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書籍 | 巻 | 章 | 内容 |
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霊界物語 | 54_巳_ビクの国の物語2(後継者問題) | 20 建替 | 第二〇章建替〔一四〇六〕 左守の司の長子ハルナの歌。 ハルナ『高天原の移写としてビクトル山の聖場に 大宮柱太知りて鎮まり居ます大神の 御前に祝ぎ奉る高天原の司神 厳の御霊と現れまして一二三つ四つ五つ六つ 七八つ九つ十百千万のものの元津祖 大国常立大御神高皇産霊の大御神 神皇産霊の大神の稜威を以て限り無く 万のものを造りまし天が下なる神人を うまし御国に永久にいと安らけく住ませむと 日月大地を造りまし各清き霊をば 授け玉ひて八百万尊き神を生み玉ひ 天地万有守ります広大無辺の御恵を 尊み敬ひ奉る豊葦原の瑞穂国 生言霊の幸はひて百の宝を下しまし 君の位は千代八千代動きもやらず変る無く 島の八十島八十の国天の壁立つ其極み 国の聳立つ其限り棚引く雲の果てまでも 伊照り透らす大御稜威これぞ全く日の守り 神の守りと悦びて朝な夕なに仕へなむ 常夜を照らす月読の神の光は夜の守り 蒼生を撫で玉ひ天勝国勝国の祖 国治立の大神は天地成出し其時ゆ 隠身ましてすみ玉ひ玉留魂の霊徳以て 海月の如く漂へる国土をば造り固めなし 大地の海陸別ちまし豊国主の大神は 足玉魂の御霊徳もて植物を生み出し守りまし 葦芽彦遅の大神は生玉魂の霊徳もて あらゆる動物愛で育て動く力は大戸地 静まる力は大戸辺解ける力は宇比地根神 凝まる力は須比地根の神引力守る生杙神 弛力を守る角杙神[※「生杙神」「角杙神」の「くひ」の字は、戦前の二版(p300)・校定版(p253)・愛世版(p249)いずれも「枠」。古事記では「杙」である。「枠」は「くい」ではなく「わく」であり、誤字だろうから、霊界物語ネットでは「杙」を使う。]合力守る面足神 分ける力は惶根の御稜威を以て世の中の すべての物に与へまし天と地との霊をば 神の大道に依らしめ玉ひ日の神国を治し召す 神伊邪那岐の大御神月の神国を治し召す 神伊邪那美の大神は天津御神の神勅もて 天の瓊矛をとりもたせ千五百の秋の瑞穂国 千足の国や浦安国と完全に委曲につくりなし 遠き近きの国々に国魂神を生み玉ひ 産土神を任けまして青人草を氏子とし 各も各もに持ち分けて親しく守らせ給ひける 大御恵を謹みて仰ぎ喜び奉る ああ惟神々々御霊幸はひましませよ 人は神の子神の宮とは云ふものの何時となく 曲津の神の曲事に相交こりて日に夜に 罪や穢に沈みつつ憂瀬に沈む憐れさを 愍み玉ひ厳御霊瑞の御霊の大神は 綾の聖地は云ふも更黄金山やウブスナの 珍の真秀良場云ふも更青垣山を周らせる 下津岩根の此山に現はれまして世の人を 教へ導き天の下四方の国々平けく いと安らけく治めます其御恵の万分一 報いむ由もなけれども能ふ限りの赤心を 尽して神と君の為生命の限り仕へなむ 愍れみ給へ惟神神の御前に平伏して 謹み敬ひ願ぎ奉る天地初発の其時ゆ 隠身玉ひし国の祖大国常立大神の 御前にハルナ謹みて畏み畏み願ぎ申す 清き尊き天が下四方の御国に生り出でし 青人草の霊等に授け玉ひし御分霊 直日の霊を照らしつつますます光り美はしき 伊都能売魂となさしめよもしたまさかに過ちて 醜の曲津に精霊を汚し破らる事も無く 四魂五情の全けき其働きによりまして 皇大神の天業をばいと安らけく平らけく 仕へ奉らせ玉へかし如何なる災禍来るとも よく耐え忍び人たるの尊き品位を保たせて 神の玉ひし玉の緒の生命も長く家の業 いやますますに富み栄えいと美はしき天地の 花と現はれ光となり天地の御子たる身の本能を 発き上げしめ玉へかし仰ぎ謹み願はくば 皇大神の御心に叶ひ奉りて現世の 霊に罪も穢なくいみじき過ちあらしめず 神の賜ひし精霊を守らせ玉へ惟神 すべての事業を営むも恩頼を幸はひて いと善き事や正行は破竹の勇みを振り起し 益々進み全きの域に到達せしめまし 朝な夕なに神たちを敬ひ奉りわが君を 尊み御言に違ふなく国の司や国民の 務めを全く遂げ完ふせ普く世人と親しみて 争ひ狂ふ事もなく身の過ちは詔直し 善言美詞を楯として神と人とを和めつつ 天地に代る勲功を堅磐に常磐に立てさせよ 愛も深き幸魂生とし生ける万物を 損ひ破る事も無く生成化育の大道を 畏み仕へ奇魂の光りによつて曲神の 教の真理に狂へるを完全に委曲に悟るべく 直日の霊幸はひて理非曲直を省みつ 誠一つの信仰を励ませ玉へ言霊の 助けに神の御心を覚りて心を練り鍛へ 吾が身に触るる許々多久の罪や穢も村肝の 心に思ふ迷ひをも祓ひ退はせ玉へかし ビクトル山の永久にビクとも動かぬ其如く ライオン河の其流れいや永久に清き如 動かず変らず息長くいと偉大しくあらしめ給へ 世の長人よ遠人と生命を保ち健全に 五倫五常を守りつつ公共のために美はしき 功績を万世に相伝へ天地の御子と生れたる 務めを尽させ玉へかしああ惟神々々 すべての感謝とわが祈り神世の昔高天にて 千座の置戸を負ひ玉ひ大和田原の一つ島 退はれ玉ひて天津罪国津罪咎許々多久の 穢を祓ひ玉ひたる現世幽世の守り神 国常立の大御神豊国主の大御神 厳の御霊の大御神瑞の御霊の大神の 御名に幸はひ聞し召し諾ひ玉ひ夜の守り 照る日の守りに幸はへませと神の御前に平伏して 頸ね突抜き願ぎ奉るああ惟神々々 御霊幸はひましませよ』 カルナ姫は又歌ふ。 カルナ姫『右守司の妹となりて生れしカルナ姫 今日のよき日のよき時にいとなみ玉ひし御祭り 謹み敬ひ祝ぎ奉る神の守りしビクの国 思ひがけなきバラモンの鬼春別や久米彦が 数多の軍勢引率れて短兵急に攻めよする 右守の司の吾が兄は卑怯未練に腰ぬかし 見す見す敵に本城を蹂躙されし悔しさよ 吾が背の君と諸共にヒルナの姫に従ひて 寄せ来る敵に打向かひ獅子奮迅の活動を 試みたれど如何にせむ雲霞の如き敵兵を 支ふる由も無きままに忽ち一計案出し 巡礼姿となり代りわざとに敵に担がれて 両将軍の陣営に送られたりし其時の 心を思ひ廻らせば剣を渡りし心地なり ああ惟神々々かかる危き離れ業 守らせ玉ひ抜群の勲功を立てさせ玉ひたる 皇大神ぞ尊けれ一旦敵は退却し ヤレ嬉しやと思ふ間もあらせず右守の叛軍は 三千余騎を従へて再び謀叛の旗を挙げ 旗鼓堂々と攻め来る一つ免れて又一つ 如何はせむと城内の守将は案じ煩ひつ わが背の君は全軍を指揮して防ぎ戦へど 勝に乗つたる叛軍は退く由さへも見えざりき かかる処へ久方の天の八重雲かきわけて 下らせ玉ふ三五の神の使の宣伝使 治国別の一行が生言霊の幸ひに 心汚き右守司ベルツを始めシエールまで 威勢に打たれて顛倒し身動きならぬあさましさ ヒルナの姫に従ひて駒に跨り猪倉の 峠を後にカツカツと蹄の音も急がしく 帰りて見れば城内は修羅の巷と成り果てぬ 表門には宣伝使裏門よりはヒルナ姫 妾と共に攻めよせて敵を残らず追ひ散らし 再び天下太平の曙光を仰ぎし有難さ 旭は照るとも曇るとも月は盈つとも虧くるとも 仮令天地は覆るとも誠の神の御恵み 幾千代迄も忘るまじヒルナの姫の願ひにて 此聖場に宮柱太しき立てて大神を 斎き奉りし嬉しさは天国浄土が目の当り 開き初めたる心地なりああ皇神よ皇神よ 恩頼を垂れ玉ひビクの御国の刹帝利 百の司は云ふも更万の民を平けく いと安らけく永久に守らせ玉へ惟神 御前に謹み願ぎ奉る』 竜彦『天地の皇大神の宮柱 太しく立ちし今日ぞ嬉しき。 天地の神も諾ひ玉ふらむ 百の司の誠心を。 古の神代の儘のビクの国 立直したる今日ぞ嬉しき』 万公『千代八千代万代迄と祈るかな ビクの御国の栄えまさむを。 治国別神の命に従ひて 今日の祭に会ふぞ嬉しき。 ビクの国治め玉へる刹帝利 君の誠は神もめでなむ。 君は今七十路の坂を越えませど 万代までと祈る万公。 万年の生命を保ちビクの国に 臨ませ玉へ刹帝利の君』 治国別『千早振る神の御稜威の高くして 仕へ奉りぬ玉の宮居を。 ヒルナ姫助け玉へるビクの国は 夜なき国と栄えますらむ。 暗の夜も治国別の神司 ビクの御国の万代祈る』 斯く各祝歌を奉り目出度く遷座の式を終り、次いでホーフスに於て大直会の宴を開かるる事となつた。 (大正一二・二・二三旧一・八於竜宮館外山豊二録) |
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霊界物語 | 54_巳_ビクの国の物語2(後継者問題) | 附録 神文 | 附録神文 是の幽斎場に神術を以て招請奉る、掛巻も畏き、独一真神天御中主大神、従ひ賜ふ千五百万の天使等、一柱も漏れ落る事無く、是の斎庭に神集ひに集ひ玉ひて、正しき人の御霊々々に、奇魂神懸らせ玉はむ事を乞祈奉る。天勝国勝奇魂千憑彦命と称へ奉る、曽富戸の神亦の御名は、久延毘古の神、是の幽斎場に仕へ奉れる、正しき信徒等に、御霊幸へまして、各自各自の御魂に、勝れたる神御魂懸らせ玉ひて、今日が日まで知らず知らずに犯せる、罪穢過ちを見直し聞直し、怠りあるを宥させ給はむことを、国の大御祖の大前に詔らせ玉へ。伊怯く劣在き吾等は、出口大教祖の御勲功に依り、神国の神典と、大神の御諭を、読み窺ひ奉りて、天地の御祖の神の御勲功を覚り、国祖大国常立尊が、伊邪那岐伊邪那美の二柱の天使に、是の漂流る地球を修理固成せと、天の瓊矛を事依さし賜ひしより、その沼矛を指し下ろし塩コヲロコヲロに掻き鳴し給ひて、淤能碁呂島を生み、之を胞衣となして、天の御柱国の御柱を見立て給ひ、八尋殿を化作たまひ、妹兄の二柱所就たまひて、大八島の国々島々を生み、青人草等の始祖等を生み万の物を生み、青人草を恵み撫で愛しみ給はむが為に、日月国土を生み給ひて、各自各自其の神業を別け依さし玉ひ、万の事を始め玉ひて、為しと為し勤しみ玉へる事毎に、天津御祖神、国津御祖神等の大御心を御心として、青人草を恵み玉ひ愛はしみ、弥益に蕃息栄ゆべく、功竟へ玉ひしを初め、天津御祖神其の御神業を受持ちて、天津国を知ろしめし、五穀物の種を御覧して、此のものは現しき青人草の食て活くべき物ぞと詔りて、四方の国に植ゑ生したまひ、天の下の荒振神達をば神払ひに払ひて、語問ひし岩根木根立草の片葉をも語止めて、幽り事は、神素盞嗚命の御子杵築の大神に言依さし治めしめ、皇御孫命を、天津日嗣の高御座に坐せ奉りて、万千秋の長五百秋に、大八嶋の国を安国と平けく治め玉へと、天降し依さし奉り顕明事、知ろしめさしめ玉へる時に、神漏岐、神漏美の命の御言依さしませる、天津祝詞の太祝詞に依りて、皇御孫命の御代々々、天津神社国津神社を斎ひ、神祭りを専らとして、天の下四方の国を治め、大御田族を恵み撫で給ふ事なも、天津御祖の神、国津御祖の神の伝へ玉へる道の大本にして、其の御任のまにまに、天津神国津神達受持ちて世の中の有りと有りの悉は、皇神の大御業に漏るる事なく遺る事無く、広く厚く恩頼を蒙りて、有る縁由を確に窺ひ得て、戴に尊み辱なみ、赤誠を以て仕へ奉るべきにこそ、青人草の勤めならめ。然るに中津御代より、邪さの教説ども伝はり来たり吾等が祖先たち世人諸共に、心は漸く邪神の風習に移ろひ、異しき卑しき蕃神を専らと斎き奉りて、高く尊き天地の御祖神等の、厳の御霊の幸ひに依りて、惟神の大道の中に生れ出で、食物衣服住む家等為しと為す事毎に大御恵を蒙りつつも、然は思ひ奉らず、神の道を粗略に思ひ居る人々どもも多く出で来り神に仕へ奉る事も追々に廃れて、天津神社国津神社も衰へ坐せるに依りて、皇神等は弥放りに放り坐し、神の稜威も隠ろひまし、邪神は所を得つつ、大神を潜めおきて世人を欺き美はしき神の御国を乱したるこそ憤うろしく慷慨く思ふの余り、大本皇大神の御教を能く説明して、世人に普く大神等の御恵みの辱き尊き、大本の由緒を説き諭す神の御柱となるべく、この幽斎場に在る信人、又其の守護神に聞しめさへと宣る。信人よ、守護神よ、此時この砌り、各自々々霊の柱立て固めて、厳の御霊瑞の御霊の教を以ちて、猶この行先も、如何なる異しき思想論説ども蔓り来るとも、相交らひ相口会ふこと勿れ。 辞別けて天地の大神等、三千歳の長き年月天地を清めて、安国と平けく知ろしめすべく、世に隠れて事計り給へりし、国の大御祖大国常立大神、亦教の柱なる惟神真道弥広大出口国直霊主命の、神随の御教のまにまに、幸へまし荒振神等御霊等は、皆御心を直し和めまして、善しき心を振り興しませ。中津御代より、人の心の随々何事も行はしめて、大神等も神習と宥め給ひて、用ひしめ玉へる蕃国々の事どもの、天地の神の大道に甚く違へる非事は神より糺し改めて退けしめ給へ。天地の大神等、神代の随の大稜威を振り起して、各自々々掌分たまふ功徳の任に任に、相宇豆那比相交こり相口会へ玉ひて、今迄に神の大道を知らず、惟神の大本を、弁へずして、過失犯せる雑々の罪怠り穢を祓ひ退け、神の子たる道に天の下の人草を導き給へ、亦人草の今も猶ほ日に夜に過失犯す事の在らむをば、神直日大直日に見直し聞直し宥め許して清めしめ給へ、神の神典は更なり大本の国之御祖の御神諭は、漏らす事無く過つ事無く、正語を正語と覚らしめ給へ、亦た教司等の説き誤りあらば、次々に思ひ得て、疾く改め直さしめ玉へ、足は歩まねども、天の下の事どもは悉に神の霊徳によりて知らしめ給へ、外国の教にもあれ、正語は正語としてひらひ得さしめたまへ、高天の神祖の神の産霊に造り給ひて、尊き神霊を分賦り与へ玉へる、神の宮居として神懸り玉ひて、神の大道を好む良き信人と為さしめ玉へ、二度目の天の岩戸を開かむ道に仕へて、御代の太き御柱の教に入れしめ玉へ、掛巻も畏けれども、吾々青人草の霊魂は乃ち神の分霊にしあれば、幽り事神事をも知らるる限りは知らしめ玉ひて、此世ながらに神にもまみえ奉り、亦生ける神とならしめ玉ひて、世の為め道の為に祈りと祷る事ども為しと為す術ども、悉に神術なす伊都速き験しあらしめ玉ひて普く天の下の乱れを治め、世人の災難を救ふ尊き人となさしめ玉ひて、所在邪神どもも形隠し敢へず恐ぢ怖れしめ給へ、吾無く一向に大神の道に仕へ奉る身は是れ奇魂千憑彦の命に等しければ天地の大神等、殊に大国常立大神、豊雲野大神たちを初め、諸々の正しき御霊等、青人草と生れ出し、之の幽斎場の人々の請願奉るまにまに、霊幸へ坐し神懸りまして、其の御威徳に似えしめ玉へと大神の大前に祈り奉る。幸に皇神等の御霊の御稜威に由りて、神の世界の尊き広き美はしき、状況を伺ひ得て、神と吾等と相親しみ、睦み、神の御子たる身魂に立復りて邪神の教の侫け曲れる徒の邪さ説は次々に問和し言向けて、惟神の大本の正道に趣かしめ、同じ心に神習はしめ玉へ、若し大神の教と御国の法に帰順ずして四方四隅より、荒び疎び来る妖鬼枉人は、速に追ひ退け罰めて、例のまにまに黄泉国に逐ひ下し、大神の御稜威と天皇の御光りを世に炳じるく知らしむべく神力を与へ給ひて、花々しく世の為人の為に、立働かしめ給へ。常世の暗を照し清むる大神の神諭を、普く広く滞る事なく美はしく、世に説き明かし、世人の悉正しき直き清き広き惟神の大本の教に復らしめ、吾等が神国に尽す麻柱の誠を、最高き雲の上にも、世を政りごちます公辺にも、伊吹挙げ吾等の御国を思ふ赤誠を、徒には捨てず採り用ゆべく思はしめ給へ、吾等信人が神世の由縁を畏み、大神の御神勅を仕へまつりて、本宮の山に宮柱太敷く立て、千木高く仕へ奉れる如く、古の神の政に建替へ立上げ、永遠無窮に親と子の中は弥睦びに親び栄えしめ給へ、此の功績を以て罪怠穢犯し有るをも宥め恕し玉ひて、大神等の御恩に報ひしめ玉ひ、立替立直しの神業に加はりて、人の勤めの功為し了へて、現世を罷れる後の魂の往く方は、神の定めのまにまに、産土の神の執持ち玉ひて、大本大神の御許に参り仕へ奉らしめ給へ、大神の御後に立ちて、高天原に復命曰さしめ玉へ、弥益々も正しき直き太き心を固めて動く事なく、天地の有らむ限りの後の世の次々も、現世に立たむ功績のまにまに、大神の教を世人に幸へしめ玉ひて、邪さの道を糺し弁へ、伊吹払ひ平げ退くる神業に仕へ奉る御霊と成らしめ玉ひ、又子孫の家の者とも朋友親族教子等の万の枉事罪穢を、払ひ清めて病しき事なく、煩はしき事なく睦び親しみ、諸々の義理に叶へる願事は幸へ助けて、大神の大道を説き弘むる身魂と生かし助け、天翔り国翔る仙人等御霊等を率ゐて、世を守る奇魂千憑彦の御魂と成らしめ賜はむ事を、高天原の大本の広庭に斎廻り清廻りて、天つ御祖の大神国の大神祖の大神、大本教の教御祖の御前に、慎み畏み請のみ奉る。惟神霊幸倍坐世(完) |
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霊界物語 | 55_午_ビクの国の物語3(玉木の里) | 序文 | 序文 (明)けく治まる御代の三十一年春は如月の九日天教山に鎮座したまふ木花姫命の神使斯世を (治)めむと神々の協議の結果をもたらし坐丹波の国曽我部の村に牛飼ふ牧童の辛未の年生れ (三)ツの御魂に因縁ある三葉彦命の再生なる神柱に三千世界の修理固成の神業の先駆を命じ (十)字架を負はしめたまひしより今年大正の十二年正月十八日まで満二十五年間出口王仁は (一)心不乱に神国成就のために舎身的活動を続けて宇宙万有一切の為に心身を焦がし奉り十 (年)一日の如く三千世界の諸天人民に至上の心を持せしめ神の御国に安住せしめむと妙法真 (如)の光明を顕彰し暗黒社会を照破すべく変性男子の精霊と倶に綾の聖場地の高天原に現れ (月)光菩薩の神業に心事し家を捨て欲を棄てて神の僕となり微妙真心を発こし一向に我神国 (九)山八海の諸神を念願し諸の功徳を修して高天原に万人を救はむことを希ふ大国常立大神 (日)の大神月の大神は神を愛し神を理解し信真の徳に充たされたる者を天界に救ふべく最と (高)き神人を率ゐて霊肉脱離の際に来迎し直ちに宝座の前に導きて七宝の花の台に成道し虎 (熊)狼などの悪獣をも恐れざる不退転の地位に住して智慧勇猛神通自在ならしめ玉ふ噫天教 (山)に現はれたまふ木花姫の無上の神心に神習ひ大功徳を修行して顕幽両界の神柱となり人 (の)人たる本分を尽さしめ玉ふ伊都の御魂の大御心の有難さ瑞月は多年の間千難万苦を排し (修)行の効を了え漸く神界より赦されて爰に謹み畏こみ三世一貫の物語を口述するを得たり (行)して神使となること能はずとも当に無上の神心を発し一向に天地の大祖神を祈願し真心 (よ)り可成的善行を修して斎戒を奉持し神の聖社を建立するの一端に仕え神使に飲食を心よ (り)供養し神号輻を祀り灯火を献じ祝詞を奏上し神の御前に拝跪せば天界に生れしめ玉はむ (今)生は云ふも更なり来世に到りて智慧証覚を全ふし愛善の徳に住して身に光明を放射し兆 (年)の久しき第二の天国に安住し得べし又十方世界の諸天人民にして至心ありて天国浄土に (大)往生を遂げむと欲するものは譬え諸の功徳を成す能はずと雖も常にこの物語を信じ無上 (正)覚を得て一向に厳瑞二神を一意専念せば神徳いつとなく身に具足して現幽両界共に完全 (十)足の生涯を楽み送ることを得べしこの深遠なる教理を真解して歓喜し信楽して疑惑せず (二)心を断ち一向に神教と神助を信じ至誠一貫以て天国に復活せむ事を願ふ時は臨終に際し (正)に夢の如くに厳瑞二神即ち日月の神を見たてまつりて至美至楽の第三天国に復活すべし (月)神の信真によりて智慧証覚の光明を受くること第二即ち中間天国の天人の如くなるべし (十)方世界の無量無辺不可思議の聖徳を具有する諸神諸仏如来宣伝天使は大国常立大神の徳 (八)荒に輝き給ふを称讃して其の出現聖場たる蓮華台上に集り給ひ無量無数の菩薩や衆生は (日)月の光を仰ぎ奉りてここに往詣して洪大無辺の神徳に浴し克く恭敬礼拝し供物を献じた (ま)ひて神慮を慰め且つ五六七神政の胎蔵経たる経緯の神諭と聖なる霊界物語を歓喜聴受し (て)顕幽二界の消息に通じ天下の蒼生に至上の神理を宣布し東西南北四維上下を光輝し月光 (満)ちて一切の神人各自に天界の妙華と宝香と無価の神衣とを以て無量の証覚を供養し顕幽 (二)大世界は咸然として天楽を奏し和雅の音を暢発し最勝最妙と大神柱を謳歎し神徳を覚り (十)方無碍の神通力と智慧とを究達して深法界の門に遊入し功徳蔵を具足して妙智等倫無く (五)逆消滅して慧日世間を照らし生死の雲を消除し給ふべし嗚呼惟神の霊光天に輝く月と日 (星)の如くにして荘厳清浄の天国を現じたまふ霊主体従の至上心を発揮し神に奉仕する時は (霜)雪の寒気も忽ち変じて春陽の生気と化し三界一時に容を動かして欣笑の声を発し無限光 (を)出して十方世界を照らさせ玉ふ霊光を以て身を囲繞せしめ円相を具し天人と倶に踊躍し (経)緯の神人に由つて大歓喜の心境に遊入すべし若し人にして善徳なき時は此の神啓の神書 (た)るを覚らず且つ理解し得ざるべし清浄無垢にして小児の如き心境に在る者にして根本よ (り)其真実味を聞くことを獲べし驕慢と悪しき弊と懈怠とは容易く神示に成り就たる是の (霊)語神声を信ずる事能はざるべし心身清浄にして能く神を信じ克く神に仕え神を愛し精霊 (界)の諸消息を探知したるものは歓喜雀躍してこの神言霊教を聴聞し聖心を極めて一切の事 (物)を開導するに至るべし神界の主神たる大国常立大神の愛善の徳と信真の光明は弥広く言 (語)の尽し得る所にあらず二乗の測知し得る限りにあらず只大神自身のみ独り明瞭にこの間 (の)経緯真相を知悉したまふ而已たとへ一切の人にして智慧証覚を具備して道を悟りこれを (口)に手に現はさむと欲するも又本空の真理を知り万億劫の神智を有する共到底これを口に (述)ぶること能はざる可し神の智慧と証覚には辺際なく絶対なりアア愚眛頑固なる人間智を (開)きて最奥第一の天界は云ふも更なりせめて第三の下層天界の消息を覚らしめ無限絶対無 (始)無終の神徳に浴せしめむとする吾人の苦衷何時の世にかこの目的を達し得むや口述開始 (よ)り既に十五ケ月未だ神諭に目覚めたる人士の極めて少数にして偶々信ずる者あるも元よ (り)上根の人にあらざれば僅かにその門口に達したる迄の状態にありアア如何にせむ神将三 (十)三相を具備し玉へる観世音菩薩最勝妙如来の道化の妙法瑞の御魂の千変万化の大活動三 (五)教の大本五六七の仁慈に浴して各自にその智慧を充たせ深く神諭の深奥に分け入りて箇 (箇)の神性を照し神理の妙要を究暢し神通無礙の境地に入りて諸根を明利ならしめたまへと (月)光如来の聖前に拝跪して鈍根劣機の男女をして神意を識らしめ五濁悪世に生じて常に執 (着)の妖雲に包まれ苦しめる蒼生をして清く正しく理解するの神力を与え金剛法身を清め両 (手)に日月の光を握らせ玉え鈍根劣機痴愚の生涯を送りつつある神の僕の瑞月が謹み畏こみ (日)に夜に真心を捧げて天下万民のために大前に祈願し奉る三五教の聖場五六七の大神殿に (数)多の聖教徒日夜に参集して道教を宣伝し妙法を演暢したまふ神使の言に歓喜し心解し得 (は)四方より自然に神風起りて普く松柏の宝樹を吹き鳴らし五大父音の神声を出して天下無 (二)の妙華を降らし風に随つて宇内を周遍し天の岩戸開きの神業は易々として天地主宰神八 (百)万の神と倶に宇都の神業は大成され神示の許になれる是の神書霊界物語を著はしたる連 (日)の辛苦も稍々その光明を輝かし得るに至る可し大聖五六七の神霊地上に降臨して宇宙間 (に)羅列棊布せる一切万有を済度し玉ふその仁慈は大海の如く慧光また明浄にして日月の如 (し)清白の神法具足して円満豊備せること天教山の如く諸の神徳を照らし玉ふこと等一にし (て)浄きこと大地の如し浄穢好悪等の異心なきが故に猶ほ清浄なる泉の如く塵労もろもろの (五)逆十悪を洗除し玉ふが故に猶ほ火王の如く一切煩悩の薪を焼滅し玉ふこと猶大風の如く (十)方世界を行くに障礙なきが故に猶ほ虚空の如く一切の有に於て執着無きが故に蓮の如く (五)濁の汚染なく真に月の皎々として蒼天に輝くが如し之れ月の大神の真相にして霊界物語 (編)述する時の吾人の心境なりアア何時迄も志勇精進にして心神退弱せず世の灯明となり暗 (を)照らし常に導師となりて愛善の徳に住し正しきに処して万民を安んじ三垢の障りを滅し (終)身三界のために大活躍せしめ玉ひて口述者を始め筆録者の真心を永遠に輝かし玉へと祈 (る)も嬉し五十五編の霊界物語茲に慎み畏み神助天祐の厚きを感謝し奉るアア惟神霊幸坐世 大正十二年三月五日旧正月十八日 |
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霊界物語 | 55_午_ビクの国の物語3(玉木の里) | 01 心転 | 第一章心転〔一四〇九〕 仰げば高し久方の高天原に現れませる 天地の造主とます大国常立大御神 瑞の御霊を分け玉ひ霊国にては月の神 天国にては日の神と現はれまして天地の 百の霊を悉く荘厳無比の天界に 助けむものと御心を配らせ玉ひ三五の 教を天地に拡充し百の神々選り出して 三千世界の宣伝使代表神となし玉ふ 百の司を統一し黄金山や四尾山 コーカス山やウブスナの斎苑の館に神柱 堅磐に常磐に立て玉ひ世人を導き玉ひつつ 天国浄土を地の上に築かせ玉ふ尊さよ 三千世界の梅の花一度に開く常磐木の 松の緑もスクスクと天に向つて伸びて行く 厳の御霊や瑞御霊三五の月は大空に 丸き姿を現はして下界を覗き玉ふ夜半 猪倉山の渓谷を右へ飛び越え左へ渡り バラモン教の曲軍三千余騎の屯せる 岩窟さして登り行くああ惟神々々 神の力を身に受けて醜の雲霧悉く 治国別の一行が昼尚暗き松林 心も清き松彦や聖地を後に竜彦の 司と共にスタスタと辿りて登る夜の道 万公司は肩肱を張つて先頭に立ち乍ら 尾の上を渡る風の如谷の流れの速き如 習ひ覚えし宣伝歌四辺の山彦威喝して 勢込んで登り行く鬼春別や久米彦の 軍の君に捉はれて岩窟の中の陥穽 聞くも悲惨な境遇におかれし四人の肉体を 救ひ出すは此時と岩の根木の根踏みさくみ 漸く岩窟に辿り着き治国別と諸共に 神の力に守られて軍の君を言向けつ 四人を救ひスタスタと猪倉山を駆け下り 玉木の村のテームスが館を指して帰り行く 五十五巻の物語天津日の神中空に 輝き玉へど風寒き竜宮館に横たはり 十一日の四つ時に四角な火鉢を横におき 焜爐のゴトゴト沸る音いと面白く聞き乍ら 四角の炬燵に潜りこみ四角な座布団積み重ね 枕となして述べて行く吾言霊の発射をば 万年筆を手に握り四角な机に寄りかかり 只一言も洩らさじと手具脛ひいて松村氏 心真澄の空清くいとスクスクと記し行く 五六七の神の物語いよいよ茲につけとむる ああ惟神々々御霊の恩頼を賜へかし 花咲き鳥は君ケ代の栄えを唄ふ春過ぎて 青葉もそよぐ初夏の風川の流れも泡立ちて ライオン河に上る鮎小鮒や鰻鯰まで ピンピンシヤンと溌ね乍ら一瀉千里に遡る 瑞の御霊の物語今より三十五万年 三五教の神人の舎身苦行の有様を 述べゆく今日こそ楽しけれ旭は照る共曇る共 月は盈つ共虧くる共仮令大地は沈む共 吾言霊の寿は幾万年の末までも 堅磐常磐に失せざらむ此世を救ふ生神の 貴の言霊滔々と千代に八千代に流れゆく 其水上の一滴万年筆の切先に 滴る露の御恵渇き果てたる霊をば 霑ひ活かす物語守らせ玉へ惟神 御稜威も高き大八洲彦神の命の御前に 畏み畏み願ぎまつる。 敗軍の大将、退却の名人、色情狂に等しき鬼春別、久米彦両将軍は、今度こそは如何なる敵の襲来も恐るる事なき金城鉄壁と、心を許し、猪倉山の岩窟に、玉木の村の豪農テームスの娘、スミエル、スガールの二女を誘拐し、権威に任せ、獣欲劣情を発揮せむと軍務を打忘れ、両将軍は互に恋を争ひつつ、心を悩ませ、競争の真最中、三五教の宣伝使道晴別に踏み込まれ、周章狼狽の結果奇計を以て四人の男女を深き陥穽に投込み、又もや何れかの婦女を誘拐し、恋の欲望を達せむと、心を悩ます折もあれ、治国別一行に、夜中踏み込まれ、二度ビツクリの結果、いよいよ前非を悔い丸腰となつて、治国別に謝罪をなし、卑怯未練にも山寨を捨てて、四人の男女を負ひ、玉木村のテームスが館に、恐る恐る謝罪を兼て行く事となつた。 治国別は鬼春別久米彦両将軍に向ひ、 治国『ゼネラルの御威勢、御芳名は予て承はつて居りましたが、親しくお目にかかるのは今日が初めてで厶います。先づ先づ御両所共、御壮健にてお目出度う厶います。斯くなる上は四海同胞、元より拙者とゼネラルとの間に於て、何の怨恨もなければ面倒なる経緯もありませぬ。同じ天地の間に生を享けたる神の御子、どうか、今後は宜しく互に御懇親を願ひたう厶います。敵なきに軍隊を動かし、或は小さき欲望の為、一人の暴虐者の為に従僕となつて、豺狼に等しき戦に従ふは、人間として之以上の悲惨事はありますまい。人生僅か三百年、此短き生命の間に、不老不死なる第二の霊界に於ける生涯の為に、遺憾なき準備をしておかねば、人間として現世に生れ来りし本分を永遠に保持する事は出来ますまい。人は遷善改過の神性を惟神的に、神より賦与されて居りますから、今此時に於て懺悔の生活に入り、神の御子たる本分を発揮されむ事を希望致します』 鬼春『ハイ有難う厶います。今日となつて吾々も始めて天地開明の気分になりました。尊き有難き神の慈光に照らされて、今迄為し来りし暴虐無道の行動が、俄に恐ろしくなり、広い天地に身の置き所なき苦みに悶えて居ります。一日も早く悔い改め、誠の道に立帰りたう厶ります。何分宜しく御指導を御願致します』 久米『治国別の神司様を始め、御一同様に謹んで、鬼春別将軍同様に、吾身を御指導下さらむ事を懇願致します。実に只今の拙者の心は闇を離れて旭に向つた様な気分になりました。そして神様の神力に打たれて、身の置き所もなき程恥しく苦しくなつてきました。何卒三五の尊き教を御指導あらむ事を、謹んでお願致します』 万公『モシ先生、眉毛に唾をつけてお聞きなさいませや、第二の高姫かも知れませぬぞや。……怖さ苦しさの改心は何にもならぬぞよ。心から発根の改心でなければ、すぐに後へ戻るから、何程うまい事を申しても、メツタに乗るではないぞよ……とお筆先に出て居りますぞや。万公が一寸御注意を致します』 竜公『コリヤ万公、お前の分る事ぢやない。黙つて控えて居なさい』 万公『ヘン、偉相に仰有いますなア。夢の内に第一天国を探険したと思うて、さう威張るものぢやありませぬぞや』 治国『ゼネラル様、然らば之より四人の男女が少し許り負傷して居りますれば、兎も角玉木村のテームス館迄送らねばなりますまい、貴方も一緒に参りませう』 鬼春『ハイ、是非お供をさして頂きませう。付いては四人を負傷さしましたのも、全く吾々で厶いますから、此山阪を背に負ひ申して送らして貰ひませう』 治国『左様な事をなさらいでも、貴方の家来も沢山あるでせう』 鬼春『イエイエ何程家来があつても、家来の知つた事ではありませぬ。又今日只今改心を致しました上は、一人の家来も持ちませぬ。何卒罪亡ぼしに、道晴別様の馬となつて背に乗せ、送り届けさして貰ひませう。之がせめてもの拙者の罪亡ぼし、枉げてお許しを願ひます』 治国『然らばお望みに任しませう』 久米『拙者はシーナさまを背に負ひ、お供を致しませう』 万公『拙者はスガールさまを背に負うてお送り致しませう』 久米『ヤ、滅相な、スガールさまはエミシに負はせませう』 鬼春『オイ、スパール、お前も責任がないとは言へぬ。何卒スミエルさまを背に負うてお送り申すやうにしてくれ』 万公『モシ先生、何程改心したと云つても、こんな半獣的豪傑に女を渡すのは剣呑です。一人は背に負ひ、一人は拙者が手を曳いて、送りますから、婦人部は此万公に御委任を願ひます。油断のならぬ男許りですからなア』 治国『アハハハ、万公なら、尚剣呑だ。兎も角鬼春別様の御意見に任す事にする』 万公『ヘーエ、さうですかなア、……コレ松彦さま、貴方何う考へますか、どうもマ一つ此万公は油断がならないやうな気がしますがなア』 松彦『さうだ、万公位油断のならぬ男はないだらう、アハハハ』 鬼春別はシヤム、マルタのカーネルを招んで自分が愈前非を後悔し、三五教に帰順し、普通の信者となつて、神の為世の為に相当の働きをなし、世に隠るる事を告げ、軍隊一般に向つて其由を伝達せしめ、且つ何れも本国に帰つて、正道につき各其家業を励むべき事を伝達せしめた。三千の軍隊は案に相違の命令に呆れ果て、喜んで帰るものもあり、又ブツブツ小言を云つて自由自在に本国へは帰らず、思ひ思ひの事業を考へ、身の振方を定むるもあり、種々雑多の方向に向つて別れ行く事となつた。されど素より烏合の衆のみなれば残党を集めて、今一戦を起し、バラモンの教主大黒主の為に一肌脱がむとする勇者も出なかつたのは、天下の為に幸である。 治国別は先づ第一に岩窟を出で、数多の軍人が各解散の命を受けて、一言も呟かず抵抗もせず素直に帰り行くを見て、全く大神の御神力と、大地に静座し、三五教を守り玉ふ大神を始め、バラモン神及盤古神王の厚き守護を感謝し、愈猪倉山を一行十二人降り行く。 (大正一二・二・二六旧一・一一於竜宮館松村真澄録) |
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霊界物語 | 55_午_ビクの国の物語3(玉木の里) | 09 三婚 | 第九章三婚〔一四一七〕 治国別、松彦、竜彦の祈願に依つて四人の負傷者は三日の後全快する事を得た。テームス夫婦は治国別一行の神徳を感謝し娘の本服祝をなさむと、治国別を始め番頭下女の端に至るまで祝宴に列せしめた。治国別は正座に坐り、左側の上座には松彦、竜彦、万公が座を占め、右側にはバラモン組の六人がズラリと列んだ。 道晴別、シーナ及びスミエル、スガールの病気全快組は、治国別と向ひ合つて下座に坐り、テームス夫婦及びアヅモス、アーシスと順序を作り、祝ひの宴を開く事となつた。 是より前治国別外一同は神前に感謝の祝詞を奏上し、鄭重なる祭典を行つた事は辞つて置く。テームスは治国別に向ひ、さも嬉しげに両手をついて、 テームス『治国別の宣伝使様、何から御礼を申上げて宜しきやら、余り有難くて言葉も出ませぬ』 治国『神様のお蔭によりまして、道晴別も救けて頂き、貴方方のお嬢さま、番頭さままで今日此処で御無事な顔を見せて頂く事になりましたのは、全く三五の教を守らせ給ふ大国常立大神を始め奉り、数多の神々様のお蔭で厶ります。決して吾々の力では厶りませぬ。御礼を言はれましては、吾々は神様の神徳を自己のものとする事になつて困ります。何卒礼なんか云はない様に願ひます』 テームス『ハイ、神様有難う厶いました。よくまア治国別様一行の体を通して、吾々一家に御神徳をお与へ下さいまして有難う御礼申上げます』 ベリシナ『三五教の先生方御一同、今主人が申上げた通り、実に感謝に堪へませぬ。二人の娘もコレにてヤツと安心致しました。道晴別様も御全快遊ばしまして、コンな嬉しい事は厶りませぬ』 と嬉し涙をハラハラと流す。 スミエル『三五教の先生様、悪神のために捕らへられ、九死一生の処を御助け下さいまして、御礼の申上様は厶いませぬ。是も全く治国別様御一同の御親切のいたす所で厶います』 スガール『暗い岩窟内に押こめられ、再び此世の明りを見る事は出来ないものと、決死の覚悟をいたして居りました所を、神様の御蔭で助けて頂きました。何卒御緩り御逗留遊ばしまして、結構な御話を御伝へ下さいます様偏に御願ひ申します。夫に就ても鬼春別様外御一同の方々に御苦労をかけました事を有難く御礼申します。何卒御一同様御緩りと、何も厶いませぬが御酒を召し上り下さいませ』 万公『何か御馳走を差上げたいと存じ、種々と致しましたが、御存じの通り山間僻地の事で厶いますから、御口に合ふ様な物は厶いませぬ。何卒緩り御召上りを願ひます。舅姑を始め、姉のスミエル、並にスガールに代つて、万公別謹んで御礼申上げます。惟神霊幸倍坐世、惟神霊幸倍坐世』 治国『これはこれは若主人様で厶いましたか。イヤモウ大層な御馳走を頂きまして有難う厶います』 テームスは不思議相な顔をして、ベリシナを見返り、小声になつて、 テームス『コレ、ベリシナ、私の知らぬ間にお前此宣伝使を婿に貰ふ約束をしたのかい。何故一口俺に云つて呉れぬのか。藁でつくねた様な男でも、矢張一軒の主人だから、何程結構な宣伝使でも主人の私に無断で決めるとは、些と越権ぢやないか』 ベリシナ『イエ私は何にも存じませぬ。大方貴方が御決めなさつただらうかと、今の今迄思つて居りました』 テームス『ハテナ、モシ治国別の先生様、コリヤ何うした訳で厶りませうかなア』 治国『イヤ私もテント存じませぬ。万公別の大宣伝使が何時の間に弟子の吾々にも無断で御養子になられましたかと怪しんで居つたのです』 万公『千早振る神の結びし縁なれば 人の知るべき事柄で無し。 霊幸はふ神の教に従ひて スガール姫の夫となりぬる』 テームス『いぶかしや神の言葉と云ひ乍ら 親の吾等が知らぬ間に』 ベリシナ『何事もイドムの神の計らひに 結び玉ひし縁なるらむ。 さり乍ら治国別の神司 此縁をば如何に思しめすか』 万公『何事も神の心に任すこそ 人の人たる道とこそ知れ。 吾とても心に染まぬ縁なれど 神の言葉は背かれもせず』 松彦『面白き例しもきかぬ此えにし 媒介も無き今日の驚き』 竜彦『今の世は男女の別ちなく 自由自在にえにしを結ぶ。 斯くの如乱れ果てたる世の様を イドムの神は如何に思すか』 万公『美はしき吾師の君は惟神 神にしませば許し玉はむ』 テームス『治国別神の司よ此えにし 如何になさむか教へたまはれ』 治国別『千早振る遠き神代の昔より 男女の嫁ぎの道を開き玉ひし神柱 神伊邪那岐の大神は筑紫の日向の立花の 小戸の青木ケ原にまし身の穢れを清めつつ 自転倒島に天降りまし夫婦の道を開きてゆ 海河山野百の神数多生みまし葦原の 千五百の秋の瑞穂国を完全に委曲に開き治めて 百人千人万人を此の地の上に生み殖し 珍の神事終へ給ふ其喜びの目の当り 憂ひに沈みし此館に現はれ来る目出度さよ 男女の嫁ぎの道は天にます神八百万 地にます神八百万の神のよさしの其儘に 定まるものと知るからは必ず心を煩はし玉ふ勿れ シーナの君は家の子と永く此家に仕へまし いとまめまめしくも朝夕に心を配り身を砕き 仕へ玉ひし信徒よ抑も此家の栄えをば 祈り玉はば第一に姉の御子とあれませる スミエル姫を娶合して水も洩らさぬ妹と背の 縁を結ばせ玉ふべし次に生れしスガール姫は 万公別の宣伝使生命の親にましませば これと妹背の契をば結ばせ玉へば天地の 神の心に叶ふらむ又アーシスの家の子は 容貌美はしきお民の方と妹背の契り永久に 結ばせ給ひて三五の珍の教を朝夕に 清く守りて大神の御前に仕へ玉ひなば 玉置の村のテームスが家門高く富み栄へ 生みの子の八十連き五十橿八桑枝の如 茂木栄に栄えまさむテームス、ベリシナ二柱 万公別やシーナさまアーシス司を始めとし スミエル姫や、スガール姫お民の御方も千早振る 神の教に従ひて此処に目出度妹と背の 縁を結ばせ玉ふべしああ惟神々々 尊き神の御前に斎苑の館に仕へたる 治国別の神司赤心籠めて勧め奉る 朝日は照るとも曇るとも月は盈つとも虧くるとも 仮令大地は沈むとも印度の海はあするとも これの縁の詳細に結び了へたる上からは 千代に八千代に変りなく玉の緒の生命も永く 何時迄も堅磐常磐に栄えかし ああ惟神々々神の御前に赤心を 照らして誓ひ奉る』 スミエルは嬉しさうな輝いた顔をしながら、 スミエル『三千世界の梅の花一度に開く常磐木の 松の神代が廻り来て常世の春となりにけり 玉置の村のテームスが家に生れしスミエルは 祖先の家を守るため家の子とますシーナさま わが背の君と定めつつ父の館を守りなば 家はますます富み栄え子孫はますます繁栄して テームス司の家の内は忽ち天国浄土をば 開かむものと思ひつめ朝な夕なに神様に 祈りし甲斐や現はれて三五教の神司 治国別の御媒介実に有難き今宵かな 頑固一途の父母も妾二人が生命をば 助け玉ひし恩人の言葉に如何で背くべき 治国別の御言葉は金勝要の大御神 イドムの神の勅心を鎮め慎みて 清き尊き御言葉に従ひ玉へ足乳根の いとも恋しき父母よ神の御前にスミエルが 頸根突抜き赤心をあかして願ひ奉る ああ惟神々々御霊幸はひましませよ』 テームス『三五の神の司の言の葉を いかで背かむ吾等夫婦は』 ベリシナ『有難し生命も魂も救ひます 教司の珍の御言葉』 スガールは又歌ふ、 スガール『治国別の宣伝使常磐の松の松彦や 清き教を竜彦の神の司の御媒介 諾ひ玉ひし足乳根の父と母との御光りは 吾等を照らす真寸鏡実に有難き限りなり 万公別の神司足らはぬ吾等を憐みて 千代に八千代に永久に妹背の道を結びまし 父のまします此館堅く守らせ給へかし 妾は女の身なれども心はかたき楠の幹 朝な夕なに大神を祈りて尊き父母に 赤心以てよく仕へ兄の君をば敬ひて 日々の勤めをいそしみつ僕の端に至るまで 心を尽してよく勤め神の許せし縁をば 喜び仕へ守るべしああ惟神々々 イドムの神の御前に謹み感謝し奉る』 万公『スガールの姫の命の赤心を 嬉しみ奉る万公別司。 今よりは父と母とを敬ひつ 汝が命を慈むべし。 治国別神の命の師の君に 報ふ術なき今日の嬉しさ』 (大正一二・三・三旧一・一六於竜宮館外山豊二録) |
