイ』の大根源たる『アジヤ』に総てのものは統一さる可きは、言霊学上自然の結果なり。而て『ア』は君の位置にあるなり。 而て『ア』と『ウ』との大根源は、『ス』より始まるなり。『ス』声の凝結したる至粋至純の神国は、即ち皇御国なり。 二神は先づ天地を修理固成する為に、『アオウエイ』の五大父音立花の小戸の言霊に依りて、一切の万物を生み成し給ひ、而て『ス』の言霊の凝結せる神国の水火は最も円満清朗にして、大神其ままの正音を使用する事を得るなり。 その他の国々の言霊のやや不完全なるは、凡て『ア』とか『オ』とか『ウ』又は『エ』『イ』等の大父音に左右せらるるが故なり。 神の神力を発揮し給ふや、言霊の武器を以て第一となし玉ふ。古書に『ミカエル一度起つて天地に号令すれば、一切の万物之に従ふ』といふ意味の記されあるも、『ミカエル』の言霊の威力を示したるものなり。而てこの『ミカエル』の言霊を、最も完全に使用し得る神人は『ス』の言霊の凝れる皇御国より出現すべきは当然なり。 『ミカエル』とは天地人、現幽神の三大界即ち三を立替る神人の意味なり。詳しく云へば、現幽神三つの世界を根本的に立替る神人、といふ意味なり。 また男体にして女霊の活用を為し、女体にして男霊の活用を為す神人を称して『身変定』といふ。 ここに七十五声の言霊の活用、及び結声の方法に就き、言霊の釈歌を添付する事となしたり。 言霊学釈歌[※「言霊学釈歌」には文字に疑義がある箇所がいくつもある。詳しくは霊界物語ネット内「」を見よ] ○  久方の天之御中主の神は五十鈴川の⦅ス⦆ごゑなりけり ○  あのこゑは我言霊の上よりは宇比地邇神、須比地邇神[※古事記では「須比地邇」が「地」ではなく「智」が使われている。] ○  おのこゑは我言霊の上よりは角杙神、活杙神[※「生杙神」「角杙神」の「くひ」の字は、御校正本(p183)では「枠」、校定版(p161)・愛世版(p160)では「杙」。古事記では「杙」である。「枠」は「くい」ではなく「わく」であり、誤字だろうから、霊界物語ネットでは「杙」を使う。] ○  うのこゑは我言霊に照らし見て大戸之道神、大戸之辺神 ○  えのこゑの其言霊を調ぶれば面足神、惶根神 ○  いのこゑは言霊学の助けより伊邪那岐神、伊邪那美神 ○  あのこゑの活動なすは須比地邇の神の保てる本能なりけり ○  おのこゑの活動するは活杙の神の表はす本能なりけり ○  うのこゑの活動保つは大戸之辺神の表はす本能なりけり ○  えのこゑに万の物の開くるは阿夜訶志古泥の神の御本能 ○  いのこゑの活動なすは伊邪那美の神の御言の本能なりけり ○  喉頭、気管、肺臓なぞの活用は国常立の神言守れる ○  口腔口唇、口蓋等の発音の根本機関は豊雲野神 ○  日の本の国の語の源は只五声の竪端の父音 ○  多陀用幣流国といふ意義はあおうえい五声父音の発作なりけり ○  久方の天の沼矛と云ふ意義は言語の節を調ふ舌なり ○  立花の小戸のあはぎが原に鳴るおこゑを天の浮橋といふ ○  塩許袁呂、許袁呂邇画鳴す其意義はおとをの声の活用を云ふ ○  数音を総称ふるを島といふ淤能碁呂島はをこゑなりけり ○  あおうえい素の五つの父声を天之御柱神と総称す ○  宇宙に気体の揃ひ在る意義を我言霊に八尋殿といふ ○  鳴々而鳴合はざるはあの声ぞ鳴余れるはうこゑなりけり ○  うあのこゑ正しく揃ひて結び合ひ変転するは美斗能麻具波比 ○  うあの声結びてわ声に変化くは阿那邇夜志愛上袁登古袁といふ ○  えあの声結びてや声に変化くは阿那邇夜志愛上袁登売袁といふ ○  女人先言不良と言へる神文を調ぶれば以前の方法形式で 言霊発達せざるてふ意義の大要含むなり ○  久美度邇興而子蛭子生むはわ声を母音とし あ行烏えいを父音としわ烏の二声を結び付け わ行のう声に変化為しわゑの二声を結び付け わ行のゑ声に変化為しわいの二声を結び付け わ行のゐ声に変化為し次にや声を母音とし あ行お烏えい父音とし結声変化す意義ぞかし やおの二声を結び付けや行のよ声に変化為し や烏の二声を結び付けや行のゆ声に変化なし やえの二声を結び付けや行の延声に変化為し やいの二声を結び付けや行のい声の変化為す この言霊の活用を久美度邇興而と称ふなり ○  子蛭子生むとふ神文は鳴出る声音の等しき意義にして あ行お声とわ行のを声あわの行なる烏声とうの神声 あわやの行のゑ衣延といゐ以の声の異性にて 同声音の意義ぞかし是ぞ蛭子を産むといふ ○  布斗麻邇爾卜相而詔といふ意義はあ行烏声の活用ぞかし ○  淡道之穂之狭別島といふは烏うゆ⦅む声⦆と結ぶ言霊 伊予之国二名島といふ意義は母音む声にいを結び み声に変化しむゑ結びめ声に変化しむおを結び も声に変化しむあを結びまごゑに変化す此故に むごゑの父音みめもまの四声に変化を身一而 面四有と称ふなり ○  みのこゑの其言霊の活用を伊予国愛比売と謂すなり ○  めのこゑの其言霊の幸ひを讃岐飯依比古と謂ふ ○  ものこゑの其言霊の助けをば阿波国大宜津比売と謂ふ ○  まのこゑの其言霊の照る時ぞ土佐国健依別と謂ふ ○  惟神其名の如く性能の等しく易るを国と謂ふなり ○  むのこゑにうゆを結びてふの声に変化を隠岐之三子嶋と謂ふ ○  ふのこゑに天之御柱結び付けはほふへ四声に変化をば 天之忍許呂別と謂ふ ○  筑紫島生むと言ふ意義ははの行のふこゑ烏こゑと結声し ぷごゑに変化言霊也是のぷ声にいゑおあの 四声を漸次に結声しぴぺぽぱ四ごゑに変化なす ○  ひのこゑの意義の言霊調ぶれば筑紫の国の白日別と謂ふ ぺのこゑの意義の言霊調ぶれば豊国豊日別と謂ふなり ○  建日向、日豊久士、比泥別と謂ふはほ声の言霊の意義なりけり ○  ぱのこゑの意義の言霊調ぶれば熊曽の国の建日別なり ○  伊岐嶋、比登都柱と謂ふ意義はぷごゑに烏ごゑを結び成し ふごゑに変化しふのこゑに天の御柱あおうえい 是の素音を結声しはほへひ四声の言霊に 変化せしむる意義なり ○  