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霊界物語 | 55_午_ビクの国の物語3(玉木の里) | 12 霊婚 | 第一二章霊婚〔一四二〇〕 四辺暗澹として日月星辰の光もなく肌を劈く如き寒風は上下左右より吹雪となつて吹き来る。魑魅魍魎の叫ぶ声、山の尾の上や川の底より嫌らしく聞え来る。身体兀立し、痩せ衰へた一人の男、杖を力にトボトボと崎嶇たる隧道を当途もなしに下り行く。ややホンノリと明るくなつたと見れば野中に立てる大なる家屋の前、何処の果かは知らねども、かかる淋しき一人旅、何は兎もあれ、立寄つて一夜の宿を乞はむものと門を潜つて入り見れば、柱は虫喰ひ、処々に壁破れ、高き堂舎も柱根砕け朽ち、梁棟傾き歪み、垂木梠、脱け落ち、得も云はれぬ臭気四辺に充ち満ちたり。熊、鷹、鷲、蚖蛇、蟒、蝮、蜈蚣、蚰蜒、百虫、貉を始め名も知れぬ悪虫の輩、屋内を前後左右に往来し、屎尿の臭鼻をつき、蛆虫、糞虫、足許に集まり来る其嫌らしさ。テームスは途方に暮れて此家を立去らむと思ふ折しも山犬の群、幾百ともなく現はれ来りて、左右よりテームスを取囲み、飢疲れたる様にてテームスを噛み喰らはむと吠猛る。テームスは命限りに此家を立出で救ひを呼べど如何はしけむ、声調乱れて吾乍ら其何を云へるやを弁じ難き迄になつて来た。されど恐怖心に駆られて萱草の生えたる薄暗き野路を、杖を力に転けつ輾びつ逃げ出せば前方より夜叉、悪鬼、二人の女を追ひ駆け来る。女はテームスが前に躓き倒れた。よくよく見れば吾子のスミエル、スガールの二人である。夜叉、悪鬼は忽ち追つき、苦しむ二人の娘を忽ち四肢を引きちぎりテームスが面前にて噛み喰らう、その嫌らしさ。目の前吾子の危難を見る、身も世もあられぬ心の苦み、神を念じ、せめては吾身なりと救はれむと合掌せむと焦れども如何はしけむ身体強直し、自由の利かぬ浅間しさ。こりやかうしては居られぬと八九分迄も喰ひ尽された娘の首を眺め、これ今生の見おさめと転けつ輾びつ、北へ北へと走れども、何者か足にまつばる心地して、焦れば焦る程進み得ざるぞ悲しけれ。後の方より幾百万とも数へ難き程の夜叉、悪鬼の叫び声、 悪鬼『ヤアヤアそれへ逃げ行くテームスの爺、一時も早く引捉へ吾等の食に供せむ』 と呼ばはる声に驚いて空打仰げば空中に六面八臂の妖怪、妻のベリシナの頭髪を掴み空中にブラ下げてゐる。ベリシナは悲鳴をあげて、 ベリシナ『テームス殿、助けておくれ』 と呼ぶ声、五臓六腑に沁み渡り、煩悶苦悩やるせなく進退ここに谷まつて、因果を定め佇む折しも、以前の妖怪は数千人の曲鬼を率ゐて、テームスが前に現はれ来り、雷の如き声を放つて言葉鋭く、 妖怪『吾は兇党界の大魔王、妖幻坊を使役せる羅刹なり。汝が家は祖先代々より民の膏血を絞り、巨万の財を積み乍ら、饑餓凍餒の民を救ふ事を知らず、貪婪悪徳日に月に重なり罪障滅する時なく、ここに汝が祖先は冥罰を蒙り、かくの如き夜叉悪鬼となり、屎尿を飲食し、悪獣悪虫を餌食となし、極熱極寒の苦みに日に幾回となく悩められ悲惨の生涯を送りつつあり。然るに汝、此度弥勒神政の太柱神、大国常立大神の守らせ玉ふ三五教の宣伝使治国別の助けにより最愛の娘が危難を救はれ、一時は命の親と喜び崇め、三五教の信者とならむとまで誓ひたりしに、汝の精霊頑愚鈍慳にして心中已に三五教を忌避し居るに非ずや。又バラモン教の宣伝将軍鬼春別以下の司に救はれ赦されたる真人に対し、その言葉に、行ひに無限の悔蔑を表はし人々の精霊を悩ます罪、万死も尚及ぶべからず。汝今の間に心を改めざれば、これより極寒地獄に突堕し、無限の永苦を与ふべし。早く来れ』 と手を執つて北へ北へ無理無体に引摺り行く。 テームスが祖先と聞えたる夜叉、悪鬼の数々は後より嫌らしき声を一斉に放ちて追かけ来る浅間しさ。骨肉相食む地獄道の此惨状にテームスは人心地もせず、魔王がなす儘に泣き叫び乍ら、際限もなき枯野ケ原の石道を真裸足のまま、足を破り血を路上に染つつ無我夢中になつて曳かれ行く。 何時とはなしにテームスは薄暗い険峻な山の麓に着いてゐた。以前の悪鬼羅刹の影は煙の如く消え、四方の山の上へ悲しげな叫び声が、間歇的に風のまにまに聞えてゐる。火の様な風が吹いて体を焦すかと思へば、凍てつく様な寒風が忽ち吹き返し、氷柱の雨火の雨交る代る頭上に集中し下り来る。漸くにして目を開き四辺を眺むれば虎、狼、熊、獅子等が食物に飢たる如き様子にて幾百とも限りなく一人のテームスの肉を食まむと狙めつけて居る恐ろしさ。忽ち『キヤツ』と女の叫び声、よくよく見れば妻のベリシナが獅子、虎の群に両方より足を啣へられ吾目の前にて青竹割れにされ、群獣は忽ち寄り集つてバリバリと音を立て、残らずいがみ合ひ乍ら食つて了つた。 テームスは進退谷まつて運を天に任せ、観念の眼を閉ぢて居る。暑さと寒さに殆ど人心地もなかつた。忽ち雷鳴轟き電光閃き渡り、テームスの身体は空中に捲き上げられ、フワリフワリと幾百里とも知れぬ山河を下に眺め、火焔の濛々と立上る山の頂に落下した。黒煙は異様の臭気を放つて瞬く内に彼の身体を包んで了つた。何処ともなく、 『目を開け!』 と大声に呼はるものがある。怖々乍ら眼を開けば先に空中より下り来りし妖怪羅刹は彼が前に二人の女の両足をグツと左右の手に握り、頭を逆様にして崎嶇たる岩の上にコツリコツリと杖をつく様に臼搗いて居る。二人の娘はキヤーキヤーと悲鳴をあげ苦しげに泣き叫ぶ。テームスは一言を発せむとすれども、息塞がり舌つりあがり、ウの声も出なかつた。羅刹は巨眼を開き、声を荒らげて云ふ、 羅刹『汝、宿世の罪業によつて、現在の愛児の血をすすり、肉を喰ひ骨を粉にして食すべし。然らざれば汝も亦かくの如くなすべし』 と云ふより早く、二人の女の頭部を力限りに岩に打ちつけメヂヤメヂヤに砕いて了つた。 テームスは止むを得ず肯づいた。羅刹は姫の頭肉の断片を竹篦の先に掬うてはテームスの口に捻ぢ込む。テームスは止むを得ず、之を食はざるを得なかつた。口は痺れ醶く苦く毒薬を呑む如き苦しさを感じた。羅刹は大口開けて高笑ひ、 羅刹『アハハハハ、その方は今娘の肉を一口食つて味を知つたであらう。汝が祖先は玉置村の里庄として人民を苦しめ数多の貧者の膏血を絞り、汝が代になつては益々甚だしく、其富巨万を重ね玉木の村に巍然たる邸宅を構へ、天地を畏れず、驕慢の限りを尽す不届者、吾は人民の怨霊団結してここに羅刹として現はれしものぞ。いざ之よりは汝が精霊肉体ともに石を以て叩きつけ、幾百の肉団となし、汝が為に生前苦しめられたる精霊に分与すべし。さア早く此岩上に横はれ』 と罵り乍ら、その場に突き倒した。 かかる処へ天の一方より霊光輝き来り、テームスが前に落下した。羅刹は此火団に驚いて何処ともなく姿を隠した。火団は忽ち一柱の神人と化した。よくよく見れば鬼春別将軍が円満具足なる霊衣を身に着し、莞爾として立つてゐる。テームスは打驚き初めて口を開き、 テームス『ああ貴方は鬼春別様で厶いましたか。誠に失礼な事ばかり心の裡で思ひました。それ故祖先の罪と自分とで斯様な処へ落されたので厶いませう。何卒私の罪をお赦し下さいませ』 と手を合し涙を流して頼み入る。 鬼春『拙者は御存じの通りバラモン教のゼネラル、鬼春別で厶る。三五教の宣伝使治国別の一行の霊光に包まれ自我自愛の夢も醒め翻然として神の道を悟り、生き乍ら地獄道に陥落せし身を救はれ、吾精霊は神界の命によつてエンゼルとなり、今ここに治国別宣伝使の命によつて汝を救ふべく下り来れり。汝も今より吾に做つて前非を悔い、神の御前に犯し来りし罪悪を陳謝せよ。然らば汝が娘も妻も神の恵みに救はるべし。夢々疑ふ勿れ』 と云ひ放ち紫の雲に乗つて嚠喨たる音楽の響と共に中天高く帰り行く。後見送つてテームスは名も知れぬ高山の上に跪き其勇姿のかくるる迄涕泣し乍ら合掌し悔悟の念に駆られつつあつた。 俄に聞ゆる阿鼻叫喚の声、テームスは何心なく谷底を見れば焔々たる猛火に包まれ、嫌らしき妖怪や黒蛇の数限りなく猛火に焼かれ、悶え苦しみ泣き叫ぶ声であつた。此山の麓は空地もなく火に包まれ、妖怪毒蛇が焼き亡ぼされつつあつた。翼なき身は空中を翔り此場を逃るる訳にも行かず、頻りに天津祝詞を奏上し神の救ひを祈りゐる。 かかる処へ雲に乗つて勢よく降り来る一人の神人がある。よくよく見れば吾家に逗留したる万公である。万公は莞爾として、その前に立現はれ軽く目礼し乍ら、 万公『舅殿、此谷底を御覧なさいませ。沢山な妖怪や毒蛇が焼き亡ぼされてゐるでせう。これは皆テームス家の祖先が作つた罪業の化生した悪魔で厶いますよ。又此万公は貴方の祖先代々に苦しめられた憐れな人民の霊が凝結して万公となり、此世に生れ来たものです。私はそれ故どうしてもテームス家の後を継いで此テームス家の財産を人民に平等に分配し罪を亡ぼさねば、舅殿を始め祖先の罪は赦されますまい。お気がつきましたかな。万民の精霊が集まつて万公と名を負ひ現界に生れたのですよ』 テームス『いや、どうも有難う厶ります。因果応報の道理によつて先祖代々地獄の苦みを受けるのも已むを得ませぬが、三五教を奉じ玉ふ貴方が吾家の養子となり、祖先の罪を赦して下さるのなら、此位有難い事は厶いませぬ。併し乍ら、スミエル、スガールの両人は悪鬼羅刹の為に肉体を粉砕され、もはや現界には居りませぬ。どうして家を継ぐ事が出来ませうか。娘がなくても養子になつて下さるでせうか』 万公『御心配なさいますな。治国別の宣伝使がお守りあればスミエル、スガール両人は極めて安全に肉体を保つてゐられます。さアこんな処に何時迄居つても堪りませぬ。私と一緒に帰りませう』 テームス『伴れて帰つて下さるか。あ、それは有難い。然し罪多い吾々、どうして此火焔の山を下る事が出来ませう』 万公『いや宜しい。貴方も大変に足も疲れて居りまする。私が背に負うて帰りませう。僅か三千里ばかり走れば玉置村の宅へ帰れますから』 テームス『何、三千里、大変に遠い所迄何時の間に来たのだらうな』 万公『精霊の世界では三千里や五千里は現界の一丁を歩行する暇もかかりませぬ。さア早く背をお抱へ下さい』 と手をつき出せばテームスは小児の様な気になり、 テームス『ああ老いては子に従へだ。そんなら婿殿、宜しく頼みます』 万公『親が子に礼なんか云つたり、頼む必要はありませぬ』 と云ひ乍ら甲斐々々しく背に負ひ、猛々たる火焔の中をドンドンと火傷もせず、矢を射る如くに下り行く。 万公に負はれて山を下れば、際限もなき青草茂る原野があつた。原野の真只中を一瀉千里の勢でトントントンと駆け出せば、水晶の水を湛へた沼に行きあたつた。流石の万公も之には辟易して息を休め、思案を凝らさむとテームスを青芝の上にソツと卸し双手を合せて、 万公『三千世界の梅の花一度に開く常磐木の 松の神世となりにけり顕幽神の三界を 救はせ玉ふ三五の救ひの神と現れませる 国治立の大御神豊国姫の大御神 神素盞嗚の大神の瑞の御魂に仕へたる 治国別の宣伝使松彦、竜彦神司 万公別が真心を憐れみ玉ひ今ここに 現はれまして此沼を首尾克く渡らせ玉へかし 朝日は照るとも曇るとも月は盈つとも虧くるとも 仮令大地は沈むとも神の恵みは常久に 変らせ玉ふ事あらじ守らせ玉へ惟神 玉置の里のテームスが世継となりし万公別 真心こめて神々の御前に慎み願ぎ奉る 此世を造りし神直日心も広き大直日 只何事も人の世は直日に見直し聞直し 世の過ちを宣り直す恵も深き神勅 仰ぎ敬ふ今日の空救はせ玉へ惟神 尊き神の御前に親子二人が慎みて 救ひを願ひ奉るああ惟神々々 御霊の恩頼を賜へかし』 かく歌ひ終るや際限もなき沼は忽ち変じて青畳となつた。テームスは目を開きよくよく見れば、鬼春別が読経せし隣室に目を眩して倒れてゐたのである。治国別、鬼春別、松彦、竜彦其他の人々は枕頭に集まつて懇切に介抱をし、天の数歌を頻りに奏上してゐた。ああ惟神霊幸倍坐世。 (大正一二・三・四旧一・一七於竜宮館北村隆光録) |
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霊界物語 | 55_午_ビクの国の物語3(玉木の里) | 17 万巌 | 第一七章万巌〔一四二五〕 玉置の村のテームスは治国別の教を聞いて今迄の貪欲心や執着心を弊履を捨つるが如くに脱却し、広き邸を開放し村人の共有とし、且つ山林田畑を村内に提供して共有となし、茲に一団となつて新しき村を経営する事となつた。先づ大神の神殿を造営すべく村人は今迄テームスの持ち山たりし遠近の山に分け入つて木を切り板を挽き、日夜赤心を尽し、漸くにして一ケ月を経たる後仮宮を造営し、大神を鎮座する事となつた。治国別は村人に教を伝ふべく、又この神館の完成する迄神勅に依つて待つ事とした。数百人の老若男女は悦び勇みて社前に集まり、この盛大なる盛典に列した。治国別は祭主となり、神殿に向つて祝詞くづしの宣伝歌を奏上した。 治国別『久方の天津御空の高天原に、鎮まり居ます大国常立の大神、神伊邪那岐の大神伊邪那美の大神、厳の御霊の大神瑞の御霊の大神を初め奉り、天津神国津神八百万の神達の御前に、三五教の神司治国別の命、清き尊き珍の御前に慎み敬ひ、畏み畏みも申さく、高天原の月の御国を知し召す、瑞の御霊の大御神、日の神国を知し召す、厳の御霊の大神は、現身の世の曇り汚れ罪過を、科戸の風に吹き払ひ、速川の瀬に流し捨て、清き麗しきミロクの御代に立直さむと、神素盞嗚の大御神に、千座の置戸を負はせたまひ、産土山の聖場に、斎苑の館を立て給ひ、千代の住所と定めつつ、神の御言を畏みて、遠近の国々に珍の教を完全に、開かせ給ふ有難さ、百の司を初めとし、四方の国人達は、皇大御神の大御恵を、喜び仰ぎ奉り、早風の如く潮の打寄する事の如く、神の御前に伊寄り集ひて、神の賜ひし村肝の心を錬り鍛へ、百の罪汚れ過を、払ひ清めて天地の、神の柱と生れ出でたる人の身の務めを、完全に委曲に尽し終へむと、励しみ仕ふる勇ましさ、掛巻も畏き皇大神の領有ぎ給ふ、豊葦原の千五百秋の瑞穂の国は、生言霊の幸はふ御国、生言霊の助くる御国、生言霊の生ける御国にましませば、天の下に生きとし生ける民草は、日に夜に心を研き身を謹み、神の賜ひし珍の言霊を祝り上げ奉り、仮にも人を罵らず、譏らず嫉まず憎みなく、睦び親しみ兄弟の如く、現世に生永らへて、日々の生業を楽しみ仕へ奉り、神の依さしの大御業に、仕へ奉るべき者にしあれば、三五教の御教を、夢にも忘るる事なく、朝な夕なに省みて、神の御国の幸ひを、完全に委曲に受けさせ給へと、皇大神の大前に、謹み敬ひ願ぎ奉る、下つ岩根に千木高く、仕へまつりし此宮の、いとも広くいとも清けきが如く、いや永久に、いづの玉置の村人は、テームスの村司を親と崇め、各自の生業を、いそしみ勤めて大神の、御前に勲功を奉り、家内は睦び親しみて、恵良々々に歓ぎ賑ひ、茂り栄えしめ給へ、ああ惟神々々、御霊幸倍ましませよ』 斯かる所へ村の若い衆と見えて赤鉢巻を締め乍ら、鐘や太鼓を叩きつつ、千引の岩を車に載せ、神の御前に奉らむと、大綱を老若男女が握り乍ら汗をタラタラ流しつつ、歌を唄つて進み来る其勇ましさ。(以下()内はワキ) 『(エンヤラヤー、エンヤラヤア)三五教の神司 治国別の宣伝使(ヨーイヨーイ、エンヤラヤア) 天津御空の雲別けて玉置の村に下りまし (ヨーイトセー、ヨーイトセー)(エンヤラヤーのエンヤラヤー) 欲に抜目のない爺テームスさまを説きつけて (ヨーイヨーイエンヤラヤ)も一つそこらで(エンヤラヤア) (ヨーイヨーイヨーイトナ)皆さま揃うてモ一つぢや 昔の昔の先祖から欲をかはいて溜めおいた 山も田地もすつかりと(ヨーイヨーイ、エンヤラヤ) 玉置の村へ放り出して上下なしに安楽な 生活をせよと云はしやつた時節は待たねばならぬもの (ヨーイヨーイ、エンヤラヤア)皆さま揃うてモ一つぢや (ヨーイヨーイ、ヨーイトセ)広き邸を開放して 尊き神の宮を建て老若男女が睦び合ひ 今日は目出度い宮遷し(ヨーイヨーイエンヤラヤ) (ヨーイトセ、ヨーイトセ)皆さまそこらで一気張り (ヨーイヨーイヨーイヤナ)これから玉置の村人は 今度新にお出ました万公さまの若主人に 心の底から服従し上下揃うて神様の 御用を励み日々の野良の仕事や山仕事 喜び勇んで務めませう(ヨーイヨーイエンヤラヤ) (エンヤラヤーのエンヤラヤー)皆さまここらで一気張り 千引の岩は重くとも大勢が心を一つにし 力限りに曳くならば何程甚い阪だとて 神の守りに安々と苧殻を曳くよに上るだらう (ヨーイヨーイエンヤラヤ)(エンヤラヤーのエンヤラヤー) 抑々玉置の村人は昔の昔の神世から この神村を住所としウラルの神の御教を 守り来りし人ばかり(ヨーイヨーイエンヤラヤ) (エンヤラヤーのエンヤラヤー)ウラルの神さまどうしてか 幾何信心したとても些ともお蔭を下さらぬ テームスさまが唯一人お蔭を横取許りして 吾等一同の汗膏絞つて楽に日を暮し 栄耀栄華にやつて居た(ヨーイヨーイエンヤラヤ) (エンヤラヤーのエンヤラヤー)それをば黙つて見て厶る ウラルの彦の神さまは此頃盲になつたのか 但は聾になつたのか村の難儀を知らぬ顔 (ヨーイヨーイエンヤラヤ)(エンヤラヤーのエンヤラヤー) 皆さま揃うて一気張り(ヨーイヨーイエンヤラヤア) 此度救ひの神様が天の河原に棹さして 治国別と名を変へて玉置の村に下りまし 吾等一同を救はむと仁慈無限の御教を 宣らせ給ひし嬉しさよ(ヨーイヨーイエンヤラヤ) (エンヤラヤーのエンヤラヤア)これから玉置の村人は 飢に苦しむ人も無く凍えて死ぬる人もなし 上下運否のないやうにミロクの御代が築かれて 喜び勇んで暮すだらう(ヨーイヨーイエンヤラヤ) (エンヤラヤーのエンヤラヤー)此神殿に祭りたる 救ひの神は厳御霊瑞の御霊の神柱 柱も清く棟高く御殿も宏く風景は 勝れて絶佳の御場所よ(ヨーイヨーイエンヤラヤ) (エンヤラヤーのエンヤラヤー)捻鉢巻の若い衆よ 早階段に近付いたもう一気張り一気張り お声を揃へてヨーイヤナ(ヨーイヨーイエンヤラヤ) (エンヤラヤーのエンヤラヤー)』 と唄ひ乍ら方形の大岩石を社の傍に据ゑたり。これは村人が……此岩石の腐る迄は心を堅く変へませぬ、何処迄も御神の為に尽します……と云ふ赤心の供へ物である。 万公は村人と同じく捻鉢巻をし、運んで来た石を適当の場所に据ゑむとして二三人の部下と共に槌を振り上げ、大地をドンドンと固め、杭を打つて石のにえ込まないやうと勤めて居る。相方が交互に歌を唄ひ乍ら拍子をとつて居る。 万公『神と神との引き合せ(ドーン、ドーン、ドンドンドン) 玉置の村の里庄なるテームスさまの若主人 万公司も現はれて今日の目出度いお祭りを 力限りに祝ひませう(ドーンドーン、ドンドンドン) 打てよ打て打て確り打てよ地獄の釜の割れる迄 今打つ槌は神の槌槌が土うつ面白さ (ドーンドーン、ドンドンドン)玉置の村の皆さまが キールの谷から千引岩毛綱に括つて引き来り 尊きお宮の御前に信と真との光をば 現はし給うた目出度さよ(ドーンドーン、ドンドンドン) 大神様の御利益でテームス館は云ふも更 此村人は永久に尊き此世を楽しんで 堅磐常磐に玉の緒の命を保ち心安く 家も豊に栄えませう(ドーンドーン、ドンドンドン) これから村中心をば一つに合して田を作り 山には木苗を植付けて(ドーンドーン、ドンドンドン) 共有財産沢山と造つて子孫の末迄も (ドーンドーン、ドンドンドン)宝を残し身を治め 心を清めて神様の尊き教に心従し 此世を安く頼もしく(ドーンドーン、ドンドンドン) 千引の岩の御霊もて悪魔を払ひいつ迄も ビクとも動かぬ鉄石の信仰励もぢやないかいな (ドーンドーン、ドンドンドン)どうやら準備が出来たよだ 皆さまモ一つ頼むぞや(ヨーイヨーイエンヤラヤ) (エンヤラヤーのエンヤラヤア)力の強い若い衆は 挺をば四五本持つて来て千引の岩を此上に 何卒据ゑて下されよ万公別が頼みます (ヨーイヨーイエンヤラヤ)(エンヤラヤーのエンヤラヤア) 朝日は照るとも曇るとも轟き渡る滝の水 洗ひ晒した此身体神の御前に奉り 舎身供養を励みませうああ惟神々々 (ヨーイヨーイエンヤラヤ)(エンヤラヤーのエンヤラヤー) 神の御心畏みて村人心を一つにし 今日の祭を恙なく済ませた事の嬉しさよ 玉置の村は万世に玉置の宮と諸共に 栄え尽きせぬ事だらう喜び祝へ諸人よ (ヨーイヨーイエンヤラヤ)(エンヤラヤーのエンヤラヤア)』 (大正一二・三・四旧一・一七於竜宮館加藤明子録) |
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霊界物語 | 55_午_ビクの国の物語3(玉木の里) | 19 清滝 | 第一九章清滝〔一四二七〕 火熱烈しき太陽は天津御空に晃々と 照国岳の谷間に高くかかれる大瀑布 清めの滝の片辺小さき庵を結びつつ 二人の男が朝夕に裸となりて何事か 声を限りに祈り居る。 此両人はベルツ、シエールの主従である。左守の司並にタルマンの為に右守の職を剥奪され、百日の閉門を申付けられ、恨み骨髄に徹し、妖幻坊の魔法を習つて、ビクトリヤ城を転覆し、再び勢力を盛り返し、自分は刹帝利となり、シエールを左守司に任じ、一国の主権を握らむと、一心不乱に水垢離をとつてゐたのである。七日目の夜、二人が一生懸命に水垢離をとつてゐると、山岳も崩るる許りの大音響と共に、白馬に跨り、宙空より蹄の音戞々と降つて来たのは緋衣を着た坊主姿なりける。これは妖幻坊の兄弟分と聞えたる妖沢坊といふ魔神なり。妖沢坊は二人に向ひ、 妖沢『汝はビクの国の右守司を勤めたるベルツ並に家令のシエールであらう。汝の願は速に聞届け得させむ。付いては百日百夜の水行をなし、食物は此谷川に棲息する蟹、蠑螈、蛙を餌食となし、其他の物は一切食ふ可からず。若し誤つて他の食を取る時は、汝の行は全く水泡に帰すべし。又百日の修業中、人に発見されたる時は折角の修業も無効となるべし、必ず用心怠る勿れ。此荒行が済めば、汝に空中飛行の術を授け、且千変万化の化身の法を教ゆべし、ゆめゆめ疑ふ勿れ』 と厳かに伝へ、山岳を揺がし乍ら、再び駒の首を立直し、空中高く姿を消した。二人は有難涙にくれて妖沢坊の後姿を合掌し、呪文を唱へてゐた。三十日許り修業をした時、ベルツは蛙、蠑螈の毒が中つたのか、俄に腹痛を起し、手足を藻掻き、泡を吹き出しける。シエールは一生懸命に、 シエール『ウラル彦命妖沢坊様、何卒主人の病気をお癒し下さいませ』 と滝壺に打たれて、又もや一心不乱に荒行にかかつてゐる。ベルツは虚空を掴んで苦み悶える。此体を見てシエールは命限りに滝壺に飛び込み、祈念を凝らしてゐた。そこへ十一二才の美はしき女、木の茂みを分けてスタスタと登り来り、忽ち赤裸となつて滝壺に飛込んだ。シエールはエンゼルが自分の祈りを聞いて、助けに来て呉れたものと思ひ、一生懸命に乙女の姿を伏拝み、感謝の涙にくれてゐる。乙女は二人の男に目もかけず、滝壺に飛込み一心不乱に、 乙女『大国常立の大神、何卒々々、父の病気を救はせ玉へ、仮令吾身の命は取られませう共、少しも苦しうは存じませぬ。今父が亡くなつては、又もや右守司ベルツ主従が、如何なる事を致すか知れませぬ。ビクの国の一大事で厶います』 と神言を奏上し、祈り始めた。されど瀑布の轟々たる水音に遮られて、乙女の何事を願ひ居るやは、両人の耳に入らなかつた。シエールはベルツの側に進み寄り、頭を撫で乍ら、 シエール『モシ旦那様、御安心なされませ。今私が妖沢坊をお願ひ致しましたら、アレあの通り、天女が天降られて、貴方の病気平癒の為に滝壺にかかつて祈念をして下さいます。キツと御病気の直る瑞祥で厶いませう。必ず必ず御心配下さいますな。南無妖沢坊大明神守り玉へ幸へ玉へ』 と涙交りに願ひゐる。ベルツは不思議にも此言葉を聞くより、神経作用か知らね共、俄に気分がよくなり、頭をあげて滝壺を見れば、花を欺く美はしき乙女が滝壺に打たれて、白い体を曝し乍ら、一心不乱に念じて居る。ベルツは吾身の苦痛も忘れ立上り、 ベルツ『掛巻も畏き天津御国より下らせ玉うた天津乙女様、何卒々々拙者の願望を御聞届け下さいますやうに、之に付いては体が資本で厶いますから、此病気の一時も早く全快致し、百日百夜の修業が無事に了ります様、御願ひ申します』 と両手を合せて頼み入る。乙女は一生懸命に、 乙女『父の病を癒させ玉へ』 と祈願するのみであつた。稍あつて乙女は滝壺を上り、身体の水を拭き取り、キチンと衣服を着替へた。四辺を見れば二人の男が褌一つになつて、一生懸命に滝壺を拝んでゐる。乙女はスタスタと帰り行かうとするを、二人は慌てて行手に跪づき、 ベルツ『天津乙女様、如何で厶いませうか、妖沢坊様の命令に仍つて、百日百夜の荒行を致し、大望を達せむと願つて居りますが、神様のお蔭で成就するものとは存じますが、かやうに病気になつては、如何ともする事が出来ませぬ。何卒御指図をお願ひ致します』 乙女『其方の願望とは如何なる事か、詳しく陳述せよ』 ベルツ『ハイ、私はビクの国の右守司ベルツと申す者、之なる男は家令のシエールと申す者で厶います。ビクトリヤ城内には悪人はびこり、左守司一味の者、三五教の悪宣伝使を城内に引ずり込み、拙者の軍職を解き、専横の限りを尽し居りますれば、国家の害賊を除く為に、両人が此処にて荒行を致して居る所で厶います』 乙女『汝の敵と見なすは左守一人であるか』 ベルツ『左守は申すに及ばず、刹帝利の老耄、其外アール、ハルナ等の悪人を征伐致さねば到底天下は無事に治まりませぬ』 乙女『ホホホホホ、其方が噂に聞いた悪虐無道のベルツ主従であつたか。左様な悪企みを致す共、到底成功の望みはあるまい。どうぢや今の内に悔い改めて真人間になる気はないか』 ベルツ『ヘー、それは何で厶います、決して私欲の為に致すのでは厶いませぬ。天下公共の為に、民の苦しみを助くる慈愛心より、身を犠牲にして、かかる荒行を致して居るので厶います』 シエール『天津乙女様、何卒々々、吾々の霊をよくよくお査べ下さいまして、正邪の御裁判を願ひます』 と悪人は自分のやつた事を少しも悪と思うて居ない。天下国家の為に最善の努力を尽してゐると考へてゐるらしい。 乙女『妾は汝の言ふ如き天津乙女ではない。ビクの国の刹帝利ビクトリヤ王の娘ダイヤ姫であるぞよ。左様な悪虐無道な企みを致すよりも惟神の本心に立返り、忠良なる臣民として、国家に尽したら何うだ』 ベルツ『ナニ、其方が敵と付狙ふビクトリヤ王の娘であつたか。エー、天津乙女と見誤り、尊い頭をメツタ矢鱈に下げたのが残念だ。妖沢坊のお示しには、此行中に人間に見付けられては、折角の荒行が水泡に帰するとの事であつた。エー、モウ破れかぶれだ。吾願望の届かぬとあれば、仇の片割れ、嬲殺に致して怨みを晴らしてくれむ。オイ、シエール、荒縄を以て此女を縛り上げよ』 と厳しく命ずれば、シエールは、 シエール『ハイ畏まりました』 と棕櫚縄を取つて、後手に括り、樫の枝に引かけて、宙空に吊り上げる。乙女は腕もむしれむ許りの痛さを、歯をくひしばり目を塞いで一言も発せず、堪えて居る。 ベルツは之を眺めて心地よげに打笑ひ、 ベルツ『アハハハハ、小ちつぺ奴が、こんな所へ俺等の行方を嗅付けてやつて来やがつたのだな、此奴ア大変だ。此奴を帰なせば、キツと後から左守のハルナ奴、軍隊を率ゐて俺達を召捕に来る算段であらう。王女の身として、かやうな所へ出て来るとは大胆至極、之には何か仔細があるであらう。一度吊り下し、拷問にかけて云はしてみよう、サア下せ』 と厳命すれば、シエールは又もや綱を緩めて地上に下した。ダイヤは既に目を眩かし歯をくひしばつてゐる。 シエール『ヤア、チヨロ臭い、モウうたひあがつたとみえる。モシ旦那様、此奴ア駄目ですよ、物を言ひませぬがなー』 ベルツ『ナアニ、今目を眩かした所だから、滝壺へ一遍つつ込め。蛇の叩き殺した奴でさへも、水へ漬ければすぐに蘇生るものだ。サ、早く放り込んでみよ』 『ハイ』と答へてシエールはダイヤ姫の身体を引抱へ、綱を解いて、滝壺へザンブと許り投込んだ。ダイヤはハツと気がつき、滝壺を這ひ上り、其処辺をキヨロキヨロ見廻し、赤裸のまま逃げむとするを、シエールはグツと細腕を握り、以前の樫の根本に引摺り来り、 シエール『コリヤ、ダイヤ姫、幼き女の分際として、斯様な所へ只一人修業に来るとは大胆至極、之には何か仔細があるであらう。吾々両人が照国山に、王家転覆の祈願を凝らし居る事を嗅ぎつけ、やつてうせたのであらう。サ、逐一白状致せ。包み隠すに於ては、其方を水責、火責、剣責に致すが、それでも可いか』 ダイヤ『無礼千万な、主人の娘を捉へて左様な脅迫を致すといふ事があるか。チツと天地の道理を考へて見よ』 ベルツ『エー、喧しい、天地の道理を考へるやうな者が、ビクトリヤ城転覆の修業を致すものかい。サ、早く事実を白状致せ。何を願ひに来たのだ。其願の筋から第一に聞いてやらう』 ダイヤ『此照国山は妾兄妹六人が永らく住居してゐた馴染のある所だ。父の御病気を平癒させむが為に、清めの滝へ水垢離をとりに来たのだよ。臣下の身分として主人のする事をゴテゴテいふ権利があるか、控えて居れ。年は若く共、ビクの国刹帝利の娘だ。エエ汚らはしい、一時も早くどつかへ姿を隠せ。執拗帰らぬに於ては線香を立てて燻べてやらうか』 シエール『丸切り青大将が座敷へ這上つた時のやうに言つてゐやがる。こんな女つちよに脅迫されて、此荒男の顔が立つものか、地異天変もここ迄行けば極端だ。地震ゴロゴロ雷ビリビリとやつて来たやうだ。併し乍らどう考へても、こんな美しい女をムザムザ殺すのは勿体ない様だ。オイ、ダイヤさま、物も一つ相談だが、何程お前が王女だといつても、位の高いのは実地の時の間に合ふものでない。荒男二人と格闘すれば、到底お前は殺されねばなるまい。蛇と蛙のやうなものだから、茲は一つ思案をし直して、旦那様の奥方となり、ビクの国の女王となつて暮す考へはないか』 ダイヤ『悪逆無道の謀叛人奴、エエ汚らはしい、下りおらう』 ベルツ『何と云つても美しい者だ。そしてこれ丈の胆力があれば、此女を女房にすればどんな事でも出来るだらう。イヤ、ダイヤ姫様、茲は一つお考へ直しを願ひます。左守といふ奴は表面忠義らしく見せて居りますが、彼こそ心中深く野心を包蔵する曲者で厶いますぞ。刹帝利様は左守に誤られ、ビクの国家を棒に振らうとして厶る。危険至極な今日の場合。真の忠臣が現はれて支へなくては、万代不易の王家は続きますまい……大忠は不忠に似たり、大孝は不孝に似たり、大信は偽りに似たり、大善は大悪に似たり……といふ事がありませう。表面大悪人と見做されたる此ベルツ位、王家や国家を憂ひて居る者は厶いませぬぞ。チツと冷静に胸に手を当てて、王家と国家の為にお考へを願ひ度いものです。よく考へて御覧なさい。貴女の父上は左右の奸臣に誤られ、大切な五人の王子迄悉皆殺さうとなさつたぢやありませぬか。何処の国に親が子を愛せない者がありませう。何が宝だと云つても、吾子位宝はない。其宝を殺さうとなさるのだから、決して之はお父上の心から出たのでは厶いませぬ、皆左守やタルマンの入れ知恵で厶りまするぞ。かやうな悪人を重用するは実に危険千万で厶りまする。貴方はお若いので、城内の様子を御存じ厶いますまいが、それはそれはタルマン、キユービツトの両人は天地容れざる大悪人で厶いますよ。何卒此急場を救ふ為に、幸貴方は王家のお血筋、此右守と夫婦になり、国家の大難を未然に防ぐお考へはありませぬか』 ダイヤ『エエつべこべと、汝の邪智侫弁聞く耳は持たぬ、汚らはしい。王家がどうならうが、国家が何うならうが、構つてくれな。何事も天の時節だ。汝等如き有苗輩の関知する所でない。大きにお世話だ、さがり居らう』 と厳然として言ひ放つた。ベルツ、シエールは、 ベルツ、シエール『最早駄目だ、両人左右より寄つてかかつて、可哀相乍ら、殺害しくれむ』 と大剣を引抜き、左右より切つてかかるを、ダイヤは身をかはし、飛鳥の如く刃を潜り、樫の大木を木楯に取つて防ぎ戦ひゐる。 斯かる所へブウブウブウと法螺貝を吹き乍ら、四人の山伏、 四人の山伏『衆生被困厄、無量苦逼身、観音妙智力、能救世間苦、具足神通力、広修智方便、十方諸国土、無刹不現身、種々諸悪趣、地獄鬼畜生、生老病死苦、以漸悉令滅』 と観音経を唱へ乍ら登つて来る。ベルツ、シエールの両人は四人の姿に驚いて、ダイヤを捨て、着物をかかへ、山上目がけて、荊棘茂る中を雲を霞と逃げて行く。此山伏は治道、道貫、素道、求道、四人の修験者なりけり。 (大正一二・三・五旧一・一八於竜宮館松村真澄録) |
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霊界物語 | 56_未_テルモン山の神館1 | 07 高鳴 | 第七章高鳴〔一四三七〕 七重八重言葉の花は咲きぬれど実の一つさへなき山吹の 花にも擬ふ教へ草インフエルノのどん底に 霊魂の籍をおきながら底津岩根の大神の 誠一つの太柱此世を救ふ義理天上 日の出神の生宮と信じ切つたる高姫は 如何なる尊き御教も吾魂に添はざれば 一々これを排斥し変性男子の生御霊 書かせ給へる御教を所まんだら撰り出し 自が曇りし心より勝手次第に解釈し 其身に憑る曲霊に身も魂も曇らされ 唯一心に神の為め世人のためと村肝の 心を尽すぞ果敢けれ妖幻坊の杢助に 魂を抜かれて中空より印度の国のカルマタの 草茫々と生え茂る原野に危く墜落し 其精霊は身体を首尾よく脱離しブルガリオ 八衢関所に到着し赤白二人の門番が 情によりて解放され天の八衢遠近と 彷徨ひ廻りて岩山の麓に庵を結びつつ 冥土へ来る精霊を三途の川の脱衣婆の 気取になつて点検し一々館へ連れ帰り 支離滅裂の教理をば口角泡を飛ばせつつ 一心不乱に説き立てる其熱心は天を焼き 地を焦がさむず勢に遉慈愛の大神も 救はむよしもなきままに三年の間高姫が 心のままに放任し眼を閉ぢて自ら 眼醒むる時を待ち給ふかくも畏き大神の 大御心を覚り得ず吾身に憑る精霊は 至粋至純の神霊日の出神の義理天上 底津岩根の大神と曲の霊に騙られ 信じ居るこそ憐れなり八衢街道の真中で ふと出会した四人連れ言葉巧に誘ひて 己が館へ連れ帰り心をこめて天国へ 救ひやらむと気を焦ち力を尽す高姫が 心を無にしてバラモンのヘルやケリナが反抗し 互に顔を睨み鯛小さき部屋に燻つて 白黒眼をつり居たる時しもあれや表戸を 叩くは水鶏か泥坊か但は嵐の行く音か 何は兎もあれ門口に現はれ実否を探らむと 四人の男女を睨みつつ庭に下り立ち表戸を ガラリと開ればこは如何に髯茫々と生え茂る バラモン教の落武者が泥坊仲間の親分と 聞くより高姫目を瞠り神の教の言霊に 誠をさとし助けむと心を定めて誘ひ入れ 四人の前に引き来るああ惟神々々 神の御霊の幸倍ひて一時も早く高姫や 其外五人の精霊を一日も早く大神の 誠の教に服はせ救はせ給へと願ぎまつる 朝日は照るとも曇るとも月は盈つとも虧くるとも 仮令大地は沈むとも誠の力は世を救ふ 誠の道を誤りし虚偽に満ちたる高姫が 教を如何に布くとても正しき神の在す限り 如何でか目的達すべきさはさりながら善人は 愛と善との徳に居り真と信との光明に 浴し仕ふるものなれば善悪正邪は忽ちに 心の空の日月に映ろひ行けど曲津見に 心を曇らす精霊は却て悪を善となし 虚偽をば真理と誤解して益々狂ふ憐れさよ 三五教のピユリタンと救はれきつた精霊は 如何でか曲の醜言に尊き耳を傾けむや 眼は眩み耳ふさぎ霊の汚れし精霊は 霊と霊との相似より蟻の甘きに集ふごと 喜び勇み集まりて虚偽と不善の教をば こよなきものと確信し随喜渇仰するものぞ ああ惟神々々神の大悲の御心を 量りまつりて万斛の涙は河と流れゆく 此河下は三途川脱衣婆々と現はれて 現幽二界の精霊が心を洗ふヨルダンの 流れを渡るぞ憐れなる此惨状を逸早く 救はせ給へと瑞月王仁が謹み敬ひ三五の 神の御前に赤心を捧げて祈り奉る。 高姫は今来た男に向ひ、穴のあく程其顔を打ち見守りながら、 高姫『ヤアお前の面体には殺気が溢れて居る。大方泥坊でもやつて居るのぢやないかな』 男(ベル)『是はしたり、此処へ這入るや否や泥坊とは恐れ入ります。成程貴女の仰有る通り、吾々は元からの泥坊では厶いませぬ。月の国ハルナの都に現はれたまふ大黒主の御家来、鬼春別のゼネラルのお伴を致し、斎苑の館へ進軍の真最中、将軍の部下片彦、久米彦が三五教の宣伝使治国別の言霊に脆くも打ち破られ、浮木の森に引き返し来りたれば、此処に軍隊を二つに分ち、一方は鬼春別、一方はランチ、各三千騎を引き率れ、ビクの国を蹂躙し、次で猪倉山に陣営を構へ、武威を八方に輝かす折しも、又もや治国別の神軍に踏み破られ、鬼春別、久米彦の両将軍は三五教に帰順致され、吾々は解散の厄に遇ひ、心にも無き剥ぎ取り泥坊を彼方此方でやつて居るもので厶る。併し私が泥坊だと云つてお前さまに咎めらるる道理はありますまい。泥坊は泥坊としての最善を尽し、其商売の繁昌を計つて居るのだから泥坊呼ばはりはやめて貰ひませうかい。此方が泥坊なら此処に居る四人も泥坊だ。其外世界の奴は直接間接の違ひこそあれ泥坊根性の無いものはない。いや泥坊根性の無いものは無いのみならず、藁すべ一本なりと泥坊せないものは何奴も此奴もありますまい』 高姫『オホホホホ。泥坊にも三分の理窟があるとか云つて、どうでも理窟の付くものだなア、併し乍らお前のやうに泥坊を自慢らしく云ふものは聞いたことがない。些と恥を知りなさい。それだから神様が「今の人間は天の賊だ、泥坊の世の中だ」と仰有るのだ。遠慮してコソコソやつて居るのなら可愛らしい所もあるが、大きな声で泥坊だと威張り散らすやうになつてはもう世も末だぞへ。そこで底津岩根の大神様が今度立替を遊ばし、鬼も大蛇も賊もないやうになさるのだよ。お前も好い加減に改心なさらぬと未来の程が怖ろしいぞへ』 ベル『アハハハハ。諺にも「猿の尻笑ひ」と云ふ事がありますぞや、吾々は泥坊といつても、唯金銭物品を泥坊する許りだ。それよりも大泥坊、否天の賊が此処に一人あるやうだ。鬼の念仏はこのベル、根つから聞きたうは厶いませぬわい』 高姫『天の賊が此処に一人居るとはそれや誰の事だい。お前は私の顔を睨めつけながら天の賊と云ふた以上は、誠生粋のこの生宮を取り違ひして天の賊と云つたのだらうがな』 ベル『勿論お前の事だよ、よく考へて御覧なさい。変性男子厳の御霊の生宮が、大国常立尊の伝達遊ばした神示を、そつと腹に締め込み、それを自分の物として横領して居るぢやないか。そして自分は義理天上だとか、底津岩根の大神の生宮だとか云つて得意になつて居るのは実に天地容れざる大罪悪、大虚偽もこれに越したるものはあるまい。それだからこのベルが大泥坊天の賊と云つたのが、どこに間違ひが厶るかな、不服とあらばベルの前で説明をして貰ひませう』 と胡床をかき言葉鋭く詰よつた。 高姫『ホホホホホ。ても扨ても分らぬ男だな、善一つの誠生粋の日本魂の、根本の根本の此世の御先祖様の憑らせたまふ生宮に対し泥坊呼ばはりをするとは無智にも程がある、お前のやうな盲聾が娑婆を塞いで居る以上は何時になつても神政成就は出来ませぬわい。何と云ふても霊が地獄に堕ちて居るのだから、人の眼についている塵は目についても己の眼にある梁は目に入らぬと見える、これシャル、六造、この二人の男を見て改心なされや。今が肝腎の時で厶いますぞえ。人民の分際として善ぢやの悪ぢやのとそれや何を云ふのぢや。三五教の教にも「神が表に現はれて、善と悪とを立て分ける」とお示しになつて居るぢやないか。神様の外に善と悪とを立て分けるものは無い。それも根本の弥勒様より外に立分ける者は無い、枝の神では出来ない、それだから根本の神様の御用をする此高姫の言ふことは大神様の御心だから、お前の心に合はなくてもこの高姫の云ふ通り素直になして行ひを改めさへすれば、現界、神界、幽界、ともに結構な御用が出来ますぞや』 六造『高姫さま、何と仰有つても私にはテンと信用が出来ませぬがな、お前の御面相を最前から考へて居るが、ちつとも神様らしい所が現はれて居りませぬ。表向にはニコニコとして厶るが、その底の方に何とも云へぬ険悪な相や、憎悪の相が現はれて居りますぞや。「人間の面貌は心の索引」とか云ひまして、何うしても内分は包む事は出来ませぬ、きつと外分に現はれて来るものですからなア』 高姫『アーアー、何れもこれも分る霊は一人も無いわい。神様も仰有つた筈だ「誠の人が三人あつたら三千世界の立替立直が出来る」との事、今更其お言葉を思ひ出せば実に感歎の外はない。私も長らくこれ程一生懸命に神様の為め、世人の為め、粉骨砕身の活動をして来たが未だ一人の知己を得る事が出来ないのか、情なや情なやほんに浮世が嫌になつて来たわい』 シャル『もし高姫様、私はどこ迄も貴女のお言葉を信じます。貴女は本当の根本の大神様の生宮様に間違ひはありませぬ。何卒私を貴女のお弟子にして下さいますまいか』 高姫『オホホホホ。成程お前は何処ともなしに気の利いた男だと初から見込んで置いた。矢張り日の出の神の目は違はぬわい。これ皆の泥坊共、高姫の申す事でも誠さへ心にありたら、このシャルの通り一遍に腹へ入りますぞや。分らぬのはお前の心が曇つて居るからであるぞや。ちと御改心なされ、足許から鳥が立つぞや』 斯る所へ何処ともなく、ブーウブーウと山彦を轟かす法螺貝の声近づき来る、ああ惟神霊幸倍坐世。 (大正一二・三・一四旧一・二七於竜宮館二階加藤明子録) |