津嶋天之狭手依比売と謂ふはふごゑに烏ごゑを結び付け すごゑに変化しあおうえい是の素音を結声し さそすせ四ごゑに変化る意義 ○  佐渡島を生てふ意義を調ぶればすごゑに烏ごゑを結声し すごゑに変化なさしめて之に素音を結声し さ行をざ行に変化する言霊上の意義なり ○  大倭秋津嶋生むと謂ふはにりちの父音の言霊を 生み出したる意義にしてな行にごゑはじい二声 結声変化しりのこゑはしいが結声変化為し た行ちごゑはひい二声が結声変化を為す意義ぞ ○  天御虚空豊秋津根別といふ意義はちりにの父音に久方の 天之御柱あおうえい素音を結声変化して たらな三行を結声し変化せしむる意義ぞかし ○  意義深きわ行や行の言霊は先所生大八島国 ○  吉備児島建日方別と謂ふ意義はちじの二声を結声し ちごゑに変化し久方の天の御柱あおうえい 素音を結ぶ言霊ぞかし ○  小豆島大野手上比売と謂ふ意義はぢいの二声を結声し ぎこゑに変化し久方の天の御柱あおうえい 素音を結ぶ言霊ぞかし ○  大嶋や大多上麻流別と謂ふ意義はぎいの二声を結び成し きごゑに変化し久方の天の御柱あおうえい 素音を結ぶ言霊ぞかし ○  女嶋天一根と謂ふ意義はか行の音韻かこくけき 天地貫通の言霊ぞかし ○  知訶嶋天之忍男と謂ふ意義はが行の音韻がごぐげぎ 天機活動を起す言霊 ○  両児嶋天両屋の言霊はた行の音韻だどづでぢ 造化発作を起す意義なり ○  わ行をごゑの言霊の精神的の活用を大事忍男之神と謂ふ ○  わ行井ごゑの言霊の精神的の活用を石土毘古の神と謂ふ ○  や行ゐごゑの言霊の精神的の活用を石巣の比売の神といふ ○  わ行の言霊わをうゑゐ精神的の活用を大戸日別之神といふ ○  わ行うごゑの言霊の精神的の活用を天之吹男神といふ ○  や行の言霊やよゆえい精神的の活用を大屋毘古之神といふ ○  や行よごゑの言霊の精神的の活用は風木津別之忍男神なり ○  や行ゆごゑの言霊の精神的の活用を大綿津見の神と言ふ ○  わ行衣ごゑの言霊の精神的の活用を速秋津彦の神と謂ふなり や行延ごゑの言霊の精神的の活用を速秋津姫の神といふ (以上六十五首) 大事忍男神より以下速秋津姫神まで、十神十声の精神的作用は所謂大八嶋国の活用、即ち世界的経綸の活機を顕す本能を享有する言霊なり。 (第二七章~第二八章昭和一〇・二・一三於田辺分苑王仁校正)
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霊界物語 06_巳_大洪水/国生み神生み/三五教の誕生 29 泣沢女 第二九章泣沢女〔二七九〕 神伊邪那岐の大御神神伊邪那美の大神は 清き正しき天地の陽と陰との呼吸合せ スの言霊の幸ひに天の御柱国柱 生り出でまして山川や草木の神まで生み了ほせ 青人草や諸々の呼吸あるものを生み満たせ 栄ゆる神代を楽みて喜び玉ふ間もあらず 天津御空の星の如浜の真砂の数多く 青人草は生り成りて鳴りも合はざる言霊の 呼吸の穢れは天地や四方の国々拡ごりつ 清き正しき大御呼吸濁りに濁り村雲の 塞がる世とはなりにけり開け行く世の常として 天津御空に舞ひ狂ふ天の磐樟船の神 天の鳥船影暗く御空を蔽ひ隠しつつ 人の心は日に月に曇り穢れて常闇の 怪しき御代となり変り金山彦の神出でて 遠き近きの山奥に鋼鉄を取りて武器を 互に造り争ひつ体主霊従の呼吸満ちて 互に物を奪ひ合ふ大宜津姫の世となりぬ 野山に猛き獣の彼方此方に荒れ狂ひ 青人草の命をば取りて餌食と為しければ ここに火の神現はれて木草の繁る山や野を 一度にどつと焼速男世は迦々毘古となり変り 山は火を噴き地は震ひさも恐ろしき迦具槌の 荒振世とはなりにけり国の柱の大御神 此有様を見そなはし御魂の限りを尽しつつ 力を揮はせ玉へども猛き魔神の勢に 虐げられてやむを得ず黄泉御国に出でましぬ 糞に成ります埴安彦の神の命や埴安姫の 神の命のいたはしく世を治めむと為し玉ひ 尿に成ります和久産霊世を清め行く罔象女 神の命は朝夕に心を尽し身を尽し 遂に生れます貴の御子この世を救ふ豊受姫の 神の命の世となりぬ嗚呼奇なる神の業。 伊邪那岐命は、伊邪那美命の黄泉国、すなはち地中地汐の世界に、地上の世界の混乱せるに驚き玉ひて逃げ帰り玉ひしを、いたく嘆きてその御跡を追懐し、御歌を詠ませ玉ひぬ。 その歌、 『神の神祖とましませる高皇産霊の大御神 神皇産霊の大神の清き尊き命もて 女男二柱相並び天の瓊矛を取り持ちて 黄金の橋に立ち列び海月の如く漂へる 大海原の渦中をこおろこおろに掻き鳴らし 淤能碁呂島に降り立ちて島の八十島八十国や 山川草木の神を生み天の下をば平けく 神の御国を治めむと誓ひし事も荒塩の 塩の八百路の八塩路の塩路を渡り黄泉国 汝は独で出ましぬ振り残されし吾独 如何でこの国細かに神の御胸に適ふ如 造り治めむ吾は今熟々思ひめぐらせば 黄金の橋に立ちしより天教山に天降り 撞の御柱右左伊行き廻りて誓ひたる その言の葉の功も何とせむ方泣く泣くも 涙を絞る夜の袖汝の頭に御後辺に 匍匐ひ嘆く吾が胸を晴らさせ玉へうたかたの 定めなき世の泣き沢女定めなき世のなきさはめ』 と謡ひて別れを惜しみ、再び淤能碁呂島に、女神の帰り来まさむことを謡ひたまふ。是より神伊邪那岐の神は、女神に別れ一時は悄然として、力を落させ玉ひける。 されど、ここに神直日大直日に省み、荒魂の勇みを振り起し、天の香具山の鋼鉄を掘り、自ら十握の剣を数多造りて、荒振る神共をば、武力を以て討ち罰めむと計らせ玉ひける。 (大正一一・一・二一旧大正一〇・一二・二四藤原勇造録) (第二九章昭和一〇・二・一五於淡の輪黒崎館王仁校正)
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霊界物語 06_巳_大洪水/国生み神生み/三五教の誕生 38 黄金の宮 第三八章黄金の宮〔二八八〕 高彦天使は、雲掴の改心の情現れしより、一同の霊縛を、一イ二ウ三ツと唱へながら解いた。一同は一時に身体の自由を得、涙を流して各々柄物を大地に投げ捨て、宣伝使の前に群がり来りて跪きその無礼を陳謝し、雲掴は涙片手に逐一その真相を語りける。 『当山は貴下の知らるる如く、古より国治立命の命によりて黄金の玉を祭り、玉守彦、玉守姫の二神が、宮司として之を保護し奉りて居りました。さうして神澄彦が八王神となりて、当山一帯の地を御守護遊ばされ、吾妻彦[※校正本では「吾妻別」]は神政を管掌されつつあつたのでありましたが、八王神の神澄彦様は、大洪水の前に、宣伝使となつて、聖地ヱルサレムへ御出になり、それからは吾妻彦[※校正本では「吾妻別」]の独舞台となつてをりました。然るにこの度、常世彦の御子なるウラル彦が、アーメニヤの聖地に神都を開かれ、宣伝使を諸方に派遣され、先年その宣伝使たる鬼掴と云ふ力の強き使が、当山にきたりて吾妻彦[※校正本では「吾妻別」]と談判の末、つひに吾妻彦[※校正本では「吾妻別」]は鬼掴に降伏し、アーメニヤの神都に帰順された。そこでいよいよアーメニヤの神都に、黄金の国魂を祭るべく、黄金の宮をアーメニヤに遷される事となり、やがてウラル彦は、数多の供人を引き伴れ、当山へその玉を受取りに御出になるので、吾々は吾妻彦[※校正本では「吾妻別」]の厳命によりて、山道の開鑿に昼夜間断なく従事してをりました。しかるに尊き貴下の御出になり、有難き神様の教を聞かして頂きましてより、どうやら私らの心の中に潜める大蛇の悪霊も逃げ出したやうで実に天地開明の心持となり、今迄の吾々の慢心誤解を省みれば、実に耻かしくつて穴でもあらば這入りたいやうな気が致します』 と真心を面に現はして述べたてにける。宣伝使は打ち首肯き、 『汝の詐らざる告白によつて、総ての疑団は氷解した。それに就いても当山の守護神吾妻彦[※校正本では「吾妻別」]は今何処に在るぞ』 との尋ねに、雲掴は、 『ハイ、この頃は黄金の宮の御神体をアーメニヤに遷す準備のために、昼夜断食の行を為して居られます。然るに肝腎の宮司なる玉守彦天使は、この御宮をアーメニヤに遷すことは、御神慮に適はないと云つて、大変に反対をされて居るさうであります。肝腎の御宮守が御承知なければ、如何に当山の守護職なる吾妻彦命[※校正本では「吾妻別命」]も、どうする事も出来ず、さりとて一旦ウラル彦に約束なされた以上は、これを履行せなくてはならず、万々一今となつて違背される様な事があるとすれば、当山はウラル彦のために焼き亡ぼされるは火を睹るより明かなりと云ふので、玉守彦天使様の御承知が行く様にと、一方に準備すると共に、一方は断食の行をせられて居るのであります。私は実は雲掴と申して、賤しき人夫の頭領を致してをりますが、実際は吾妻彦[※校正本では「吾妻別」]の補佐の神司で、雲別と申す者であります。それゆえ当山の事ならば、何事も詳しく存じて居りますが、今日のところ吾妻彦[※校正本では「吾妻別」]は実に板挟みとなりて、苦しみ悶えて居られます。誠に見るも御気の毒の至りであります』 と顔色を曇らせ、吐息を吐きつつ述べ立つる。 高彦天使は、雲別に向つて、 『御心配はいりませぬ、当山の禍を救ふは、唯天津祝詞と言霊の力と、宣伝歌の功徳のみであります。また黄金の宮は決してアーメニヤには遷りませぬ。これは黄金山に遷せば宜しい。黄金山には仁慈無限の神様が現はれて、立派な教を立てられて居りますから、一時もはやく之を黄金山に遷し奉り、高天原に坐します神伊邪那岐命の御神政御守護の御魂とすべきものであります。それゆゑ吾々は当山に宣伝使となつて参りしなり』 と、初めて自分の使命を物語りける。この高彦天使は、後に天照大御神様が岩戸隠れを遊ばした時、岩屋戸の前で天津祝詞を奏上し玉ひし天児屋根命の前身なり。 是より雲別の案内にて山頂に登り、吾妻彦[※校正本では「吾妻別」]、玉守彦天使に面会し、三五教の教理や伊邪那岐の大神の御神徳を詳細に説き示し、つひに吾妻彦[※校正本では「吾妻別」]は、伊邪那岐命に帰順し忠誠を擢ンでたりける。而して黄金の宮は、玉と共にヱルサレムの聖地に遷座さるる事となりにける。 (大正一一・一・二三旧大正一〇・一二・二六藤原勇造録)
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霊界物語 07_午_日の出神のアフリカ物語 21 飲めぬ酒 第二一章飲めぬ酒〔三二一〕 またもや海面は波荒く猛り狂ひ、出帆を見合はすの止むなきに致り、風を待つこと殆ど一ケ月に及びける。 この島は潮満、潮干の玉を秘めかくされ、豊玉姫神、玉依姫神これを守護し給ひつつありしが、世界大洪水以前に、ウラル彦の率ゆる軍勢の為に玉は占領され、二柱の女神は遠く東に逃れて、天の真名井の冠島、沓島に隠れたまひし因縁深き嶋なりける。 その後はウラル彦の部下荒熊別といふ者、この島を占領し、数多の部下を集め、酒の泉を湛へて、体主霊従のあらむかぎりを尽しゐたり。然るに天教山に鎮まり給ふ神伊邪那岐神はこの島の守護神として真澄姫命を遣はし給ひぬ。それより荒熊別は神威に怖れ、夜陰に乗じて常世の国に逃げ帰つたりける。その時の名残として、今に酒の泉は滾々と湧き出て居たるなりき。 日の出神は真澄姫命の神霊を祭る可く、久々神、久木神に命じ、大峡小峡の木を伐り、美しき宮を営ましめたまふ。是を竜宮島の竜の宮といふ。而して田依彦をこの嶋の守護神となし、名を飯依彦と改めしめたまへり。 久々神、久木神はこの嶋の人々をかり集め、宮殿造営の棟梁として忠実に立働きぬ。嶋の谷々には木を伐る音、削る音、人の叫び声盛ンに聞えける。 日の出神は海辺の見はらし佳き高殿に昇りて、海上の静まるを待ちゐたまひぬ。 山の奥には彼方にも此方にも、斧鉞の音丁々と聞え盛に伐木しゐたり。 甲『おい、皆一服しやうじやないか。いま久々神があちらへ行きよつたで、叔母の死ンだも食き休みと云ふ事があるよ。鬼の様な大将が彼方へ行つた留守の間に、鬼の来ぬ間の洗濯だ。