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霊界物語 | 58_酉_イヅミの国1(猩々島) | 16 聖歌 | 第一六章聖歌〔一四九一〕 初稚丸に帆をあげて潮のまにまに辷り行く 玉国別の一行は前途に当る島陰を 眺めて何か心中に朧げ乍ら望みをば 抱きていそいそ湖風に吹かれて進む波の上 月は漸く中天に昇らせ玉ひ清涼の 空気はおひおひ身に迫る何とも云へぬ心持 思はず知らず苫の屋根立出で来り舷頭に 遠くに霞む島陰を打仰ぎつつ独言 玉国別『際限もなき湖原の彼方に見ゆる浮島は 如何なる人の住みけるか但しは人無き孤島か 猩々島の片割れか波に呑まれて船を割り バーチルさまの二の舞を演じて漸う漂着し 猩々の姫を妻に持ち浮世離れし別世界 其日を暮す人あらば又もや悲しき生き別れ 救ふも辛し救はねば神に対して相済まず 何は兎もあれ波の間に進みて実地を探り見む ああ惟神々々御霊幸ひましまして 神の賜ひし此御船波路も安く渡らせよ 国治立の大御神豊国主の大御神 斎苑の館に在れませる瑞の御霊の御前に 三五教の宣伝使玉国別を初めとし 神の稜威も三千彦やその外百の神司 遠き海路を恙なく進ませ玉へと願ぎ奉る 初稚姫の神司此荒波を乗り切りて 猛犬スマートに跨りて波のまにまに出で玉ふ その扮装の勇ましさもしも彼方の島陰に 休らひ玉ふ事あれば実に嬉しき限りなり 初稚姫の逸早く船を見棄てて犬に乗り 出で行き玉ひし心根は何かは知らねど重大の 使命の在すと覚えたり吾等一同の行先に 又もや曲の現はれて如何なる仇をなさむやも 図られ知らぬキヨの湖只何事も惟神 大御心に任せつつ天津祝詞を奏上し 天の数歌歌ひ上げ一同声を相揃へ 神の御名を称ふべしああ惟神々々 御霊幸ひましませよ』 と歌ひ了り、一同と共に型の如く恭しく祝詞を奏上し、数歌を歌ひ終つて宣伝歌を節面白く称へ初めた。 玉国別『地水火風空の大本を造り玉ひし神御祖 大国常立大御神宇宙の外に在しまして 天地日月星辰を完全に委曲に造り終へ 青人草や鳥獣虫族初め草や木の 片葉の露に至るまで厳の恵みを垂れ玉ひ 此美はしき世の中を守らせ玉ふ有難さ 先づ第一に日の御神高皇産霊の大御神 月の御神と現れませる神皇産霊の大御神 水火の業を受持ちて天地万有按配し 各その所を得せしめて無限の歓喜を与へつつ 弥勒の聖代を細に築かせ玉ふ尊さよ 先づ第一に人を生み天足の彦や胞場姫を 青人草の祖先としエデンの園に下しまし 神の形に造られし人の子数多生み終はせ 此世の中を開かむとかからせ玉ふ時もあれ 天足の彦や胞場姫が皇大神の御心に 反き奉りし邪心より天地に妖邪の空気充ち 八岐大蛇や醜狐曲鬼などの生れ来て 益々此世を乱し行く高皇産霊の大神の 厳の御霊と在れませる国治立の大神は 天津御神の御言もて遥々天より降りまし 此地の上の万有をいと安らけく平けく 治めむものと千万の掟を定め神々を 生みなし玉ひて三界を救はむ為めに種々に 心を悩ませ玉ひけり神皇産霊の大神の 瑞の御霊と在れませる豊国姫の大神は 厳の御霊の神業を助け玉ひて遠近の 山野海河悉く心を配り守りまし 八岐大蛇の憑りたる常世の彦や常世姫 金毛九尾曲鬼の醜の魅魂に霊魂を 攪乱されて大神の大神業を妨害し 遂には枉の集まりて天津御国に在しませる 元津御祖の大神に厳と瑞との二柱 神の掟を悪しざまに申上げたる枉業に 皇大神は止むを得ず熱き涙を湛へまし 弥勒の聖代の来る迄国治立の大神を 地上の世界の艮に長く浮べる自転倒の 根別けの島に押込めて時節を待たせ玉ひつつ 豊国姫の大神はメソポタミヤの瑞穂国 境を限りて今暫し弥勒の聖代の来るまで 時節を待てと厳かに宣らせ玉ひし悲しさに 厳と瑞との大神は涙を呑んで潔く 各自々々の隠遁所にその身を忍ばせ玉ひしが 一度に開く蓮葉の開いて薫御代となり 神素盞嗚の大神は千座の置戸を負ひ乍ら 斎苑の館やコーカスの山に姿を隠しまし 島の八十島八十の国隈なく教を垂れ玉ひ 世人を教へ曲神を言向和し天地を 清めて元の神国に立直さむと宣伝使 数多養ひ育てつつ彼方此方に派遣して 曇りきつたる世の中を照らさせ玉ふぞ有難き 神の使の数多く在します中にいと勝れ 神徳強き神柱初稚姫は只一人 魔神の猛ぶ荒野原山川海を乗り越えて 猛犬スマートと諸共に神変不思議の神力を 現はし玉ふ畏さよ朝日は照るとも曇るとも 月は盈つとも虧くるとも仮令大地は沈むとも 誠の力は世を救ふ誠の道の御教を 教へられたる吾々は皇大神の御為に あらゆる艱難を凌ぎつつ道の御為世の為に 尽さにやならぬ宣伝使ああ有難し有難し 斎苑の館を出でしより種々雑多と大神の 恵みの試しに遭ひ乍らその度毎に神力を いと爽かに与へられ所々に功勲を 現はしまつり今此処に清めの湖に浮びつつ 仁慈無限の大神の教の御船に棹さして 進み行くこそ楽しけれ真純の彦よ三千彦よ デビスの姫よ伊太彦よいざ之よりは腹帯を 下津岩根に締め直し上津岩根に締め固め バラモン教やウラル教神の館に蟠まる 醜の曲津に打向ひ善言美詞の言霊や 堪へ忍びの剣もて吾身を厭はず進むべし 神は吾等と倶にあり人は神の子神の宮 如何なる敵の攻め来とも恐るる事のあるべきぞ ハルナの都に蟠まる八岐大蛇や醜神を 神の賜ひし言霊に言向和し斎苑館 皇大神の御前に勝鬨あげて帰る迄 心を弛さぬ此旅路守らせ玉へ惟神 皇大神の御前に玉国別が一行を ここに代表仕り畏み畏み願ぎ奉る ああ惟神々々御霊幸ひましませよ』 船頭のイールは、櫓を操り乍ら又もや歌ひ出した。 イール『(喇叭節)風はそよそよ吹き渡る 清めの湖には百鳥が 彼方此方と翻る 天国浄土も目のあたり。 向ふに見えるは猩々の島か 猩々島ならもう行かぬ 波に浮べるあの島陰は 吾をまつ風フクの島。 (琉球節)フクの島には真水が厶る 真水許りか洞がある。 洞の中には大蛇が棲むと 云ふて恐れる一つ島。 いやが応でも此潮流は フクの島へと船流す。 もしも大蛇が出て来たなれば 厳の言霊頼みます。 厳の言霊打ち出すなれば 鬼も大蛇も丸跣足。 私はイヅミのスマ里生れ 若い時から船の上』 と唄ひ乍ら一生懸命に櫓を操つて居る。 (大正一二・三・二九旧二・一三於皆生温泉浜屋北村隆光録) |
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霊界物語 | 59_戌_イヅミの国2(キヨの港) | 23 鳩首 | 第二三章鳩首〔一五二三〕 ヤッコス、ハール、サボールの三人は、伊太彦丸の片隅に小さくなつて不安の面をさらし乍ら、コソコソ密談をやつてゐる。 ヤッコス『オイ両人、此奴アちと怪しいぞ。俺達を置去にして行きやがつた宣伝使の片われ伊太彦が大将になつて、これ丈沢山の船を拵へ、猩々の一族を引率れ帰るに就いては何か深い企みがあるに違ひない。猩々の前で、俺等を一つ掻きむしる真似でもせうものなら、あれ丈の猩々が一所へ固まつて来て、真似の上手な奴だから、掻きむしり、結局にや一つよりない命まで取つて了ふかも分らぬぢやないか。之を思へば俺はモウ酒を呑む気にもなれない、汝等どう思ふか』 ハール『ナアニ、三五教は無抵抗主義、博愛主義だと聞いてるから、俺達三人位殺した所で、世界の米が安うなるといふ訳もなし、悪魔が根絶するといふ道理もないから、滅多にそんなこたア致すまい。マア安心したが宜からうぞ。俺は何だか助けてくれるやうな気がするのだ』 サボール『イヤ、さう安心も出来まい。どつかの磯端へ伴れて行つて猿攻に会はす積だらう。三五教といふ奴ア、ズルイから、自分が手を下して人を殺せば天則違反になるのを虞て、猿公の手をかり、俺達三人をバラモンとやる積だらう。一層の事、今の内に先んずれば人を制すだ。伊太彦の素ツ首を捻ぢ切つてやらうでないか。さうすれば猿の奴真似しやがつて、どの船も此船も船頭の首を捻ぢ切るだらう。猩々は何と云つても俺達と仮令三日でも同棲して居た馴染もある。又大蛇に呑まれかけた時に応援もやつたし、恩を知つてる獣だから、俺達の危難を見て救はぬといふ道理がない。併し猿といふ奴、先にやつた者の真似をするのだから、遅れた方が敗だ、一つ決行せうぢやないか』 ヤッコス『まてまて、伊太彦一人ぢやない、此船にはアンチーといふ力強が乗つてゐるから、ウツカリ手出しをせうものなら、それこそ窮鼠却て猫を咬むやうな破目になるかも知れぬ。何とかかとか云つて、沢山酒を呑ませ機嫌を取つて酔ひ潰し、寝鳥の首を締めるやうに甘くそこはやらかそぢやないか』 ハール『お前達両人はどこ迄も人を疑ふのか。疑心暗鬼といつて、自分の心の鬼が自分を責めるのだ。何程三五教の魔法使だとて、おとなしい者を苦しめるこたア出来ぬからのう。マアそんな取越苦労をするよりも大自在天様を御祈願した方が安全かも知れぬぞ』 ヤッコス『あ、兎も角俺は険難で堪らない。併し乍らサボールの言つた通り、一方は神力無双の宣伝使、一方は力強だから、先づ甘く機嫌を取り酒に酔ひつぶし、其上決行しよう。それが最良の手段方法だ。オイ、サボール、汝常から声自慢だから、一つ慄ひつくやうな美声を出して唄つてみよ。さうすりやキツと伊太彦が気を許すに違ひない』 サボールは首を三つ四つ縦にしやくり乍ら、細い涼しい声で、船の隅の方から唄ひ出したり。 『三千世界の世の中に尊いものが四つある 第一番に尊きは豊栄昇るお日イ様 次には夜を守ります円満清朗のお月様 大地を造り固めたる三五教の守り神 大国常立大御神此神様の御恵で 梵天帝釈自在天大国彦の神様も 此世に生きて厶るのだモ一つ尊い御方は 三五教で名も高き此船守る伊太彦司 こんな尊い御方と一つの船に乗せられて 鏡のやうな海原を帰つて行く身は有難い 至仁至愛の神様は禽獣虫魚の隔てなく 皆夫れ夫れに生命を一日なりと永かれと 守らせ玉ふぞ有難きまして天地の神様の 大経綸に仕ふべき神の鎮まる生宮を 憐れみ玉はぬ事やあるモシ神様が人間を 仮令猩々の手を借つて悩め玉ひし事あるも ヤツパリ愛の本体が根本的に崩解し 神の資格がゼロとなるこんなみやすい道理をば 悟らせ玉はぬ事あろかかくも仁慈の神様に 朝な夕なに赤心を捧げて仕へ奉ります 三五教の神司中にもわけて美しき 身魂を持たせ玉ひたる伊太彦司は神様の 珍の化身と人が言ふこんな尊い神人に 守られ帰る吾々は大舟に乗つた心地して 先の事をば案じずに結構なお神酒を頂いて 猩々さまの御伴をさして貰ふが宜からうぞ これこれモウシ宣伝使三五教の神様の 深き恵に絆されて貴方の顔を見るにつけ 高天原の霊国の天人のやうに思ひます これを思へばバラモンの教を守る神さまは 月とスツポン雲と泥天地のけじめがあるやうに 何だか思へてなりませぬこれから素張りバラモンの 教を捨てて三五の誠の信徒となりまする スパイの役を勤めたり片商売に海賊を やつて来ました吾々は心の底から悔悟して 貴師のお弟子になりまする何程罪があるとても 天地の神の御心を思ひ出されて吾々を 必ず殺して下さるな最早私は悪神の 影さへとめぬみづ御霊鏡の如き魂と 俄に研き上げました貴師の清き魂で 私の心の奥底を隅から隅迄透視して 疑晴らし三人を何卒御助け下されや 梵天帝釈自在天オツトドツコイこら違うた 天地を造り固めたる天の祖神三五の 大国常立大御神其外百の神達の 御前に畏み願ぎ奉る旭は照る共曇る共 月は盈つ共虧くる共仮令大地は沈む共 一旦改心した上は決して元へは返らない 天地の神も御照覧安心なさつて沢山と 結構なお神酒をあがりませさうして下さる事ならば 吾等三人一時に直接行動ドツコイシヨ 直接間接神様に誠を捧げまつりませう あゝ惟神々々御霊幸はひましませよ』 伊太彦『バラモンの醜の司が村肝の 心いらちて疑ひて三人。 吾心すかして三人バラモンの 醜の司よ心安かれ』 ハール『有難し其御言葉を聞きしより 心も広くゑみ栄えぬる』 ヤッコス『疑の雲霧晴れて和田の原 波に揺られて帰る嬉しさ。 人は皆尊き神の生身魂 悩むる人は鬼か悪魔ぞ。 吾れも又鬼や大蛇とよばれつつ 世人なやめし事を悔ゆなり』 アンチー『こそこそと船の小隅に集まりて 疑三人酒に四人。 伊太彦の神の司よ心せよ うはべを飾る人の心に』 伊太彦『何事も只惟神々々 神の恵に任すのみなり。 和田の原五百重の波を辷りつつ 心もスマの岸を目当に。 帰り行く猩々舟は勇ましく 常世の春を齎し帰るも』 ハール『伊太彦の道の司は神なれや 其言霊に心栄えぬ』 ヤッコス『何事も伊太彦さまの御心の 御船の舵に任すのみなり。 さり乍ら何時荒風の吹きすさみ 船覆へす事のこはさよ』 ハール『疑の心は暗の鬼となる 早く晴らせよ胸の曇を』 (大正一二・四・三旧二・一八於皆生温泉浜屋松村真澄録) (昭和九・一二・一王仁校正) |
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霊界物語 | 60_亥_イヅミの国3/三美歌/祝詞/神諭 | 05 鎮祭 | 第五章鎮祭〔一五三〇〕 真善美を尽したる二棟の宮殿は玉国別以下一同の丹精によつて漸く完成し、東側の宮には大国常立大神を祀り、西の宮には大国彦命を鎮祭する事となつた。 玉国別は斎主として新調の祭服を身に着け、真純彦以下の宣伝使及び主人側のバーチル夫婦並にバラモンのチルテル以下里人一同と共に荘厳なる遷宮式を挙行した。 大国常立尊の御神体としてはバーチルの家に古くより伝はりし直径三尺三寸の瑪瑙の宝玉に神霊をとりかけ、大国彦命の御神体としてはチルテルが大切に保存せる直径三寸許りの水晶の玉に神霊をとりかけ、これを奉斎する事となつた。 さうしてバーチルは東の宮の神主となり、サーベル姫は西の宮の神主となり、朝夕心身を清めて之に奉仕する事となつた。 玉国別の宣伝使は遷宮式の祝詞を歌に代へて歌ふ。 玉国別『朝日輝くアヅモスのテーヷラージャーの森の中 大峡小峡の木を伐りて清き心の里人が 下津岩根に宮柱太しく造り高天原に 千木高知りて三五の皇大神やバラモンの 教司の神等を斎まつらむ今日の日は 天の岩戸の開くなる生日足日の生時ぞ 此世を造り固めたる大国常立大御神 天王星より下ります梵天帝釈自在天 大国彦の大神の深き恵みを蒙りて 漸くここに宮柱建て了りたる目出度さよ 高天原の霊国の姿を移すスメールの 山は世界の救ひ主天地の神も寄り集ひ 世を常久に守らむと寄り来仕ふる目出度さよ 朝日は照るとも曇るとも月は盈つとも虧くるとも 仮令天地は覆るとも元津御祖の大神が 此地に鎮まります限り如何なる枉も来るべき 大三災の風水火小三災の饑病戦 煙の如く霧の如朝の風や夕風の 吹き払ふ如影もなく安全無事の霊場と 弥永久に鎮まりて世人を守り玉へかし 此世を造りし神直日心も広き大直日 只何事も人の世は直日に見直し聞直し 身の過ちは宣り直す善言美詞の神嘉言 朝な夕なに宣り上げて総ての邪気を拭き払ひ 神の御国の歓楽をこの国人は永久に 味はひまつる有難さアヽ惟神々々 此神床に永久に鎮まりまして常暗の 世界を救ひ玉ひつつ神の御稜威はラシューズダ サハスラバリ・ブールナドヷヂャサルワサットワブリヤダルシャナと 現はれ玉ひて永久に鎮まり居ませと願ぎ奉る この里人の誠心ゆ捧げまつりし海河や 山野の種々珍味物八足の机に弥広く 弥高らかに横山の姿の如く置き足らし 真心こめて大神酒や大神饌御水奉る 此二柱大御神青人草の真心を 完全に委曲に聞し召し今日の喜び永久に 続かせ玉へ惟神尊き神の御前に 三五教の神司玉国別が真心を 籠めて一同になり代はり畏み畏み願ぎ奉る アヽ惟神々々御霊幸はひましませよ』 祭典は無事に終了し、各聖地に処狭き迄群集り居て撤饌の供物により直会の宴を開き、神酒を頂き乍ら思ひ思ひに今日の盛事を祝した。其中重なる人の歌を一、二左に述べて置く。 バーチル『アヽ有難し有難し天の岩戸は開きけり 暗の帳は上りけり四辺の空気は何となく いと爽かに風そよぐ木々の梢は淑かに 自然の音楽相奏で梢は舞踏を演じつつ 今日の盛事を祝ふなり野辺に咲きぬる蓮花 香りも高く吹き送る牡丹芍薬ダリヤ迄 艶をば競ひ香を送る天国浄土も目のあたり 眺むる如き心地なり朽ち果てたりし宮殿も 今は目出度く新まり木の香新に鼻をつく 見るもの聞くもの一として尊き神の御恵の 籠らせ玉はぬものはなし父の犯せし罪科の 吾身に巡り来りてゆ日夜に心を痛めつつ 清めの湖に浮び出で百の鱗族漁りつつ 心を慰め居たりしが神の恵みの引合せ 例もあらぬ颶風に遭ひ猩々の島に助けられ 因縁因果の巡り合ひ猩々の姫とゆくりなく 鴛鴦の縁を契りつつ三年を過ぐる暁に 救ひの神の来りまし吾を助けてイヅミなる スマの館に送りまし今又神の神勅 忝なみて伊太彦の神の司に一族を これの神山に迎へられ霊魂の親子は喜びて スメール山の神殿に朝な夕なに仕へ行く 嬉しき身とはなりにけり吾は之より比丘となり 神の柱となる上は父祖の伝へし吾館 その外山野田畑を天地の神に奉還し 里人各持場をば定めて自由に稲や麦 豆粟黍は云ふも更羊や豚の数限り 知られぬ許りの財産を皆里人の有となし この儘地上の天国を弥永久に築きつつ その神恩に浴されよ神に仕へし上からは 物質的の宝をば塵もとどめず放り出し 神の恵に与りて夫婦親子は聖場に 楽しく仕へ奉るべし諾ひ玉へ天津神 国津神等八百万その生宮と現れませる バラモン軍のキャプテンを始め奉りて部下とます 百の軍も里人も公平無私に吾宝 分配なして穏かに此世を送り玉へかし 朝日は照るとも曇るとも月は盈つとも虧くるとも 仮令大地は沈むとも神の司のバーチルが 言葉は永久に変らまじ心安けく平らけく 思召されよと皇神の御前に誓ひて宣りまつる あゝ惟神々々御霊幸はひましませよ』 里人が原野を捜つて集め来りし四種の曼陀羅華を神殿処狭きまで供へまつり、サーベル姫はその花の中心に立つて曼陀羅華を手にし、太鼓、羯鼓、笙、篳篥、翼琴等の微妙の音楽の音に和して歌を歌ひ乍ら舞ひ狂うた。 因に四種の曼陀羅華とは、 一、マーンダーラヷ 二、マハーマンダーラヷ 三、マンヂュシャカ 四、マハーマンヂュシャカ を云ふ。さうして曼陀羅は適意花、成意花、円花、悦音花、雑色花、天妙花とも翻訳され、その色は赤に似て黄色を帯びたり、青に似て紫、紫に似て黒を帯びたり種々雑妙の色がある。マハーマンダーラヷは白華又は大白華となすものがある。マンジュシャカは柔軟草、如意草、赤団華とするものもある。 サーベル姫『天火水地と結びたる青赤白黄紫の 曼陀羅華をば大前に処狭き迄奉り 天地の水火に叶ひたる真善美愛の花束を 里人等が慎みて真心捧げて奉る 皇大神は言霊の天火水地を結びまし 地上の人は曼陀羅華天火水地と結びたる 種々雑妙のこの花を大宮前に立て並べ 至誠を現はし奉る皇大神よ大神よ 吾等を初め里人が清き心を臠し アヅモス山の霊場に大宮柱太しりて 鎮まり居ます珍宮の司と永遠に仕へませ バーチル夫婦が真心をここに現はし願ぎ奉る 吾等夫婦は大神の恵みの露に霑ひて 咲き匂ひたる曼陀羅華一度に開く花蓮 心の空に天界の平和と歓喜の国を建て 神の御為世の為に三五教やバラモンの 一体不二の神教を普く四方に宣べ伝へ 世人を救はせ玉へかし三百三十三体の 此愛らしき猩々は吾身に憑りし猩々姫 神の使の生みませる天地の愛の珍の子と 憐れみ玉ひて永久に身魂を守り平安に この世を渡らせ玉へかし執着心や世染をば 科戸の風に払拭し安の河原に垢離をとり 清浄無垢の魂となり仕へまつらせ玉へかし あゝ惟神々々御霊の恩頼を願ぎまつる』 斯く歌ひ終り一同に拝礼し、数多の猩々に前後を守られて、一先づ元の館へ引返し村人一般に対し財産全部提供の準備をなすべく欣々として嬉しげに立ち帰る。 (大正一二・四・七旧二・二二於皆生温泉浜屋北村隆光録) |