おいおい、休め休め』 乙『おーい皆の奴、一緒に休まうかい』 丙『それでも休むと音が止るから、また呶鳴られるよ』 甲『休ンで、そこらの木を叩いて居ればよいワイ』 乙『一体、宮を建てるとか云つて、まるで吐血の起つた様に、夜さにも俺らを寝ささずに、ひどく酷使ひよるじやないか。結構な酒はあーして湧いて居るのに、飲まれぬなどと吐かしよるし、堪つたものじやない。合間には酒位、ただ湧いて居るのじやもの、飲まして呉れたつてよかりさうなものじやないか。一体こりや何の宮だらう』 甲『酒を飲まさぬから、お前達ア腹が立つ、その腹を立てさせぬため、神さまを祭らすのだ。それで何でも、腹がたつよ姫とか、真澄姫とか桝呑姫とかいふ神さまじやさうだよ』 乙『けたいな神さまだね。立つものは腹ばかりぢやない。疳癪も立つし、鳥も立つし、立疳姫の神やら、立鳥姫の神も祭つたらどうだらう』 丙『馬鹿いふない。それまた彼処へ痛い奴さまが来たぞ。それそれ釘の神さまだ』 甲『釘ぢやない。久木神さまといふのだい。なまくらをして居ると、首きりの神さまにならつしやるぞ』 かかる処へ久木神は廻り来たり、 久木神『オー、皆の者御苦労だな。酒が飲みたさうな顔をして居るが、酒はあまり飲まぬがよいぞ。俺も今まで酒が好きだつたが、たうとう嫌ひになつて了つた。好きなものを無理に止めよと云つても、止むものぢやない。お前たちは充分に酒を飲ンで満足したら、しまひには舌がもつれ口が痺れ副守が飛出して酒が飲めなくなるかも知れぬぞよ。飲みたい飲みたいと思つて辛抱して居ると、根性が曲つてよく無い。酒は百薬の長だ、御神酒あがらぬ神は無いから、お前たちも神さまになりたくば、ちつとも遠慮は要らぬ。自然に湧く酒だから遠慮なしに飲ンで来い』 と云ひ捨てて、この場を立ち去る。後見送つて、 甲『おいおい、久々神は酒を飲むなと、喧しう吐かすが、いま来た久木神さまは流石に苦労人じやなあ。根性が歪ンではいかぬから、飲みたい丈け飲ンで来いと云ひよつたぞ。お許しが出たのだ。天下御免だ。飲ンで来うかい』 一同『よからう、よからう』 と、大勢は先を争うて、酒の湧き出る滝壺指して走り行く。 来て見れば酒の泉の滝壺は、千引の岩にてすつかり包まれ、処々に人の口位な孔が上面に開いてをる。 甲『やいやい皆の奴、久木神も腹が悪いじやないか。こンな巨大きな岩で、何時の間にやら、ぴつたりと蓋をして置きよつて、飲みたけりや飲ンで来いなンて、俺らを馬鹿にするじやないか』 一同『さうだな、しかし其処に孔が開いて居るじやないか。その孔から口を突込ンだらどうだい』 甲『おー、それもさうだ。皆の奴ここから飲まう飲まう』 一同は岩蓋の上に取り縋つて、その孔より舌を突き出して見てゐたるが、 甲『おい甘さうな酒は沢山あるが、舌が届かぬワイ。もう一分といふ所だ』 乙『貴様舌が短いのだ、どれどれ俺が飲ンで見てやらう』 甲『貴様は何時も舌の長い奴だ。舌長に物を吐かすから、こンな時にや重宝だ。やつて見よ』 乙『エヘン』 と咳払ひしながら、岩の孔から舌を突込ンで見たが、是も届かない。交る交るやつて見たが、どうしても酒の所までは、間隔があつて嘗めることが出来ない。しかしその孔からは何とも云へぬ馨しい酒の匂ひがして居るので、各自に口を当てて匂ひを嗅いだ。喉は各自にごろごろ唸り出して、腹の中の焼石は残らず酒壺に向つてジユンジユンと音を立てて、落ち込みにける。 それよりこの郷の人間は、酒の匂ひを嗅ぐさへも嫌になり、神の教をよく守り、飯依彦神の指揮に従ひて、名にし負ふ竜宮島の楽しき生活を送りたりける。 (大正一一・一・三一旧一・四井上留五郎録)
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霊界物語 07_午_日の出神のアフリカ物語 41 枯木の花 第四一章枯木の花〔三四一〕 時世時節と云ひながら稜威も高き高照彦の 貴の命は畏くも国治立の大神の かくしの珍の神の御子天より高く咲く花も 豊の御国に身を隠し八十熊別と名を変へて 沙漠の包む豊国の都に現はれ酋長の いやしき司となり果てて月日を松の時津風 花咲く春の今日の空日の出神と諸共に 長の年月住馴れし豊の都を後にして 天と地との神々に赤き心を筑紫潟 御空を指して出でて行く日の出神を先頭に 続く面那芸宣伝使四方の雲霧祝姫 登る山路も高照彦の貴の命と諸共に 声も涼しく宣伝歌四方の山々谷々に 木霊響かせ勇ましく進みて来る一行は 筑紫の国の国境玉野の里につきにける。 ここに四人の宣伝使は路傍の岩角に腰打ちかけ、息を休めながら空ゆく雲を眺めて、回顧談に耽りける。 高照彦『アヽ昨日に変る今日の空、流れ行く雲を眺むれば、実に人間の身の上ほど変るものはない。回顧すれば吾こそはヱルサレムの聖地に現はれ給うた国治立命の珍の御子と生れ、少しの過ちより父神の勘気を蒙り、この島に永らく神退ひに退はれ、身装も卑しき八十熊別となつて永い月日を送つて来た。聖地の大変を耳にし、一時も早くヱルサレムに帰つて父の危難を救はむと心は千々に焦つてみたが、何を云うても勘気を受けたこの体、父母の危難を居ながらに聞き流し、見流し、助け参らすその術さへも泣きの涙で月日を送る苦しさ。世は段々と立替り世界は大洪水に浸され、その時吾は方舟を作つて、ヒマラヤ山に舞ひ戻り、目も届かぬ大沙漠を拓いて、やうやう今日まで過してきた。アヽ時節は待たねばならぬもの、今日は如何なる吉日か、畏れ多くも神伊邪那岐の大神の珍の御子たる、日の出神に吾が素性を打ち明かし、実にも尊き天下の宣伝使となつて、今日のお供に仕へまつるは何と有難い事であらう。父の大神は常に仰せられた。この私をアフリカの沙漠に神退ひ給うた時に、二つの眼に涙を垂して「英雄涙を振つて馬稷を斬る、俺の胸は焼金をあてる様だ、何うして吾子の憎いものがあらう、かうなり行くも時世時節と諦めてくれ、ただ何事も時節を待てよ、時節が来れば煎豆に花の咲く事もある、枯木に花の咲く例もないではない、籠の鳥でも時節を待てば籠の破れる事もある。