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霊界物語 | 60_亥_イヅミの国3/三美歌/祝詞/神諭 | 09 夜光玉 | 第九章夜光玉〔一五三四〕 エルは怪物に肝玉を取られ、色青冷め、臆病風に誘はれて、そろそろ慄ひ出した。 ワックス『オイ、エルの奴、些と確りせぬかい、睾丸を提げた一人前の男が、蜘蛛の化物位に驚いて、どうして此探険が出来ようか。今迄俺達が所在悪業を尽した罪を償ふ為に今度は抜群の手柄を現はさにやならぬぢやないか、本当に腰抜ぢやなア』 エル『さう叱るものぢやないワ、今迄の俺ならもつと勇気を出すのぢやけれど、ブラ下げる睾丸が無くなつて居るのぢやから、サウ註文通りにゆかないワ。そこは一つ同情して呉れないと困るぢやないか』 ワックス『何だ、その間抜た面は、僅の顔面に、免役地や、未開墾地や、荒蕪地が沢山現はれとると思へば矢張り間に合はぬ代物だつたワイ。モシ伊太彦さま此んな奴、これから奥へ連れて行かうものなら、吾々の迷惑ですから、此処から一層帰してやつたらどうでせうか』 伊太彦『それも好からう。サアエル是から免役だ。トツトと帰つたら好からうぞ』 エル『ハイ有難う。そんなら何卒、入口迄送つて下さいますか』 伊太彦『そいつは些と困つたなア』 ワックス『オイエル確りせぬかい、人は心の持ちやう一つだ。サア一人帰つたがよからう。此金剛杖一本あれば大丈夫だから』 エル『そンなら仕方がない、三人の中間になつて跟いて行く事にしよう』 ワックス『ハヽア、たうと屁古垂れやがつたな。そンなら、伊太彦さま、悪にも強けりや善にも強い此ワックスが先頭に立ちませう、こいつは面白い』 と、四股踏み乍ら、燐光に光る岩窟の隧道を、一歩々々探るやうにして進み入る。向の方から二三個の光つた玉が地上三尺許りの所を浮いたやうに此方に向つて進んで来る。よくよく見ればその青白い玉の中には、嫌らしい顔がハツキリと現はれて居る。エルは腰を屈め、ワックスの背に顔を当て乍ら、足もワナワナ跟いて行く。青白い火団は強大なる音響と共に三個一度にワックスの一二間前の所で爆発した。エルはキヤツと叫んでワックスの肩を掴んだ儘倒れた。止を得ずワックスも其場にドンと倒れて仕舞つた。 伊太彦『オイ、ワックスさま、エルさま、起きた起きた、敵は粉砕の厄に遭つて消え失せて仕舞つた。もう大丈夫だ。神様の御威光に怖れ脆くも滅亡したと見える、アハヽヽヽ』 ワックス『これしきの事に驚くワックスぢやありませぬが、エルの奴人の首筋を掴ンだまま倒れやがつたものだから、可惜勇士も共倒れの厄に遭ひました。オイ、エル確りしやがらぬか』 エル『イヤもう確りする。哥兄お前確りして居て呉れよ。お前と伊太彦さまとさへ強ければ大丈夫だからなア』 ワックス『何と云うても数千年来密閉されてあつた魔の岩窟だから、種々の奇怪千万な珍事が勃発するのは覚悟の前だ。サア行かう、タクシャカ竜王に対し吾々は赦免のお使だから、さう無暗に悪魔が俺達を困める筈がない。エルが怪物に手を噛まれたのも矢張りエルが悪いのだ、弄はぬ蜂は螫さぬからなア。サア一つ機嫌を直して宣伝歌でも歌つて元気をつけようぢやないか。俺が歌ふから後から共節について来い。何だか何処ともなしに気分の好い、事はない魔の岩窟だ。 朝日は照るとも曇るとも月は盈つとも虧くるとも 岩窟の蜘蛛は化けるとも何か怖れむ三五の 神の使と現はれし伊太彦司を始めとし ワックス、エルの三柱だ三千世界の其間 アヅモス山の底津根に封じ込まれた竜王の 罪をば赦し救ひ上げ尊き神の御使と なさむがために来りけり仮令如何なる怪物が 雲霞の如く潜むとも神の力を身に浴びて 進む吾身は金剛不壊如意の宝珠の玉なるぞ 水に溺れず火に焼けず錆ず腐らず曇らずに 幾万年の後迄も天地の宝と光りゆく 来れよ来れ曲津神蜘蛛も蛙も虫族も 神力無双の吾々に手向ふ事は出来よまい 今現はれた三つの玉怪しき面を晒しつつ 吾等が前に進み来て木つ端微塵に粉砕し 煙と消えし哀れさよ吾神力は此通り 岩窟に潜む曲神よ吾言霊を聞きしめて 決して無礼をするでない洒落た事をば致すなら 決して許しはせぬ程にワックスさまの身魂には 鬼も大蛇も狼もライオン迄も棲んで居る さうかと思へば天地を完全に委曲に固めなし 造りたまひし大御祖尊き神が神集ひ 無限の神力輝かし控へて厶るぞ気をつけよ あゝ惟神々々息が塞がりそになつた 伊太彦司よ今此処で一寸休息仕り 天津祝詞や神言を奏上なして岩窟の 妖気を払ひ参りませうあゝ惟神々々 叶はぬ時の神頼み誠に済まぬと知り乍ら 斯うなりやもはや仕様がない此処で一服仕る』 伊太彦一行は又もや隧道をドンドンドンと下り行く。其処には雷の如き音が聞えて居る。ハテ不思議と、一町許り又平坦な隧道を下つて行くと、相当に広い河があつて岩から出て岩に吸収さるる如く氷の如き冷たい水が流れて居る。三人は流れを渡つて向うへ着いた。此処には大小無数の色々の形をした岩が、キラキラ光つて立つて居る。さうして何処ともなしに岩の隙間から明がさして居るのは一つの不思議である。ハテ不思議と三人は四辺を見廻せば、鐘乳石の一丈も有らうといふ立柱の上に、夜光の玉が輝いて居るのが目についた。伊太彦は此処にて天津祝詞を奏上し、神慮を伺つて見た。神示に依れば此玉は夜光の玉であつて、タクシャカ竜王が宝物である。されど此玉を彼に持たせ置く時は、再び天地の間に跋扈跳梁して風水火の天災を誘起するをもつて月照彦の神がこれを取り上げ、此処に安置しおき、岩窟の底深く竜王を封じ置かれたとの事であつた。さうして此玉は伊太彦が自ら持ち帰り玉国別に渡せとの神示である。伊太彦は大に喜び、種々と工夫を凝らして其玉を手に入れ恭しく懐に納め、又もや天の数歌を歌ひながら、地底の岩窟をさして際限もなく進み行く。懐に蔵せし玉の光によつて地底の岩窟も明くなり、崎嶇たる、或は細く、或は狭き岩穴を潜つて最低の岩窟についた。此処には岩蓋が施して、タクシャカ竜王、即ち九頭竜が堅く封じ込めてあつた。 伊太彦は佇立して神示を宣り伝へたり。 『神代の昔高天にて天地の主と現れませる 大国常立大神は宇宙万有造りなし 神の形の生宮を最後に造りなさむとて 天足の彦や胞場姫の珍の御子をば生みたまふ かかる所へ天界の海王星より現はれし 汝タクシャカ竜王は神の御国を汚さむと 胞場の身魂に憑依して神の教に背かしめ 蒼生草を悉く罪の奴隷と汚したる 悪逆無道を矯めむとて皇大神の勅もて 月照彦の大神は汝を此処に封じまし 世の禍を除かれぬさはさりながらタクシャカの 霊の邪気が世に残り八岐大蛇や醜狐 曲鬼数多現はれて神の造りし御国をば 汚し曇らす果敢なさよ此世の曲を清めむと 厳の御霊の大御神瑞の御霊の大神は 千座の置戸を負ひたまひ汝が犯せし罪科を 宥して地上に救ひ上げ尊き神の御使と なさせたまはむ思召汝タクシャカ竜王よ 吾が宣り伝ふ言の葉を心の底より悔悟して 喜び仰ぎ聞くならば今こそ汝を救ふべし 善悪邪正の分れ際完全に委曲に復命 申させたまへ惟神神の御言を蒙りて 茲に誠を述べ伝ふ一二三四五つ六つ 七八九つ十百千万の神はアヅモスの 此聖場に集まりて三千世界を水晶の 世に立直し天地の一切衆生を救ひます 畏き御世となりけるぞあゝ惟神々々 此処に伊太彦現はれて汝が清き返答まつ』 と宣り終れば、タクシャカ竜王は、見るも怖ろしき九頭一体の巨躯を現はし、各二枚の舌を吐き出し乍ら、口許から、青、赤、紫、白、黄、橄欖色などの煙を盛んに吐き出し、忽ち白髪赤面の老人となり、赤色の衣を全身に纒ひ、岩窟の戸をパツと開いて伊太彦の前に進み恭しく目礼しながら、歌をもつてこれに答へた。 タクシャカ『三千年の古より月照彦の大神に 押し込められし吾こそはタクシャカ竜王魔の頭 暴風起こし火を放ち豪雨を降らして天地を 自由自在に乱したる吾は悪魔の霊ぞや 罪障深き吾こそは八千万劫の末迄も 常暗なせる岩窟に捨てられ苦しむものなりと 覚悟を極め居たりしが茲に一陽来復し 仁慈の神の御恵に再び吾を世に出し 救はむ為の御使謹み感謝し奉る いざ此上は一日も早く地上に救はれて 天地の陽気を調節し蒼生草や鳥獣 草木の末に至る迄神のまにまに守るべし 救はせたまへ神司今迄犯せし罪を悔い 茲に至誠を吐露して改心誓ひ奉る あゝ惟神々々御霊の恩頼を給へかし』 と言葉も爽かに答へた。伊太彦は、 伊太彦『タクシャカの神は心を改めて 服ふと云ひし言の葉尊き。 いざさらば早く此場を出でまして 登らせたまへ地の表に』 タクシャカ『有難し花咲く春に廻り会ひ 君に遇ひたる今日の嬉しさ。 今迄の悪しき行改めて 誠一つに神に仕へむ』 伊太彦『此頃の知辺なしとも地の上に 因縁ありせば安くかへらせ』 斯く互に歌を交換し、タクシャカ竜王を従へ、ワックス、エルの両人に先頭をさせ乍ら、隧道を、或は登り、或は下り、左右に屈曲し乍ら漸くにして、元の入口に登りついた。 (大正一二・四・七旧二・二二於皆生温泉浜屋加藤明子録) |
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霊界物語 | 60_亥_イヅミの国3/三美歌/祝詞/神諭 | 10 玉国 | 第一〇章玉国〔一五三五〕 伊太彦司に導かれ三千年の幽閉を ヤツと免れて千仭の地底の闇より登り来る タクシャカ竜王は人体と変化の術を使ひつつ 満面笑を相湛へアヅモス山の霊場の 神の祭りし其前に岩戸の階段登りつつ 天にも昇る心地して現はれ出でし尊さよ 玉国別の一行は伊太彦司の功績を 口を極めて讃め乍らタクシャカ竜王に打向ひ 言葉優く宣らす様。 玉国別『国常立の大御神豊国姫の大神の 開かせ玉ふ三五の教の道の宣伝使 玉国別の神司神の御言を蒙りて ハルナの都に出でてゆく其途すがら皇神の 仕組の糸に操られ心も身をもスマの里 アヅモス山に来て見れば三千年の其昔 月照彦の大神が此世を安く治めむと 秘めおかれたる汝が霊救ひ助けむ時は来ぬ 吾れも汝が勇ましく深き罪をば赦されて ここに姿を現はせる其光景を打ながめ 歓喜の涙にたへかねつ思はず知らず袖絞る あゝ惟神々々タクシャカ竜王聞し召せ 此世の泥をすすがむと現はれ玉ひし埴安の 彦命や埴安姫は厳と瑞との神柱 経と緯との経綸を始め玉ひし上からは 水も洩らさぬ神の国汝も今より御心を 清く正しく持ち玉へ元つ御祖の大神の 大神業に仕へませ三千年の其間 地底に潜み玉ひたる苦心を察し奉る』 タクシャカ竜王は久し振にて地上の光明に浴し、又珍らしき人の顔や四辺の樹木の青々として茂り栄ゆる光景を眺め歓喜に堪へず、歌を以て玉国別に答へたり。 『吾れは八大竜王の司と聞えしタクシャカの 九頭両舌の悪神ぞ一度眼を光らせば 万木万草皆萎み一度声を発すれば 山野河海も動揺しさすが貴き大神も いとど悩ませ玉ひつつ神力無双のエンゼルと 現はれ玉ひし月照彦の神の命が天降り 有無を言はせず言霊の伊吹に吾を霊縛し アヅモス山の地の底に今迄封じ玉ひけり かくなる上は吾とてもいかでか悪を好まむや 仁慈無限の大神の大御心を心とし 蒼生や草や木の片葉の露に至る迄 心を尽し身を尽しいと懇に守るべし 吾の宝と秘めおきし夜光の玉は伊太彦が 懐深く納めまし今や此場に現れましぬ タクシャカ竜王が改心の至誠を顕す其為に 風水火災を自由にせし此宝玉を献る 何卒受けさせ玉へかし旭は照るとも曇るとも 月は盈つとも虧くるとも仮令大地は破るとも 一旦神に誓ひたる吾言霊は動かまじ 諾ひ玉へ惟神玉国別の御前に 謹み敬ひ願ぎまつる』 玉国別『世を紊す八岐大蛇の祖神と 聞きたる竜神は汝なりしか。 面白し心の底より改めて 玉を還せし汝は神なり。 つゆ雫偽り持たぬ言の葉に 吾も嬉しく玉を受けなむ。 伊太彦の教司は大神の 神業に清く仕へ了へぬる』 伊太彦『吾身魂弱く甲斐なく力なく 神のまにまに勤め了せし』 ワックス『伊太彦の司の後に従ひて さも怖ろしき夢を見し哉。 さり乍ら今の喜び見るにつけ 思はず知らず心勇みぬ』 エル『思はざる醜の魔神にさへられて 肝潰したる事の愚さ。 さり乍ら伊太彦司と諸共に 無事に帰りし事ぞ嬉しき』 真純彦『伊太彦は心おちゐぬ人とのみ 思ひし事の恥しき哉』 三千彦『鉋屑も間に合ふ時のあるものと 聞きし言葉の思ひ出されぬ。 言霊の濁る男とさげすむな 吾も幾度揶揄れたる身よ』 伊太彦『惟神とは言ひ乍ら妹を連れ 進み行く身を羨ましく思へば』 デビス姫『伊太彦の教司の功績は 岩戸開きの業に優れる』 バーチル『昔より魔の隠れしと伝へたる 此神山の岩戸開きぬ』 サーベル姫『斯く迄も霊の清き神ますと 吾は夢にも思はざりけり。 猩々の姫の命に教へられ 汝を迎へし今日の嬉しさ』 タクシャカ『今よりは猩々翁と名をかへて これの神山に永く仕へむ』 玉国別『千代八千代万代までも此宮に いと安らけく仕へ玉はれ』 チルテル『訝かしや猩々の彦や猩々姫 猩々翁の現はれむとは。 九頭竜の醜の魔神と聞きぬれど 汝の姿は神にましけり』 斯く歌ふ所へ、大地俄に震動して、キヨメの湖の波立狂ひ、湖はパツと二つに開いて、中より、さも怖ろしきサーガラ竜王、七八才の乙女を背に乗せ乍ら、スマの浜辺に浮み出で、忽ち老媼の姿となり、愛らしき幼児を抱へ、霧に包まれ乍ら、中空を翔つて、タクシャカ竜王が前に現はれ来り、 サーガラ『三千年の悩み忍びて目出度くも 吾背の君は世に出でにけり。 此御子は吾身魂より生れ出でし 如意の宝珠の化身なりけり』 タクシャカ『恋慕ふ汝が命に廻り会ひ 嬉しさ胸に三千年の今日。 玉国の神の司や諸人に 救はれ神の許しうけけり』 サーガラ『汝が命世に出でませば吾も亦 人の姿となりて仕へむ。 玉国の別の司よ諸人よ 憐れみ玉へこれの夫婦を』 玉国別『昔より縁の深き夫婦づれ いや永久に世を守りませ』 サーガラ竜王は、脇に抱へし七八才許りの乙女を地に下し、夫婦が互ひに水火を吹きかけた。忽ち乙女は如意宝珠の玉と変じた。サーガラ竜王は押戴き、 サーガラ『此玉は朝な夕なに抱きてし 如意の宝珠よ君に捧げむ』 玉国別『玉国別神の命と名を負ひし 吾は二つの玉を得にけり。 此宝二つ揃うて手に入らば いかで恐れむ大黒主を』 真純彦『師の君の御名は今こそ知られけり 玉守別と宣り直しませ』 三千彦『玉守別ならで玉取別神と 宣り直しませ吾師の君よ』 玉国別『国魂を右と左に受けし身は 玉国別と名乗るこそよき』 伊太彦『肝腎の玉は吾師の物となり 指かみ切つて伊太彦の吾』 デビス姫『汝はなぜ玉取別と名乗らざる 伊太彦司の名こそ悪しけれ』 伊太彦『今となり名を宣直す術もなし 神の依さしの称へなりせば』 真純彦『因縁の霊々の御用をば させると神の教なりけり。 言霊の真純の彦の名を負ふも 魂の濁らばいかにとやせむ。 吾も亦心の魂を研き上げ 吾師の君にあやかりて見む』 これよりタクシャカ竜王は、人体に変化し、猩々翁となり、サーガラ竜王は猩々媼となり、珍しき果物の酒を作り、朝夕神前に献じて、神慮を慰め、自分の罪を謝する事となつた。バーチル夫婦は二つの宮の宮司として、永久に仕へ、子孫繁栄し、神の柱と世に敬はれた。又バラモンのチルテル夫婦はバーチルの館の一隅に居を構へ、スマの里の里庄となり厚く神に仕へて、村民を愛撫し、部下はカンナ、ヘールを家僕とし、其他は何れも里人の列に加へ、美はしく新しき村を造つて、余生を楽しく送り、其霊は天国に至つて、天人の列に加はり、アヅモス山の聖地を守る事となつた。 (大正一二・四・七旧二・二二於皆生温泉浜屋松村真澄録) |
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霊界物語 | 60_亥_イヅミの国3/三美歌/祝詞/神諭 | 13 三美歌(その二) | 第一三章三美歌その二〔一五三八〕 第二八(二三五) 一 やみぢにまよひし世の人よ神の めぐみのしたたるみをしへをきけや (折返) 涙の雨はたちまち晴れて つきせぬうれしみ日の出とかがやかむ。 二 浮世のます人苦しめる友よ 心を清めて瑞霊にまつろへ。 三 苦しみもだへてなげく罪人よ すくひの御舟を指をり待てかし。 四 大本御神になやみをはらはれ いさみてあそばむ吉き日はまぢかし。 第二九(二四二) 一 神の御国へのぼりゆくと 知れど親しきあとにのこし 肉のやかたを別るるとき なごり惜まぬ人やはある (折返) アヽみづみたま 御神にまさる御力なし。 二 とはの生命はみとむれども 逝きますあとに生けるものに なごりのうれひたえがたきを いかでなげかぬひとやはある。 三 うき世の富をねがはずとも うからやからはうゑにふるひ わが身なやみていえぬときは たれかくるしみかなしまざる。 四 まが神たけりまことよわく つみに曇れる世にし住めど 祝詞に由りて神力を得 かよわき魂もつひにかちなむ。 第三〇(二四三) 一 をしへのわが友ミロクの神は 千座のおき戸につみゆるします こころのなやみを皆うちあけて などかはおろさぬつみの重荷を。 二 をしへのわが友ミロクの神は われらのなやみをしりて憐れむ 諸のかなしみにしづめる時も 真言にこたへてすくはせ玉はむ。 三 をしへのわが友ミロクの神は ふかきいつくしみ千代にかはらず 世人のわが身を離るる時も 真言にこたへて恵ませたまはむ。 第三一(二四八) 一 わが身体わが霊魂わが生命の守神 朝なほめ夕べたたへ猶たらじとおもふ。 二 したひまつる瑞御魂いづれの御国に その御姿をあらはし守らせたまふぞ。 三 狼のさけぶ山路ふるひつつ辿り 行きなやみたる吾身をあだはあざみわらふ。 四 木の花姫のらせかし白梅のかをり 野に咲くか山に咲くかあい悟らまほし。 五 瑞御魂うるはしさに神人よろこび 言霊の御ちからこそ天地動げ。 六 いと優しき瑞御魂言の葉うれしき 清き生命のいづみはきみにこそあれや。 第三二(二四九) 一 あまつ御国のぼりなむみちしるべは 千座を負ふともなど かなしむべき救主のみ許にちかづかむ。 二 かをれる間に花ちり草のまくら しとねの夢にもなほ 神をあがめ救主のみもとにちかづかむ。 三 あまつつかひはみそらにわたす橋の うへより迎へたまふ たまをきよめ救主のみもとにちかづかむ。 四 目さめし吾み神のあとを追ひて み幸をいよよ切に 願ひつつぞ救主のみもとにちかづかむ。 五 あまつくににのぼりてさかえ行く日 みたまのきよきいのち ながくてりて救主の御顔をあふぎみむ。 第三三(二六四) 一 瑞の御魂よわが身を うづの宮となしたまへ けがれしこの身の魂を 月日なす照らしませよ (折返) わが御霊あらひて 雪よりも潔くせよな。 二 厳の神力によりて 醜の曲霊をおひそけ きよき御霊にたてかへ みまへに仕へしめてよ。 三 神よ千座のもとに ふしていのるわがみたま 抜かれたまひし血しほに 暗き身を照らしたまへ。 四 月の神のいさをしに 照らさるるこそうれしき 霊魂をあらたにきよめ あまつつかひとなしたまへ。 第三四(二七三) 一 聖き十曜の御旗こそ 御祖の神のさだめてし 現世神世の宝なり 御はた汚さずよくまもれ (折返) 守れよまもれよく守れ 十曜の御旗押し立てよ。 二 十曜の御旗をあさ風に ひるがへしつつすすみ行け 神は汝と倶にあり 神のまにまに身をささげ。 三 神の神軍むらきもの こころを清め身をきよめ 御教のままにすすみゆけ 厳の御霊の御楯とし。 四 大地は泥に沈むとも 月落ち星は降るとも まこと一つの麻柱の 神の言葉は動かまじ。 五 来たれやきたれ神の子よ いづのみたまやみづみたま あらはれませる神園に 神は汝等を待たせたまふ。 第三五(二七四) 一 神のいくさのきみのみむねを をしへつかさよよくまもれ ことたまきよめ霊あきらかに はやうちむかへまが神に。 二 仇よ矢玉をはなたばはなて われには厳の言葉あり あだよてだてをつくさばつくせ われにも神のたすけあり。 三 神のまにまにちからはまして まがのいくさはどよめきぬ いさめよいさめ救ひの瑞霊と かちどきあぐる時はきぬ。 第三六(二七五) 一 立てよふるへよ神のいくさ みずや御旗の十曜の紋を まがのみいくさ失せゆくまで 救主はさきだち進みたまはむ。 二 きけよふえの音救主の吹かす 声はいくさのかどでのしらせ 神にしたがふ身にしあれば よろづのあだもいかでおそれむ。 三 瑞の御魂のちからにより 厳のよろひをかたくまとひ 直霊のつるぎぬきかざして 神のまにまにいさみすすめ。 四 瑞のみいくさやがてをはり 厳のかちうたきよくうたひ つきひかざしのかむりをうけ みづの御神とともにいさまむ。 第三七(二八〇) 一 あらへよ霊魂こころかぎり ちからつくまでにいそぎすすげ みたまのひかりはくもにふれず あめつち四方八方照るたのしさ。 二 をしへのつかさはくものごとく むらがりかこみて殿に居れり わきめもふらずに神のさとし きよむるまごころうべなひたまふ。 三 みろくの御神のきよきこころ まなばせたまへと両手あはせ この世の御はしらつかへなむと 天授の霊魂を研きすます。 四 あまつ御使のみづの御霊 御言のまにまにすすむこの身 いかなるあくまのさはりあるも 神のみちからにうちも払はむ。 第三八(二八八) 一 いづの神ののらすみのり かしこみまつり世におそれず ひとにたよらでみちをまもり つよきをなだめてよわきをたすくる 人こそ実にうづのみこぞ。 二 かみのよさす御使誰ぞ あしきこころを夢いだかず いづのみのりをかしこみつつ あしたに夕べにたゆまずつかふる 人こそ実にうづの使。 三 みちをまもるまめひと誰ぞ 世にさきがけて御世をなげき 世人のさちをともにいはひ あめにもつちにも愧るを知らざる 身霊ぞ実に信徒なれ。 第三九(三〇三) 一 いかなるなげきも科戸の風に いきふき払ひて身もすこやかに 神のみをしへをたよりとなして うつしきこの世をうたひくらさむ。 二 浮世の苦しみいかがありなむ まことのよろこび瑞霊にこそあれや あく魔にあふとも救主ましまして 守らせたまへばいさまざらめや。 三 御神をあふげばこころのなやみ 日に夜にはらはれ雲霧はれぬ かきはに輝く瑞霊のひかり ながめしわれ等は勇まざらめや。 第四〇(三〇五) 一 罪に汚れしわがみなれども 瑞のみたまは千座を負ひて われ等をきよめ救ひ玉へり。 二 きよき御国の御民となして 神につかへて羊のごとく ただみち守り住まはせたまへ。 三 奇びにたふとき大御めぐみや いづのみひかりあふぎしわれは この世に怖づるもの無かりけり。 四 伊都の御神のみこころ知らで そむきまつりしまがこそは実に かみの御国の仇なりしかも。 第四一(三〇九) 一 あく魔はすさびて暗夜はふかし わが身はいかにとをののきわづらふ (折返) わが救主よこよひもこのみをまもり さみしき一と夜めぐまひ玉へ。 二 ちかく交こりし友みなゆきて つれなき憂世にふりのこされぬ。 三 わがみの霊衣はうすくなりけり 夜なき神国もちかづきしならむ。 四 をしへのまにまに逝かしめたまへ 生世のあしたによみがへるまで。 第四二(三一二) 一 霊魂のふるさとあふぎ見れば 歎きにかすめる目も晴れけり。 二 小暗きこの世の曲をきため とび来る矢玉もおそれずたたむ。 三 やだまは霰と降らばふれよ まがつは嵐と吹かばふけよ。 四 永久の住処なるもとつ家に かへりゆく身はいと安からむ。 五 さしもに長閑な神の国に やつれし霊魂をながく休めむ。 第四三(三一七) 一 月雪よ花よと愛でにし わがこののこしたる衣のそで ながめてなげく折御かみは やすくわが身霊をなぐさめたまふ (折返) めぐしき吾子よ神の辺に のぼりゆき祈りをともにせよや。 二 わかれゆくわが子をおくりぬ なみだの雨晴れて雲はちれり 花さき匂ひ充つるたびぢを いさみすすみ行けや月すむ夜半。 三 神にひとしかりしわが子よ 今ちちは年老い母はやみぬ 然れど汝が魂いさみて わが世を守りつつ神国へゆけ。 第四四(三二一) 一 山伐り払へばあたひは降り 川水かわけば舟もかよはず せむすべ無き身を誰にかたよらむ 瑞の御魂なす神の愛のみ。 二 いのちの清水はかきはに湧けり つれなきあらかぜ誘ひくるとも いかでか恐れむ神のますみくに めぐみの露にぞうるほひまつる。 三 伊都能売の神のふかき心は いかでか知り得む人の身をもて ふたつの御霊の月日のわざを つつしみうやまへたかきみいさを。 第四五(三二二) 一 救主のしもべのむつびあひて 神たちあがむるうるはしさよ。 二 御魂あひてことたまあひ みくにのおんため一つに祈る。 三 神につかふ貴の友は はなるること無しとこしなへに。 第四六(三二五) 一 ひとやの中にもよろこびあり 世人にかはりて血をながせる 瑞の神ばしら偲び見れば なげきはみづから消えてぞゆく。 二 わがみ憂きときにまなこさまし 瑞の御魂なる救主を見れば 千座の置戸を負はせぬれど ひるみたまはぬにこころいさむ。 三 苦しめる時にも楽しみあり きよきをしへにも曲しのべる 火をうごかす水またも水は 火のためにうごく奇しき世になむ。 第四七(三四二) 一 うつりかはるよにしあれど うごかぬはみくに あふぎうたはむ友よ来たれ とこしなへのうたを とこしなへのうたを あふぎうたはむ友よ来たれ とこしなへの御うた。 二 おきておもひふして夢み あまつ神のもとに 花咲きにほふすがた見ゆ かすみは日に月に かげもなく消えて 花のかをるすがたきよく かすみは日に晴れて。 三 あくに勝てるいくさびとの 言霊の風流 火口そろへ進みつつも 月かげを力とし よせきたる浪わけて たかまのはら昇りてゆく うづみのりみこあゆむ。 四 八雲小琴掻き鳴らして いづのうたうたひ いづの御霊みづ御魂 こころなぐさまひつつ きよきしらべささぐ 神ののりのまめひとらが いづの御前にふして。 第四八(三五六) 一 黄金白銀山なすとても いかで求めむさびゆく宝ぞ 霊魂の行衛天津御国 栄へ久しきうづの住居 かみわがたまあまつくにの いのちのそのにみちびきませ。 二 山とつみてしわが身のつみ はらひきよませ霊幸はひて よろこび充てる神の座へ あめ地ももの神のつかひ よさしのままわがみたまを めぐませたまへすくひの救主。 三 八雲の琴の珍の音色 ひびき渡れり神の庭に 草木も露の玉をかざし 神の御さかえ祝ひまつる 木の葉青く花はあかく 竜の宮居のうるはしさよ。 第四九(三九二) 一 国常立の神 わがたまを守り 御霊の糧もて いのちを永久に給べ (折返) みろくの御代の開くる日まで いづのまもりひろけくあれませよ。 二 やみ路を行く時も 魔神たける夜半も ゆくてを照らして とはにみちびきませ。 三 ゆくてを包みたる しこの雲霧も 科戸辺の風に 伊吹はらひすすむ。 四 みろくの神代まで わがたまを守り み翼のしたに かかへ守らせ瑞霊。 第五〇(四〇九) 一 暗の野路をひとりゆけど 神にまかせたる魂はやすし。 二 あらきはやて滝なすあめ いかでおそれむや神のをしへ子。 三 あきの水と魂はきよく 月日はかがやきむねはさえぬ。 四 浪はあらく風は激し この舟みなとにいつかつくらむ。 五 いづのみたまみづの御魂 われらを守りてあかしたまへ。 六 山はくづれかははさけて なやめるときこそ神はすくはむ。 第五一(四一八) 一 瑞の御魂は月にしあれば 暗夜も清くあかしたまへり (折返) いづみたまみづみたま いづのめのみたまきよし。 二 世人のためにてあしの爪を ぬかせたまひて千座につけり。 三 うづの御園をひらきてわれを またせたまへり月日の御神。 四 瑞のみたまよましみづたれて くらきこころをあらはせたまへ。 第五二(四二三) 一 伊都能売の神の天降ります日 すくはる信徒瑞の霊 (折返) 月日のごとくかがやきます まことの神の盾とならむ。 二 きたなきけがれにそまぬ魂を み神のたからにくはへられ。 三 みくににすすみて神をあがめ まがつに染まざる瑞の霊。 第五三(四二七) 一 山の尾の上野辺のはたけ 高田窪田狭田長田 いそしみまくいきのたねの 八束穂なす秋来たらむ (折返) 獲り入るる秋ちかし いさみてまてやつかのほ とりいるる秋ちかし いさみて待てやつかのほ。 二 みそらかすむのどけき日も 寒かぜ吹く冬の夜も いそしみ蒔くいきのたねの やつかほなす秋来たらむ。 三 うきを忍び身をつくして きよき教のたねを蒔け たわに実のるその足り穂を 神はめでてうけたまはむ。 第五四(四二八) 一 笹のつゆもすゑつひに 川とながれ海となる。 二 いとちひさきちりさへも つもればまた山となる。 三 あだに暮す息のまも たふとき身のいのちなり。 四 ありのあなもいつとなく つつみをさく種ぞかし。 五 あはのちさき一粒も 倉を充たすたまとなる。 第五五(四五一) 一 聞けやいづの御声見よや御姿 直霊にかへりみて勇みすすめよ 大御神言をばかしこみまつらひて 言霊のつるぎをかざしすすみゆけ (折返) 大国常立の尊の御声に まなこをよくさまし神の御楯となりて。 二 曲津霊にかこまれ鬼におそはれ 逃げまどふ友ありあはやあやふきを すくはでおくべきや言霊つるぎもて みなことむけやはしみちに生かすべし。 三 曲軍にげちる言たまきよし きよまれるつはもの勇みふるひぬ すめ神の御座にかちどきをあげよ。 第五六(四五六) 一 かなたの岸にみ船つけて きよきたふときみ許に行かむ 生日まちつつみ魂をきよめ うからやからやともらにあはむ (折返) やがてあはなむ (やがてたのしく会はなむ) うからやからと したしき友に。 二 めぐみの露のしげき国に 昇りてまたもえにし結ばむ かくれし月日星もかがやき 消えし望みも又生きかへる。 三 親子妹背のめぐり会ひに 手に手をとりて笑顔つくる 雲霧かすみあとなく消えて きよき姿をながめたのしむ。 第五七(四六二) 父神母神おほみまへに いやとこしなへにみさかえあれ。 (大正一二・五・一五加藤明子録) |
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霊界物語 | 60_亥_イヅミの国3/三美歌/祝詞/神諭 | 16 祈言 | 第一六章祈言〔一五四一〕 感謝祈願詞 感謝 至大天球の主宰に在坐て。一霊四魂、八力、三元、世、出、燃、地成、弥、凝、足、諸、血、夜出の大元霊、天之御中主大神、霊系祖神高皇産霊大神。体系祖神神皇産霊大神の大稜威を以て、無限絶対無始無終に天地万有を創造賜ひ。神人をして斯る至真至美至善之神国に安住せ玉はむが為に、太陽太陰大地を造り、各自々々至粋至醇之魂力体を賦与玉ひ。亦八百万天使を生成給ひて万物を愛護給ふ、其広大無辺大恩恵を尊み敬ひ恐み恐みも白す。 掛巻も畏き大地上の国を知召します、言霊の天照国は。千代万代に動く事無く変る事無く。修理固成給ひし、皇大神の敷坐す島の八十島は。天の壁立極み国の退立限り。青雲の棚引極み、白雲の堕居向伏限り、伊照透らす大稜威は、日の大御守と嬉しみ尊み。常夜照る天伝ふ月夜見神の神光は、夜の守と青人草を恵み撫で愛しみ賜ひ。殊更に厳の御魂天勝国勝国之大祖国常立尊は、天地初発之時より独神成坐而隠身賜ひ。玉留魂の霊徳を以て、海月如す漂へる国土を修理固成て、大地球の水陸を分劃ち賜ひ。豊雲野尊は足魂の霊徳を以て植物を生出、葦芽彦遅尊は生魂の霊徳を以て動物を愛育て。大戸地、大戸辺、宇比地根、須比地根、生杙、角杙[※「生杙」「角杙」の「くひ」の字は、戦前の初版(p286)・校定版(p247)・愛世版(p232)いずれも「枠」。古事記では「杙」である。「枠」は「くい」ではなく「わく」であり、誤字だろうから、霊界物語ネットでは「杙」を使う。]、面足、惶根の全力を以て。万有一切に賦り与へ、天地の万霊をして、惟神の大道に依らしめ賜ひ。神伊邪那岐尊、神伊邪那美尊は。天津神の神勅を畏み、天の瓊矛を採持ち。豊葦原の千五百秋の水火国を。浦安国と、𪫧怜に完全具足に修理固成し賜ひて。遠近の国の悉々、国魂の神を生み、産土の神を任け賜ひて。青人草を親しく守り賜ふ。其大御恵を仰ぎ敬ひ喜び奉らくと白す。 現身の世の習慣として。枉津神の曲事に相交こり、日に夜に罪悪汚濁に沈みて。現界の制律に罪せられ。幽界にては神の政庁の御神制の随々、根の国底の国に堕行むとする蒼生の霊魂を憐み賜ひて。伊都の霊、美都の霊の大神は。綾に尊き豊葦原の瑞穂の国の真秀良場畳並る、青垣山籠れる下津岩根の高天原に、現世幽界の統治神として現れ給ひ。教親の命の手に依り口に依りて、惟神の大本を講き明し。天の下四方の国を平けく安けく、豊けく治め給はむとして。日毎夜毎に漏る事無く遺る事無く。最懇切に百姓万民を教へ諭し賜ふ。神直日、大直日の深き広き限り無き大御恵を。嬉しみ忝なみ、恐み恐みも称辞竟へ奉らくと白す。 祈願 天地初発之時より。隠身賜ひし国の太祖大国常立大神の御前に白さく。天の下四方の国に生出し青人草等の身魂に。天津神より授け給へる直霊魂をして。益々光華明彩至善至直伊都能売魂と成さしめ賜へ。邂逅に過ちて枉津神の為に汚し破らるる事なく。四魂五情の全き活動に由て、大御神の天業を仕へ奉るべく。忍耐勉強もつて尊き品位を保ち、玉の緒の生命長く。家門高く富栄えて、甘し天地の花と成り光と成り。大神の神子たる身の本能を発き揚しめ賜へ。仰ぎ願はくは大御神の大御心に叶ひ奉りて、身にも心にも罪悪汚穢過失在らしめず。天授之至霊を守らせ給へ、凡百の事業を為すにも。大御神の恩頼を幸へ給ひて、善事正行には荒魂の勇みを振起し、倍々向進発展完成の域に立到らしめ給へ。朝な夕な神祇を敬ひ。誠の道に違ふ事無く、天地の御魂たる義理責任を全うし。普く世の人と親しみ交こり、人欲の為に争ふ事を恥らひ。和魂の親みに由て人々を悪まず、改言改過悪言暴語無く、善言美詞の神嘉言を以て、神人を和め。天地に代るの勲功を堅磐に常磐に建て。幸魂の愛深く。天地の間に生とし生ける万物を損ひ破る事無く。生成化育の大道を畏み、奇魂の智に由て。異端邪説の真理に狂へる事を覚悟可く。直日の御霊に由て正邪理非直曲を省み。以て真誠の信仰を励み、言霊の助に依りて大神の御心を直覚り。鎮魂帰神の神術に由て村肝の心を練り鍛へしめ賜ひて。身に触る八十の汚穢も心に思ふ千々の迷も。祓ひに祓ひ、退ひに退ひ、須弥仙の神山の静けきが如く。五十鈴川の流の清きが如く。動く事無く変る事無く。息長く偉大く在らしめ賜ひ。世の長人、世の遠人と健全しく。親子夫婦同胞朋友相睦びつつ。天の下公共の為、美はしき人の鏡として。太じき功績を顕はし、天地の神子と生れ出たる其本分を尽さしめ賜へ。総の感謝と祈願は千座の置戸を負て、玉垣の内津御国の秀津間の国の海中の沓嶋神嶋の無人島に神退ひに退はれ。天津罪、国津罪、許々多久の罪科を祓ひ給ひし、現世幽界の守神なる、国の御太祖国常立大神、豊雲野大神。亦た伊都の御魂美都の御魂の御名に幸へ給ひて聞食し、相宇豆那比給ひ。夜の守日の守に守幸へ給へと。鹿児自物膝折伏せ宇自物頸根突抜て。恐み恐みも祈願奉らくと白す。 祖先拝詞 遠都御祖の御霊、代々の祖等、家族親族の霊。総て此祭屋に鎮祭る、御魂等の御前を慎み敬ひ。家にも身にも枉事有らせず、夜の守り日の守りに守幸へ宇豆那比玉ひ。弥孫の次々弥益々に令栄賜ひて。息内長く御祭善く仕奉らしめ給へと。畏み畏みも拝み奉る。 |
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霊界物語 | 60_亥_イヅミの国3/三美歌/祝詞/神諭 | 20 三五神諭(その一) | 第二〇章三五神諭その一〔一五四五〕 明治二十五年旧正月…日 三ぜん世界一度に開く梅の花、艮の金神の世に成りたぞよ。梅で開いて松で治める、神国の世になりたぞよ。この世は神が構はな行けぬ世であるぞよ。今日は獣類の世、強いもの勝ちの、悪魔ばかりの世であるぞよ。世界は獣の世になりて居るぞよ。邪神にばかされて、尻の毛まで抜かれて居りても、未だ眼が覚めん暗がりの世になりて居るぞよ。是では、世は立ちては行かんから、神が表に現はれて、三千世界の天之岩戸開きを致すぞよ。用意を成されよ。この世は全然、新つに致して了ふぞよ。三千世界の大洗濯、大掃除を致して、天下泰平に世を治めて、万古末代続く神国の世に致すぞよ。神の申した事は、一分一厘違はんぞよ。毛筋の横巾ほども間違ひは無いぞよ。これが違ふたら、神は此の世に居らんぞよ。 何れの教会も先走り、とどめに艮の金神が現はれて、天の岩戸を開くぞよ。岩戸開きのあるといふ事は、何の神柱にも判りて居れど、何うしたら開明になるといふ事は、判りて居らんぞよ。九分九厘までは知らしてあるが、モウ一厘の肝心の事は、判りて居らんぞよ。三千世界の事は、何一つ判らん事の無い神であるから、淋しく成りたら、綾部の大本へ出て参りて、お話を聞かして頂けば、何も彼も世界一目に見える神徳を授けるぞよ。 神となれば、スミスミまでも、気を附けるが神の役、かみばかり好くても行けぬ、かみしも揃はねば世は治まらんぞよ。不公平では治まらん、かみしも揃へて人民を安心させて、末代潰れぬ神国の世に致すぞよ。用意を為されよ、脚下から鳥がたつぞよ。 天地までも自由に致して、神は残念なぞよ。今の人民、盲者聾者ばかり、神が見て居れば、井戸の端に茶碗を置いた如く、危ふて見て居れんぞよ。サタンよ。今に艮の金神が返報返しを致すぞよ。 根に葉の出るは虎耳草、上も下も花咲かねば、此世は治まらぬ。上ばかり好くても行けぬ世。下ばかり宜くても此世は治まらぬぞよ。 天使は綾部に出現されてあるぞよ。至治太平の世を開いて、元の昔に返すぞよ。神柱会開きは人民が何時までかかりても開けんぞよ。神が開かな、開けんぞよ。開いて見せうぞよ。世界をこの儘おいたなら暗黒に成るぞよ。永久は続かんぞよ。今に気の附く人民ないぞよ。神は急けるぞよ。此世の鬼を往生さして、邪神を慈神神也慈悲の雨降らして、戒めねば、世界は神国にならんから、昔の大本からの神の仕組が、成就致す時節が廻りて来たから、苦労はあれど、バタバタと埒を付けるぞよ。判りた守護神は一柱なりと早く大本へ出て参りて、神界の御用を致して下されよ。さる代りに勤め上りたら、万古末代の大事業完成者であるから、神から結構に御礼申すぞよ。世界中の事で在るから、何程知恵や学がありても、人民では判らん事であるぞよ。此の仕組判りては成らず、判らねば成らず、判らぬので、改信が出来ず、岩戸開きの、末代に一度の仕組であるから、全然、学や知恵を捨てて了ふて、生れ赤児の心に立返らんと、見当が取れん、六ケ敷仕組であるぞよ。今迄の腹の中の、垢塵をさつぱり、放り出して了はんと、今度の実地まことは、分りかけが致さん、大望な仕組であるぞよ。 氏神様の庭の白藤、梅と桜は、出口直の御礼の庭木に、植さしたのであるぞよ。白藤が栄えば、綾部宜くなりて末で都と致すぞよ。福知山舞鶴は外囲ひ、十里四方は宮垣内、綾部はまん中になりて、黄金世界に世が治まるぞよ。綾部は結構な所、昔から神が隠して置いた、真誠の仕組の地場であるぞよ。 世界国々所々に、岩戸開きを知らす神柱は沢山現はれるぞよ。皆艮之金神国常立尊の仕組で、世界へ知らして在るぞよ。大方行き渡りた時分に、高天原へ諸国の神、守護神を集めて、それぞれの御用を申付ける、尊い世の根の世の本の、竜門館の神屋敷地上の高天原であるから、何を致しても大本の教を守らねば、九分九厘で転覆るぞよ。皆神の仕組であるから、吾が吾がと思ふて致して居るが、皆艮の金神が化して使ふて居るのであるぞよ。此の神は、独り手柄をして喜ぶやうな神でないぞよ。仕組の判る守護神でありたら、互に手を曳き合ふて、世の本の御用を致さすから、是までの心を入替へて、大本へ来て肝腎の事を聞いて、御用を勤めて下されよ。三千世界の神々様、守護神殿に気を附けるぞよ。谷々の小川の水も大川へ、末で一つに成る仕組。此処は世の本。誠の神の住ひどころ。 神と悪魔との戦ひがあるぞよ。此いくさは勝ち軍、神が蔭から、仕組が致してあるぞよ。神が表に現はれて、善へ手柄致さすぞよ。邪神の国から始まりて、モウ一と戦があるぞよ。あとは世界の大たたかひで、是から段々判りて来るぞよ。この世は神国、世界を一つに丸めるぞよ。そこへ成る迄には、中々骨が折れるなれど、三千年余りての仕組であるから、うへに立ちて居れる守護神に、チツト判りかけたら、神が力を附けるから、大丈夫であるぞよ。世界の大峠を越すのは、神の申す様に、素直に致して、何んな苦労も致す人民でないと、世界の物事は成就いたさんぞよ。神はくどう気を附けるぞよ。此事判ける身魂は、東から出て来るぞよ。此御方が御出になりたら全然日の出の守護と成るから、世界中に神徳が光り輝く神世になるぞよ。中々大事業であれども、昔からの生神の仕組であるから別条は無いぞよ。 一旦たたかひ治まりても、後の悶着は中々治まらんぞよ。神が表に現はれて、神と学との力競べを致すぞよ。学の世はモウ済みたぞよ。神には勝てんぞよ。 ○ 明治二十六年…月…日 お照しは一体、世界一つに治める経綸が致してあるぞよ。この世は神の国であるから、汚食なぞは成らぬ国を、余り汚して、神は此の世に居れんやうに成りたぞよ。世界の人民よ、改信致されよ。元の昔に戻すぞよ。ビツクリ箱が明くぞよ。神国の世に成りたから、信心強きものは神の御役に立てるぞよ。今迄は内と外とが立別れて在りたが、神が表に現はれて、カラも天竺も一つに丸めて、万古末代続く神国に致すぞよ。艮の金神は此世の閻魔と現はれるぞよ。 世界に大きな事や変りた事が出て来るのは、皆此の金神の渡る橋であるから、世界の出来事を考へたら、神の仕組が判りて来て、誠の改信が出来るぞよ。世界には誠の者を神が借りて居るから、漸々結構が判りて来るぞよ。善き目醒しも有るぞよ。亦悪しき目醒しも有るから、世界の事を見て改信致されよ。新たまりての世になるぞよ。今迄宜かりた所はチト悪くなり、悪かりた所は善くなるぞよ。上へお土が上る所もあるぞよ。お土が下りて海となる所もあるぞよ。是も時節であるから、ドウも致しやうが無いなれど、一人なりと改信を為して、世界を助けたいと思ふて、天地の元の大神様へ、艮の金神が昼夜に御詫を致して居るぞよ。 この神が天晴表面に成りたら、世界を水晶の世に致すのであるから、改信を致したものから早く宜く致すぞよ。水晶の神代に成れば、何事も世の中は思ふ様になるぞよ。水晶の霊魂を調査めて神が御用に使ふぞよ。身魂の審判を致して、神が綱を掛けるぞよ。綱掛けたら神は離さぬぞよ。元は神の直系の分霊が授けてあるぞよ。 是から世界中神国と神民とに致して、世界の神も仏も人民も、勇んで暮さすぞよ。神、仏事、人民なぞの世界中の洗濯致して、此世を直すぞよ。信心強き者は助けるぞよ。信心なきものは気の毒ながら御出直しで御座るぞよ。神は気を附けた上にも気を附けるぞよ。モ一ツ世界の大洗濯を致して、根本から世を立直すから、世界が一度に動くぞよ。世界には何でなり共、見せしめがあるぞよ。天地の神々のお宮を建てて、三千世界を守るぞよ。世界がウナルぞよ。世界は上下に覆るぞよ。此世は神国の世であるから、善き心を持たねば、悪では永うは続かんぞよ。金神の世になれば何んな事でも致すぞよ。珍らしき事が出来るぞよ。 ○ 明治二十七年旧正月三日 燈台下は真暗黒。