無慈悲な親ぢやと恨まずに、天地の規則は破られぬ、サツサと行つてくれ、老少不定、これが現世の見納めになるやも知れぬ」と仰有つた事を今思ひ出せば、何とも云へぬ心持がして来る。これを思へば今日の吾々のこの嬉しさを父の大神に、一度お目にかけて見たいものだ。父のこの世を知召す時代は神代といつて誰も彼も皆神の名を賜つたが、世界の立替以後大洪水の後のこの世は神の名は無くなつて、誰も彼も人といふ名になり、彼方、此方の頭するものばかりが司となつて、加美といふ名をつけることになつた。然し神代は乱れたというても今日の様な惨たらしい世の中ではなかつた。人間の代になつてからは悪魔はますます天下を横行し、血腥い風は四方八方より吹き荒ンでくる。これに付いてもこの世を治め給ふ伊邪那岐大神の大御心使ひが思ひやられ、杖柱と思つてゐた伊邪那美命は、この世に愛想をつかし、火の神の為に夜見の国にお出ましになつたとかいふ事だ。アヽ吾々は伊邪那岐の大神の珍の御子なる日の出神に引き出され、こンな有難いことはない。この御恩を酬ゆるために骨身を砕いても大神様のために尽さねばならぬ。アヽ有難いありがたい、変れば変る世の中だなア』 と長物語をしながら、両眼から滴る涙を拭ふ。日の出神一行はこの詐らざる話に感激して、何れも袖をしぼりける。 (大正一一・二・二旧一・六吉原亨録)
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霊界物語 07_午_日の出神のアフリカ物語 46 白日別 第四六章白日別〔三四六〕 夜は仄々と明けかかる。国家興々と鳴く鶏の、声に日の出宣伝使、東天紅を兆して雲を披きて昇りくる、清新の晨の空気を吸ひ乍ら、露路を分けて、日は白々と白日別司の館に進み行く。 蚊取別は数多の瓢箪を腰にガラガラ云はせながら、跛を引きつつ頭を空中に上げたり下げたり、息もセキセキ四人の後に跟いて来る。その姿の可笑しさは、飯蛸魚が芋畑から立つて逃げる姿その儘なりける。 日の出神の一行は、白日別の館に近付き、門を叩いて打てども打てども、何の答へもなければ、日の出神は蚊取別に向つて、 日の出神『汝はこの塀を越え、中より門を開け』 と命じたまへば、蚊取別は、 蚊取別『これ程高い塀を私のやうな跛が、何うして越せませうか』 日出神『越せるとも、越せる工夫がある。斯うするのだ』 と云ひ乍ら、腰の瓢箪の詰を抜いて、 日出神『お前はもう酒は嫌ひになつたのであるから、もう酒はいらない、捨てて遣らう、未練は無いか』 蚊取別『ハイ、未練も焼酎も有りませぬ、並酒ばかりです。もう放かしても一寸も惜しいとは思ひませぬ。しかし是れで一生酒と縁切れぢやと思ふと、名残惜い様な気がいたします。放かすは放かしますが、一寸嘗めてみても宜しいか』 日出神『卑しい奴ぢや、思ひ切りの悪い男じやなあ』 と云ひながら、瓢箪の詰を抜いて残らず大地に棄てて仕舞つた。そして沢山の瓢箪の口より、一々日の出神は力限りに息を吹込み玉へば、瓢箪は見る見る膨張して、風船玉のやうに薄くなり、蚊取別は自然にフウと舞ひ颺りたり。 蚊取別『モシモシ颺ります颺ります、どうしたら宜しいか』 日出神『その瓢箪を一つ一つ放かすのだ。薄くなつて居るから爪で破れ』 蚊取別は爪の先でパチパチと破つた。一度に瓢箪は破れて、図顛倒と屋敷の中に落ちた。門内にはドスン、「アイタタ」の声聞えゐたり。 日出神『おい、早く門を開けぬか』 蚊取別『あかぬあかぬ薩張あかぬ。抜けた抜けた』 面那芸『何が抜けたのだい』 蚊取別『腰だ、腰だ』 面那芸『間に合はぬ奴だナア。腰を抜かしよつて』 と云ひながら翻然と体をかわし、もんどり打つて門内に飛込ンだ、忽ち門は左右にサツと開かれた。 面那芸『皆さま御待たせ致しました、さあお這入り下さい』 四人の宣伝使はドシドシ奥へ進み行く。 蚊取別『あゝもしもし、私を如何して下さいます。私を、私を』 と叫びをる。祝姫は気の毒がり、後に引返して蚊取別の手を取り抱き起さうとしたるに、蚊取別は何うしても腰を上げぬ。 祝姫『何故起きないのですか』 蚊取別『はい、私は嬶よりも子よりも、好きな酒がすつかり嫌ひになりました。かうなると思ひ出すのは、国に残した女房の事。あゝあゝ、もうこの頃は死んだか生きたか、何分太平洋を越えて永い歳月、何ンぼ女房が有つたとてまさかの間には合ひませぬ、察する処貴方は独身らしい、何うぞ私に輿入れして下さい。そしたら腰が立ちますよ』 祝姫『オホホヽヽヽまだ貴方は酒に酔うて居るのですか。何ほど男旱の世の中でも、云うと済まぬが、貴方の様な黒いお方の女房に誰がなりますか。軈て烏が婿に取りませう。私はたとへ烏に身を任しても、貴方のやうな瓢箪面には真平御免ですよ。阿呆らしい、サアサア早く御立ちなさい。日の出神さまに睨まれたら怺りませぬよ』 蚊取別『アーア、成るは厭なり、思ふは成らず、私の好く人また他人も好く。アーア気の揉める事だワイ』 祝姫『知りませぬ』 とツンとして、足を早めてさつさと奥に行かうとする。蚊取別は蓑を握つて、 蚊取別『もしもし、さう素気無くしたものでは有りませぬ。旅は道伴れ世は情』 祝姫『エヽ、情け無い』 と禿頭をぴしやつと叩いて一目散に走り行く。蚊取別は腰を抜かした儘、 蚊取別『オーイ、オーイ』 と叫びゐる。 日の出神の一行は、館の内を隈なく探し見たが、猫一匹もゐない。不思議ぢやと其処辺中を開けて見たるに、国魂の神純世姫の御魂は奥殿に鄭重に鎮祭されてあり。さうして一切の器具は、秩序よく整頓してある。一同は神殿に向つて天津祝詞を奏上したるが、神殿には何一つ供物は無かりける。一枚の紙片に何事か記しあり。日の出神は恭しく神殿に進み、これを手に戴き拝読したるに、神に奏上する祝詞と思ひの外、次の様なことが記されありける。 一、私は白日別と申す、筑紫の国の大酋長であります。一昨夜の夢に、国治立の命の珍の御子と、神伊邪那岐命の珍の御子が、この筑紫の島にお降りになるから、汝ら一族は、この国と館を明け渡し、一時も早く高砂の島に立ち去りて、その島の守護職となれ。跡は高照彦神鎮まり給へば、筑紫の国も、葦原の瑞穂の国も穏かに治まるべしとの、夢の御告げでありましたから、私は夜の間に一族を引連れてこの島を立退きました。跡は宜しくお願ひ致します。 日の出神様 高照彦様 外御一同様 と記しありぬ。日の出神はこの遺書に依り、高照彦を筑紫の国の守護職となし、名も白日別と改めしめ、天運の到るを待つ事としたまひぬ。 此より日の出神は常世の国へ、面那芸司は天教山へ、祝姫は黄金山に向つて進む事となり、三柱は此処に惜しき袂を別ちたりける。 (大正一一・二・二旧一・六高木鉄男録)
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霊界物語 08_未_日の出神の弟子たちの南米物語 39 言霊解一 第三九章言霊解一〔三八九〕 『故ここに伊弉諾命詔り給はく「愛くしき我が那邇妹命や、子の一つ木に易へつるかも」と宣り給ひて、御枕べに匍匐ひ御足べにはらばひて、泣き給ふ時に、御涙に成りませる神は、香山の畝尾の木の下にます、御名は泣沢女の神、故其の神去りましし伊弉冊神は、出雲の国と伯伎の国との堺、比婆の山に葬しまつりき』 伊弉諾命は即ち天系霊系に属する神でありまして、総ての万物を安育するために地球を修理固成されました、国常立尊の御後身たる御子の神様でありますが、古事記にある如く、迦具土神が生れまして、即ち今日は、交通機関でも、戦争でも、生産機関でも火力ばかりの世で、火の神様の荒ぶる世となつたのであります。この火の神を生んで地球の表現神たる伊弉冊命が神去りましたのであります。この世の中は殆ど生命がないのと同じく、神去りましたやうな状態であります。 そこで伊弉諾命は我が愛する地球が滅亡せむとして居るのは、迦具土神が生れたからであるが、火力を以てする文明は何程文明が進んでも、世の中がこれでは何にもならぬ。地球には換られぬと宣らせ給はつたのであります。これが『子の一つ木に易へつるかも』といふ事であります。 次に『御枕べに匍匐ひ御足べにはらばひて』といふことは、病人にたとへると病人が腹這ひになつて死んだのを悔む如く、病人と同じく横になつて寝息を考へたり、手で撫でて見たり、又手の脈をとつて見たり、足の脈をとつて見たり、何処か上の方に生た分子がないか、頭に当る所に生気はないか、日本魂が未だ残つては居ないかと調べ見給ひし所殆ど死人同様で上流社会にも、下等社会にも脈はなくて、何処にも生命はなくなつて居る。全く今日の世の中はそれの如くに暖かみはなく冷酷なもので、然も道義心公徳心が滅亡して了つて居るのであります。それで泣き悲しみ給ふ時に、その涙の中に生りませる神の名を泣沢女神というて、これは大慈大悲の大神様が、地上一切の生物を憐み玉ふ所の同情の涙と云ふことであります。今日でも支那の或地方には泣女といふのがあつて、人の死んだ時に雇はれて泣きに行く儀式習慣が残つて居るのも、これに起源して居るのであります。 神去りました伊弉冊命は、之を死人にたとへて出雲の国と伯耆の国の境に葬むられたと書いてありますが、出雲といふのは何処もといふことで亦雲出る国といふことである。 今日の如く乱れ切つて、上も下も四方八方、怪しい雲が包んで居るといふ事であります。伯耆の国といふのは、掃きといふことで雲霧を掃き払うと云ふことである。科戸の風で吹払うと云ふのもさうであります。即ち国を浄める精神と、曇らす精神との堺に立たれたのであります。所謂善悪正邪の分水嶺に立つたものであります。実に今の世界は光輝ある神世の美はしき、楽しき黄金世界になるか、絶滅するか、根の国底の国、地獄の世を現出するかの堺に立つて居るのであります。 『比婆の山に葬し』といふ事はヒは霊系に属し、赤い方で、太陽の光線といふ意義でバと云ふのは、ハとハを重ねたもので、これは悪いことを指したものであります。即ち霊主体従と体主霊従との中間に立て、神が時機を待たせられたと云ふことであります。斯くして伊弉冊命即ち地球の国魂は、半死半生の状態であるが、併し天系に属する伊弉諾命は純愛の御精神から、此地球の惨状を見るに忍びずして、迦具土神即ち火の文明が進んだため、斯うなつたといふので、十拳剣を以て迦具土神の頸を斬り給うたのであります。十拳の剣を抜くと云ふ事は、戦争を以て物質文明の悪潮流を一掃さるる事で、所謂首を切り玉うたのであります。 この首といふことは、近代でいへば独逸のカイゼルとか、某国の大統領とか云ふ総ての首領を指したのである。即ち軍国主義の親玉の異図を破滅せしむる為に、大戦争を以て戦争の惨害を悟らしむる神策であります。 『是に伊邪那岐命、御佩せる十拳剣を抜きて、其御子迦具土神の御頸を斬り給ふ。爾に其御刀のさきにつける血、湯津石村にたばしりつきて、成りませる神の御名は、石拆神、次に根拆神、次に石筒之男神、次に御刀の本につける血も、湯津石村にたばしりつきて成りませる神の御名は、甕速日神、次に樋速日神、次に建御雷之男神、亦の御名は建布都神亦の御名は豊布都神、次に御刀の手上にあつまる血、手俣より漏れ出で成りませる神の御名は闇於加美神、次に闇御津羽神』 十拳剣即ち神界よりの懲戒的戦争なる神剣の発動を以て、自然に軍国主義の露国や独乙を倒し、カイゼルを失脚させ、そのとばしりが湯津石村にたばしりついたのであります。この湯津石村につくといふことは、ユとは夜がつづまつたもので、ツは続くのつづまつたもので、要するに夜ル続くといふことになります。彼方からも此方からも、草の片葉が言問ひを致しまして、彼方にも此方にも、種々の暗い思想が勃発して、各自に勝手な主義なり意見なりを吐き散らしまして過激主義だとか、共産主義だとか、自然主義、社会主義がよいとか、専制主義がよいとか、いろいろなことを言ふ意味になります。又イハといふことは、堅い動かぬ位といふことで、ムラは群がるといふ意義で、岩とは尊貴の意、村とは即ち下の方の人間の群といふことであります。所謂タバシリツクといふのは、鳴り続いて上にも下にも種々雑多の思想や主義が喧伝されて居ることであります。即ちたばしりついて生りませる神といふのは、生れ出ることではなくして、鳴り鳴りて喧ましいといふ事であります。その神の御名を甕速日神といふ。 ミは体、カは輝くといふことで、体主霊従の神であります。樋速日神は霊主体従の神であつて、両者より種々なる思想の戦ひが起るといふ事であります。即ち主義の戦ひであります。次に建御雷之男神は、直接行動と云ふことで、霊主体従国は言向平和神国であるから、滅多にありませぬが、体主霊従国などは皆々建御雷之神であります。即ち露国のやうに、支那のやうに皇帝を退位せしめたり、すべて乱暴をするとか、焼討をするとか、暴動を起すとか、罷業、怠業するとかいふ如うな事であります。 建御雷神は天神の御使でありますが、本文の言霊上から考ふれば、爰はその意味にはとれぬ、争乱の意味になるのであります。亦の名は建布都神、又は豊布都神といふのは善と悪の方面を指したもので、凡て善悪美醜相交はるといふことになります。即ちよき時には苦しみが芽出し、苦しみの時には楽みが芽出して居るといふやうなものであります。 世の中が混乱すればする程、一方に之を立直さむとする善の身魂が湧いて来るといふ意味であります。 十拳剣を握つて居らるる鍔元に集まる血といふのは、各自に過激な思想を抱いて居るといふ事で、血を湧かす事であります。即ち手のまたから漏れ出ることになります。この手のまたから漏れ出ると云ふ事は、厳重な警戒を破つて現はるる事であります。闇於加美神といふことは、世界中の上の方にも非常な過激な思想が現はれるといふことであります。 次に闇御津羽神のみつといふのは、水でありまして、下の方即ち民のことで、これも無茶苦茶な悪思想になつて、世の中が益々闇雲になるといふことであります。 この昔の事を今日にたとへて見ますと独逸のカイゼルが失脚したのも、露国のザーが亡んだのも、支那の皇帝がああなつたのも、皆天の大神が十拳剣を以て斬られたのであります。斯の如く神は無形の神剣を以て斬られるのであります。それで人間が戦ふことになるのであります。この殺された迦具土神のことを現代にたとへますれば、爆弾とか大砲とか、火器ばかりで戦ふのでありまして、弓とか矢で戦ふのではありませぬ。軍艦を動かすのも火の力であります。それで大神に依て火の神が殺されたといふことは、惨虐なる戦争が止んだといふことになるのであります。今回の五年に亘る世界戦争の結果は、迦具土神の滅亡を意味して居るのであります。 (大正九・一一・一於五六七殿講演外山豊二録) (大正一一・二・一〇旧一・一四谷村真友再録)
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霊界物語 09_申_松竹梅の宣伝使の南米・中米の旅 04 大足彦 第四章大足彦〔三九七〕 さしもに広き海原を、天に憚らず地に怖ぢず、我物顔に吹きまくつた海風も、瞬く間にピタリと止みたれば、又もや船客は囀り出したり。 甲『ヤアヤア、滅多矢鱈に脅かしよつた。広い海の平たい面を、春風奴が吹き捲つて乙姫さまの裾まで捲りあげて、玉のみ船を三笠丸、と云ふ体裁だつたワ』 乙『またはしやぎよる。貴様は風が吹くと、船の底に噛り付いて震うて居よるが、風が止むと、蟆子か蚊のやうに、直に立ち上りよる、静かにせぬと、また最前のやうな波が立つぞよ』 甲『立たいでかい、船を見たら楫が立つのは当り前だい。立つて立つて立ちぬきよつてカンカンだ。カンカンカラツク、カーンカンぢや。カンカン篦棒、ボンボラ坊主のオツトコドツコイ、坊主頭に捻鉢巻で、クーイクーイだ』 乙『ソラ何だい』 甲『船の音だい、船を漕ぐ楫の音だい。さうクイ込んで尋ねて呉れな、九分九厘でまたへかると困るからなあ』 乙『へかるつて何だい』 甲『へかると言へば大概分つたものだい。縁起が悪いからな、返して言うたのだよ』 乙『覆すなんて、尚悪いぢやないか。蛙の行列、向ふ不見転の土左衛門奴が』 甲『土左衛門さ……この方は○○○クイクイ言ふなと云ふが、世の中はクイとノミと○○だ』 丙『アイタヽヽ、タ誰だい、俺の鼻を抓みよつて、ハナハナ以て不都合千万な』 丁『さなきだに、暗けき海の船の上、鼻つままれて、つまらないとは』 丙『何だ、松の廊下ぢやあるまいし、馬鹿にしよるな。俺も貰ひ捨てにしてはハナハナ以て詰らないから、オハナでも祝うて上げませうかい』 猿臂を伸ばし、暗がりに紛れて見当を定め、此処らに声がしたと言ひながら、いやと言ふほど鼻柱をつまみグイと捩ぢる。 丁『イイ痛い、はなさぬかはなさぬか』 丙『放して堪らうか、このハナはな、万劫末代ミロクの代までもはなしやせぬ。ナアナアおはな、お前と俺との其仲は、昨日やけふかたびらの事かいな』 甲『エエイ、縁起の悪い、けふ帷子もあす帷子もあつたものかい。船の上は縁起を祝ふものだ、京帷子とは何の事だい』 丙『昨日や今日の飛鳥川、かはいかはいと啼く烏、黒い烏が婿にとる、とる楫なみも面黒く、黒白も分かぬ真の闇、此奴の顔は炭か炭団か、まつ黒けのけまつ黒けのけまつ黒けのけ……。人の鼻を抓みよつて、あまり馬鹿にするな。俺の顔は蓮華台上だ。ツウンと高く秀でてこのはな姫がお鎮まりだ。このはなさまを何と心得て居るか。俺はかう見えても、テヽヽ天狗さまでないよ、天教山の生神さまだ。どんなお方が落ちてござるか判らぬぞよ、と三五教が言つて居らうがな』 丁『途中の鼻高、鼻ばかり高うて目の邪魔をして、上の方は見えず、向ふは尚見えず、足許はまつくろけ、深溜りに陥つて泥まぶれになつて、アフンと致さな目が醒めぬぞよ』 丙『そんな事、誰に聞き噛りよつた。馬鹿な奴だなア。それは貴様の事だい。貴様は耳ばかり極楽へ行きよつて、百舌鳥のやうに囀るから、キツト貴様が死んだら、木耳と数の子は高天原へ往つて不具者になり、根の国に落ち行くのが落だよ』 丁『木耳や数の子が天国へ行つたつて、それが何だい』 丙『馬鹿だなあ。貴様の耳はいい事ばかり聞くらげの耳だ。それがカンピンタンになつて木耳になるのだ。さうして行ひもせずに、舌ばかり使ふから、舌が乾物になつて数の子になるのだ。貴様は根の国に往つてなあ、アヽ私は三五教の結構な教ばかりきくらげだつたが、聞いただけで行ひをせなかつたので、こんな処へ来たのか。アヽアヽ取り返しのならぬ事を、したあしたあと吐して、吠え面かわく代物だらうよ』 何人とも知れず、幽かなる歌の声聞え来る。 (足真彦)『怪しき憂世に大足彦の神の命は天使長 千々に心を尽したる月照彦と諸共に この世を造り固めむと東や西や北南 天が下をば隈もなくいゆき巡りし足真彦 九山八海の山に現れませる木の花姫の色も香も めでたき教の言の葉を残る隈なく足真彦 根底の国に落ち給ひ鬼や大蛇や醜探女 百の枉津を言向けてここに現はれ三笠丸 松竹梅の名を負ひし桃上彦の残したる うづのみ子をば救はむと月照彦の命もて 浪路かすかに守りゆく日は紅の夜の海 からき潮路を掻分けていよいよ父に巡り会ふ ウヅの都にうづの父神の水火より生れませる 貴三柱の姫御子よ黄泉の坂の桃の実と 世に現れて現身の此世を救ふ伊邪那岐の 神の命の杖柱意富加牟豆美となりなりて 千代に八千代に永久に神の柱となりわたれ この帆柱の弥高く目無堅間の樟船の かたきが如く村肝の心を練れよ松代姫 心すぐなる竹野姫一度に開く梅ケ香姫 匂ふ常磐の松の代をまつも目出度き高砂の 夜なき秘露の都路へ渡りて月日も智利の国 はるばる越えて巴留の国巴留の都を三柱の 救ひの神と現れませよ心は清く照彦の 随伴の司と諸共に智利の都を秘露の如 輝きわたせヱルサレム貴の都をあとにして ウヅの都に進み行く此の世を救ふ四柱の 今日の首途ぞ雄々しけれ今日の首途ぞ目出度けれ』 甲『ヤア、あんな事を云ふ奴は誰だい。俺らが鼻をつまみ合ひして喧嘩をして居るのに、陽気な声を出しよつて、はなの都もてるの都もあつたものか。何処の奴だい。そんな事を言ひよると、この拳固で貴様の頭をポカンとハルの国だぞ。テルの曇るの、ヒルのヨルのと何を吐きよるのだ。今はヨルだぞ、よるべ渚の拾ひ小舟だ』 乙『コラコラ、拾ひ小舟と言ふことがあるか』 甲『ヤアヤア捨てとけ、ほつとけだ。これも俺の捨台詞だ。スツテの事であの荒波に生命までも捨てるとこだつた。本当にあの風が今までつづきよつたら、貴様等の生命はさつぱりステテコテンノテンだ。テントウさまも聞えませぬ。ブクブクブクと泡を吹きよつて、今頃にや根の国、底の国の御成敗だよ』 夜はほのぼのと明け渡る。さしもに広き海原を、あちらこちらと鴎や信天翁が飛びまはりゐる。 甲『オーイ、貴様らのお友達が沢山においでだぞ、あはうどりが』 この時前方より、白帆をあげた大船小船、幾十隻となく此方に向つて、艫の音勇ましく風を孕み進み来るあり。 (大正一一・二・一二旧一・一六東尾吉雄録)
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霊界物語 09_申_松竹梅の宣伝使の南米・中米の旅 17 甦生 第一七章甦生〔四一〇〕 駒山彦は唯一人、闇の谷間に残されて稍決心の臍も固まり初めたり。暗中に何神の声とも知らず、五十音歌聞え来る。 声『あたまの上から足の裏いつも心を配りつつ うかうか暮すな世の人よえい耀栄華の夢醒まし おのおの業を励めよやかみの恵みは天地に きらめき渡り澄み渡りくまなく光り照すなり けしき賤しき曲道にこころの玉を穢すなよ さん五の月の大神がしきます島の八十島は すみずみ迄も照り渡るせ界一度に開くなる そのの白梅薫るなりたか天原に現はれて ち機百機織りなせるつきの御神や棚機の てる衣、和衣、荒衣のとばりを上げて天津神 な落の底まで救ふなりにしや東や北南 ぬば玉の夜は暗くともね底の国は暗くとも のぞみは深き神の道はな咲く春の弥生空 ひかり輝く皇神のふみてし道を漸々と へに来し神の分霊ほろびの道を踏み変へて まことの道に進み行くみちは二条善と悪 むかしも今も変りなきめ出度き神の太祝詞に ももの罪咎消えて行くやまと島根に何時までも いや栄え行く桃の花ゆ津玉椿の色紅く えだ葉も茂り蔓りてよを永久に守るなり わが高砂の神島はいづの霊や瑞霊 うべなひまして麗しき神の依さしの宝島 ゑだ葉も茂る老松のをさまる御代ぞ目出度けれ この神国に渡りきて心卑しき宣伝使 三五教を開くとは愚なりける次第ぞや 愚なりける次第ぞや』 駒山彦はこの谷間に百日の行をなし、心魂清まつて茲に羽山津見神となり、身体も健に、声も涼しく宣伝歌を歌ひつつ、カルの都をさして嶮しき山を越え谷を渉り、暑さと戦ひ、飢を凌ぎながら進み行く。 駒山彦『智利の御国の奥山の深き谷間につれ行かれ 百千万の苦しみを嘗めさせられて様々の 神の戒め言霊の教を聞きて身は光る 心も光る智利の国身霊にかかる村雲も 吹き払はれて夏の夜の洗ふが如き月影に 照らされ進む嬉しさよ月は盈つとも虧くるとも 仮令大地は沈むとも智利の深山の山奥の 深き谷間に洗ひたる吾霊魂は永久に 千代も八千代も曇らまじ黒雲四方に塞がりて 世は常暗となるとても駒山彦の真心に 常久に澄みぬる月影は光り眩ゆく惟神 道は三千三百里三五の月に照されて 心は光る真寸鏡摂取不捨の真心の 剣を右手に執り持ちて左手に神の太祝詞 宣るも尊き神の道横さの道を歩むなる 体主霊従の身魂を言向けて常世の闇を照らしつつ 心も足もカルの国霊魂の光る目の国や ロッキー山を踏み越えて醜女探女の猛ぶなる 黄泉の島に打ち渡り神伊邪那岐の大神の 尊き御業に仕ふべし奇しき御業に仕ふべし この世を造りし神直日心も広き大直日 直日の神の御恵に身魂も清く照り渡る 神の経綸ぞ尊けれ神の御稜威ぞ尊けれ』 と昼夜の区別なく、数多の国人に神の教を伝へつつカルの国を指して進み行く。 (大正一一・二・一四旧一・一八北村隆光録)