遠国から判りて来てアフンと致す事が出来るぞよ。綾部は世の本の太古から、神の経綸の致してある結構な所であるから、誠の者には流行病は封じてあるぞよ。此事知りた人民は今に一人も無いぞよ。余り改信を致さんと世が治まりたら、万古末代悪の鏡と致すぞよ。出口を引き裂きに来るものも出来るぞよ。本宮坪の内出口竹造、お直の屋敷には金の茶釜と黄金の玉が埋けてあるぞよ。是を掘出して三千世界の宝と致すぞよ。黄金の璽が光出したら、世界中が日の出の守護となりて、神の神力は何程でも出るぞよ。開いた口が閉まらぬぞよ。牛の糞が天下を取ると申すのは、今度の事の譬であるぞよ。昔から未だ斯世が始まりてから無き珍らしき事であるぞよ。大地の金神様を金勝要の神様と申すぞよ。今度艮の金神が表に成るに就いて、此神様を陸地表面へお上げ申して、結構に御祭り申さな斯世は治まらんぞよ。昔から結構な霊魂の高い神様ほど、世に落ちて御座るぞよ。時節参りて煎豆にも花が咲きて上下にかへりて、万古末代続く世に成りて、神は厳しく人民は穏かになるぞよ。是を誠の神世と申すぞよ。神世になれば人民の寿命も長くなるぞよ。世界中勇んで暮す様に成るぞよ。今の人民は斯んな結構な世は無いと申して居れど、神から見れば、是位悪い世は斯世の元から無いのであるぞよ。人民と申すものは目の前の事より何も判らんから無理も無いぞよ。 ○ 明治二十九年旧十二月二日 昔の初りと申すものは、誠に難渋な世でありたぞよ。木の葉を衣類に致し、草や笹の葉を食物に致して、刃物一つ在るでなし、土に穴を掘りて住居を致したもので有りたが、天地の神々の御恵で段々と住家も立派になり、衣類も食物も結構に授けて戴く様になりたのは、皆此世を創造た、元の活神の守護で人民が結構になりたのであるぞよ。人民は世が開けて余り結構になると、元の昔の活神の苦労を忘れて、勝手気儘に成りて、全然世が頂上へ登りつめて、誠の神の思ひを知りた人民は漸々に無くなりて、利己主義の行方ばかり致して、此世を強い者勝ちの畜生原にして了ふて、神の居る所も無い様に致したから、モウ此儘にして置いては、世界が潰れて、餓鬼と鬼との世に成るから、岩戸を開かな成らん事に、世が迫りて来たのであるぞよ。邪神が覇張りて神の国を汚して了ふて、此世は真暗闇であるぞよ。神が表に現はれて、神力を現はして、三千世界を日の出の守護と致して、世界を守るぞよ。この世は一旦泥海に成る所であれども、金神が天の大神様へ御詫を申して、助けて戴かねば、世界の人民が可哀相であるから、何んでも人民を助けたさに神が永らく艱難苦労を致して居れども、知りた人民は読む程より無いので、神の経綸は延る許りであるから、此大本へ立寄りて神の御話を聞かして貰ふた人民だけなりと、改信[※三五神諭には約70ヶ所で「改信」が使われているが、校定版・愛世版では第20章a343と第22章a311の2ヶ所だけ「改心」になっている。初版では全て「改信」であり「改心」は使われていない。したがって誤字と判断し、霊界物語ネットでは「改信」に修正した。]を致して、元の水晶魂に立復りて下されよ。世が迫りて来たから、モウ何時始まるか知れんから、後でヂリヂリ悶え致しても、モウ仕様が無いから、何時迄も気を附けたが、モウ気の附け様が無いぞよ。解りた人民から改信をして下さらんと、世界の人民三分になるぞよ。 (大正一二・四・二五旧三・一〇北村隆光再録) |
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霊界物語 | 60_亥_イヅミの国3/三美歌/祝詞/神諭 | 21 三五神諭(その二) | 第二一章三五神諭その二〔一五四六〕 明治三十一年旧五月五日 今の世界の人民は、服装ばかりを立派に飾りて、上から見れば結構な人民で、神も叶はん様に見えるなれど、世の元を創造へた、誠の神の眼から見れば、全然悪神の守護と成りて居るから、頭に角が生えたり、尻に尾が出来たり、無暗に鼻ばかり高い化物の覇張る、暗黒の世に成りて居るぞよ。虎や狼は吾の食物さへありたら、誠に温順しいなれど、人民は虎狼よりも悪が強いから、欲に限りが無いから、何んぼ物が有りても、満足といふ事を致さん、惨酷い精神に成りて了ふて、鬼か大蛇の精神になりて、人の国を奪つたり、人の物を無理しても強奪くりたがる、悪道な世に成りて居るぞよ。是も皆悪神の霊の所行であるぞよ。モウ是からは改信を致さんと、艮金神が現はれると、厳しうなるから、今迄の様な悪のやりかたは、何時までもさしては置かんぞよ。善し悪しの懲戒は、覿面に致すぞよ。今迄好きすつ法、仕放題の、利己主義の人民は、辛くなるぞよ。速く改信致さんと、大地の上には置いて貰へん事に、変りて来るから、神が執念気を附けるなれど、知恵と学とで出来た、今の世の人民の耳には、這入かけが致さんぞよ。一度に岩戸開きを致せば、世界に大変が起るから、時日を延ばして、一人なりとも余計に改信さして、助けてやりたいと思へども、何の様に申しても、今の人民は聞入れんから、世界に何事が出来致しても、神はモウ高座から見物いたすから、神を恨めて下さるなよ。世界の神々様守護神殿、人民に気を附けるぞよ。無間の鐘を打鳴して、昔の神が世界の人民に知らせども、盲目と聾者との暗黒の世であるから、神の誠の教は耳へ這入らず、獣の真似を致して、牛馬の肉を喰ひ、一も金銀、二も金銀と申して、金銀で無けら世が治らん、人民は生命が保てん様に取違致したり、人の国であらうが、人の物であらうが、隙間さへありたら略取ことを考へたり、学さへ有りたら、世界は自由自在に成る様に思ふて、物質上の学に深はまり致したり、女と見れば何人でも手に懸け、妾や足懸を沢山に抱へて、開けた人民の行り方と考へたり、恥も畏れも知らぬ許りか、他人は何んな難儀を致して居りても、見て見ん振りをいたして、吾身さへ都合が善ければ宜いと申して、水晶魂を悪神へ引抜かれて了ふたり、徴兵を免れようとして、神や仏事に願をかける人民、多数に出来て、国の事共一つも思はず、国を奪られても、別に何とも思はず、心配も致さぬ人民ばかりで、此先は何うして世が立ちて行くと思ふて居るか、判らんと申しても余りであるぞよ。病神が其辺一面に覇を利かして、人民を残らず苦しめ様と企みて、人民のすきまをねらひ詰て居りても、神に縋りて助かる事も知らずに、毒には成つても薬には成らぬものに、沢山の金を出して、長命の出来る身体を、ワヤに為られて居りても、夢にも悟らん馬鹿な人民許りで、水晶魂の人民は、指で数へる程よりか無いとこまで、世が曇りて来て居りても、何うも此うも、能う致さん様に成りて居るくせに、弱肉強食の世の行り方をいたして、是より外に結構な世の治方は、無いと申して居るぞよ。今の世の上に立ちて居りて、今迄けつこうに暮して居りて、神の御恩といふ事を知らずに、口先ばかり立派に申して居りても、サア今といふ所になりたら、元来利己主義の守護神であるから、チリチリバラバラに、逃げて了ふもの許が出て来るぞよ。今の人民は、サツパリ悪魔の精神に化りて居るから、何程結構な事を申して知らしてやりても、今の今まで改信を能う致さんやうに、曇り切りて了ふたから神もモウ声を揚げて、手を切らな仕様が無いが、是丈神が気を附けるのに聞かずに置いて、後で不足は申して下さるなよ。神はモウ一限に致すぞよ。 今の人民は悪が強いから、心からの誠といふ事が無きやうになりて、人の国まで弱いと見たら、無理に取つて了ふて、取られた国の人民は、在るに在られん目に遭はされても、何も言ふ事は出来ず。同じ神の子で有りながら、余り非道い施政で、畜生よりもモ一つ惨いから、神が今度は出て、世界の苦しむ人民を助けて、世界中を桝掛け曳きならすのであるぞよ。今の人民は段々世が迫りて来て、食物に困る様になりたら人民を餌食に致してでも、徹底的行り抜くといふ深い仕組を致して、神の国を取らうと致して、永らくの仕組をして居るから、余程確りと腹帯を締めて居らんと、末代取戻しの成らん事が出来して、天地の神々様へ、申訳の無き事になるから、艮の金神が三千年余りて、世に落ちて居りて、蔭から世界を潰さんやうに、辛い行をいたして、経綸をいたしたので、モウ水も漏らさんやうに致して有るなれど、神は其儘では何も出来んから、因縁ある身魂を引きよせて、懸りて此世の守護をいたすのであるから、中々大事業であれど、時節参りて、変性男子と変性女子の身魂が、揃ふて守護が有り出したから、いろは四十八文字の霊魂を、世界の大本、綾部の竜宮館にボツボツと引き寄せて、神がそれぞれ御用を申し付けるから、素直に聞いて下さる人民が揃ふたら、三千年余りての仕組が、一度に実現て来て一度に開く梅の花、万古末代萎れぬ花が咲いて、三千世界は勇んで暮す神国になるぞよ。人民の天からの御用は、三千世界を治め、神の手足となりて、吾身を捨てて、神の御用を致さな成らぬのであるから悪には従はれぬ、尊い身魂であるのに、今の世界の人民は、皆大きな取違ひを致して居るぞよ。 ○ 明治三十二年…月…日 艮の金神が出口直の手を借りて、何彼の事を知らすぞよ。今迄は世の本の神を、北の隅へ押籠めておいて、北を悪いと世界の人民が申して居りたが、北は根の国、元の国であるから、北が一番に善くなるぞよ。力の有る世の本の真正の水火神は、今迄は北の極に落されて、神の光を隠して居りたから、此世は全然暗黒でありたから、世界の人民の思ふ事は、一つも成就いたさなんだので在るぞよ。是に気の付く神も、人民も、守護神も無かりたぞよ。人民は北が光ると申して、不思議がりて、種々と学や知識で考へて居りたが、誠の神々が一所に集りて、神力の光りを現はして居ると申す事を知らなんだぞよ。モウ是からは、世に落されて居りた活神の光りが出て、日の出の守護となるから、其処辺中が光り輝いて、眩うて目を明けて居れんやうに、明かな神世になるぞよ。今迄の夜の守護の世界は、明の烏と成りて来て、夜が明るから、それまでに改信を致して、身魂を研いて水晶魂に立帰りて居らんと、ヂリヂリ悶える事が出来致すから、今年で八年の間、神は気を附けたなれど、余り世界の人民の心の曇りがきつき故に、何を言ふて聞かしても、筆先に書いて見せても誠にいたさぬから、出口直は日々咽喉から血を吐くやうな思ひを致して、世界の為に苦労をいたして居るのを、見て居る艮の金神も辛いぞよ。胸に焼鉄あてる如く、一人苦みて居るぞよ。人民は万物の長とも申して、豪さうに致して居るでは無いか。鳥獣でも、三日先の事位は知りて居るのに、人民は一寸先が見えぬ所まで曇りて居るから、脚下へ火が燃えて来て居りても、未だ気が附かぬぞよ。能うも是だけ人民の霊魂も、曇りたものであるぞよ。障子一枚ままならぬ所まで精神を汚して置いて、何も判らぬ癖に神を下に見降して居る、人民の中の鼻高が、上へのぼりて、此世の守護をいたしても、一つも思ふやうに行きはいたさんぞよ。此世は、元の生神の守護が無かりたら、何程知識や学で考へても、何時までも世界は治まらんぞよ。一日も速く往生いたして、神の申す様に致さねば世界の人民が可哀想で、神が黙つて見て居れんから、今度は北から艮の金神が現はれて、世界を水晶の世にいたして、善と悪とを立別けて、善悪の懲戒を明白にいたして、世界の人民を改信させて、万古末代動きの取れん、善一筋の世の持方を致すから、是迄の世とは打つて変りての善き世といたして、神も仏も人民も、勇んで暮す松の世、神世といたして、天の大神様へ御目に掛るのであるぞよ。夫れまでに一つ大峠が在るから、人民は速く改信いたして、神心に立還りて下されよ。神は世界を助けたさの、永い間の苦労であるぞよ。昔の神世に立替へる時節が来たぞよ。今迄は日没が悪いと申したが、世が代ると日没が一番善く成るぞよ。日没に初めた事は、是から先の世は、何事も善き事なれば成就いたすぞよ。夫れも神をそつち除けにいたしたら、物事一つも成就いたさぬ世に変るから、何よりも改信致して、霊魂を研くが一等であるぞよ。時節が来たぞよ。モウ間が無いぞよ。 ○ 明治三十二年旧七月一日 竜門の宝を艮の金神がお預り申すぞよ。竜門には宝は何程でも貯へてあるぞよ。岩戸開きが済みて立直しの段になりたら間に合ふ宝であるぞよ。昔から此乱れた世が来るから、隠してありたのぢやぞよ。御安心なされ。艮金神大国常立尊が、神功皇后殿と出て参る時節が近よりて来たぞよ。此事が天晴表に現はれると、世界一度に動くぞよ。モウ水も漏さぬ経綸が致して有るぞよ。開いた口が塞がらぬ、牛糞が天下を取るぞよ。珍らしい事が出来るぞよ。アンナものがコンナものに成りたと、世界の人民に改信致させる仕組であるから、チト大事業で有れども、成就いたさして、天地の大神へ御目に掛けるから、艮の金神はカラ天竺までも鼻が届くぞよ。この仕組は永らく世に落ちて居りての、艮の金神の経綸であるから、神々にも御存知ない事があるから、人民は実地が出て来る迄はヨウ承知を致さんぞよ。是でも解けて見せてやるぞよ。今度の二度目の天の岩戸開は、因縁の在る身魂でないと、御用には使はんぞよ。神の御役に立るのは水晶魂の選抜ばかり、神が綱を掛けて御用を致さすのであるから、今迄世に出て居れた守護神は、思ひが大分違ふぞよ。是も時節であるぞよ。時節には何も敵はんぞよ。上下に復るぞよ。 艮金神大国常立尊の三千年の経綸は、根本の天の岩戸開で有るから、悪の霊魂を往生さして、万古末代善一つの世に致すのであるから、神の国に只の一輪咲いた誠の梅の花の仕組で、木花咲哉姫の霊魂の御加護で、彦火々出見尊とが、守護を遊ばす時節が参りたから、モウ大丈夫であるぞよ。梅で開いて松で治める、竹は邪神の守護であるぞよ。此経綸を間違はしたら、モウ此の先はどうしても、世が立ちては行かんから、神が執念う気を付けて置くぞよ。明治二十八年から、三体の大神が地へ降りて御守護遊ばすと、世界は一度に夜が明けるから、三人の霊魂を神が使ふて、三人世の元と致して、珍らしき事を致さすぞよ。いろは四十八文字で、世を新つに致すぞよ。此中に居る肝腎の人に、神の経綸が解りて来て改信が出来たら、世界に撒配りてある身魂を、此大本へ引寄せて、神の御用を致さすから、左程骨を折らいでも経綸は成就いたすから、何事も神の申す様にして居りて下されよ。今度の事は知識や学では到底可んから、神の申す事を素直に聞いて下さる身魂でないと、神界の御用には使はんぞよ。此の大本は外の教会のやうに、人を多勢寄せて、それで結構と申す様な所でないから、人を引張りには行つて下さるなよ。因縁ある身魂を神が引寄せて夫れ夫れに御用を申し附けるのであるぞよ。 大本の経綸は病気直しで無いぞよ。神から頂いた結構な身魂を、悪の霊魂に汚されて了ふて、肉体まで病魔の容器になりて、元の大神に大変な不孝を掛けて居る人民が病神に憑かれて居るのであるから素の水晶魂に捻じ直して、チツトでも霊魂が光り出したら、病神は恐がりて逃げて了ふぞよ。此の大本は医者や按摩の真似は為さんぞよ。取次ぎの中には、此の結構な三千世界の経綸を、取違ひ致して、病直しに無茶苦茶に骨を折りて肝腎の神の教を忘れて居る取次が多数在るが、今迄は神は見て見ん振を致して来たが、モウ天から何彼の時節が参りて来たから、今迄の様な事はさしては置かんから、各自に心得て下されよ。是程事解けて申す、神の言葉を反古に致したら、已むを得ず気の毒でも、天の規則に照して懲戒を致すぞよ。今の神の取次は、誠と云ふ事がチツトも無いから、吾の目的計り致して、神を松魚節に致して、却て神の名を汚して居る、天の罪人に成りて居るぞよ。大本の取次する人民は、其覚悟で居らんと世界から出て来だすから、恥かしくなりて、大本へは早速に寄せて貰へん事が出来いたすから、永らく神が出口に気を付けさしたぞよ。モウ改信の間が無いぞよ。神はチツトも困らねど、取次が可愛相なから。 艮金神が表になると、一番に悪所遊びを止めさすぞよ。賭博も打たさんぞよ。家の戸締りも為いでもよき様に致して、人民を穏かに致さして、喧嘩も無き結構な神世に致して、天地の神々様へ御目に掛けて、末代続かす松の世と致すぞよ。 ○ 明治三十四年旧三月七日 元伊勢のうぶだらひと、産釜の水晶の御水は、昔から傍へも行かれん尊い清き産水でありたなれど、今度の天の岩戸開に就いて、因縁のある霊魂に御用をさして、世を立直すには、昔の元の水晶の変らん水を汲りに遣らしてあるぞよ。艮金神の指図でないと、此水は滅多に汲りには行けんのであるぞよ。神が許可を出したら、何処からも指一本触る者もないぞよ。今度の元伊勢の御用は、世界を一つに致す経綸の御用であるぞよ。もう一度出雲へ行て下されたら、出雲の御用を出来さして、天も地も世界を平均すぞよ。此御用を済して下さらんと、今度の御用は分明かけが致さんぞよ。解りかけたらば速いぞよ。天の岩戸開きは水の守護と火の守護とで致すぞよ。岩戸開きを致すと申して居りても如何したら世が変ると云ふ事は、世に出て御出でる神様も御存知はないぞよ。肝腎の仕組は今の今迄申さぬと出口に申してあるぞよ。まだまだ在るぞよ。天の岩戸開と言ふ様な大望な事には、誰にも言はれん事があるのぢやが、其御用は出口でないと出来んぞよ。今度の御用をさす為に、昔から生代り死代り、苦労ばかりが為して在りた、変性男子の身魂であるぞよ。此の変性男子が現はれんと世界の事が出て来んぞよ。神柱会開きは人民が何時まで掛りても開けんと申してあるぞよ。神が開いて見せると申して、先に筆先に出してあらうがな。時節が近寄りたぞよ。 世界一度に開くぞよ。一度に開く梅の花、金神の世に致して早く岩戸開をいたさんと、悪く申すでなけれども、此世は此の先は如何成るかと言ふ事を御存知の無い神ばかりであるぞよ。 (大正一二・四・二五旧三・一〇北村隆光再録) |
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霊界物語 | 60_亥_イヅミの国3/三美歌/祝詞/神諭 | 23 三五神諭(その四) | 第二三章三五神諭その四〔一五四八〕 明治三十八年旧四月十六日 艮金神国常立尊出口の守と現れて、二度目の天の岩戸開きを致すに就いては、昔の世の本から拵へてある因縁の身魂を引寄して、夫々に御用を申付けるぞよ。今度の御用は因縁無くては勉まらんぞよ。先になりたら金銀は降る如くに寄りて来るから、さうなりたら吾も私もと申して、金持つて御用さして下されと申して出て来るなれど、因縁なき身魂には何程結構に申しても一文も使ふ事は出来んぞよ。是から先になると金銀を積んで神の御用を致さして欲しいと、頼みに来るもの計りであれど、一々神に伺ひ致してからでないと、受取る事は成らんぞよ。金銀に目を掛る事は相成らんから、何程辛くても今の内は木の葉なりと、草なりと食べてでも凌ぎて御用を致して居りて下さりたら、神が性念を見届けた上では何事も思ふやうに、金の心配も致さいでも善きやうに守護が致してあるぞよ。今が金輪際の叶はん辛いとこであるから、茲を一つ堪りて誠を立抜きて下さりたら、神が是で善いと云ふやうに成りたら、楽に御用が出来るやうにチヤンと仕組てあるから、罪穢のある金は神の御用には立てられんぞよ。 いつも筆先で気を附けてあるが、大本は艮金神の筆先で世を開くところであるから、余り霊学ばかりに凝ると筆先が粗略になりて、誠が却て解らんやうに成りて、神の神慮に叶はんから、筆先を七分にして霊学を三分で開いて下されよ。帰神ばかりに凝ると、最初は人が珍らしがりて集りて来るなれど、余り碌な神は出て来んから、終には山子師、飯綱使、悪魔使と言はれて、一代思はくは立たんぞよ。思はくが建たんばかりか、神の経綸を取違ひ致す人民が出来て来て、此の誠の正味の教をワヤに致すから、永らく気を附けて知らしたなれど、今に霊学が結構ぢや、筆先ども何に成ると申して一寸も聞入れぬが、どうしても諾かな諾くやうにして、改信さして見せるぞよ。神の申す事を反いて何なりと行りて見よれ、足元から鳥が飛つやうな吃驚が出て来るぞよ。世間からは悪く申され、神には気障と成るから、何も成就いたさずに大きな気の毒が出来るのが見透いておるから、其れを見るのが可哀相なから、毎度出口の手で神が知らせば、肉体で出口直が書くのぢやと申して御座るが、茲暫く見て居りたら解りて来て、頭を逆様にして歩かんならん事が出来するぞよ。誰も皆帰神で開きたいのが病癖であるから、一番にこの病癖を癒して遣るぞよ。心から発根と癒せば宜いなれど、如何しても肯かねば激しき事をして見せて眼を開けさしてやるぞよ。狐狸野天狗などの霊魂に嘲弄にしられて、夫で神国の御用が出来ると思ふのか。夫でも神国の人民ぢやと思ふて居るのか。畜生の容器にしられて夫を結構と思ふのか、神界の大罪人と成りても満足なのか。訳が解らんと申しても余りであるぞよ。斯うは言ふものの是の霊魂は何時も申す通り、世界一切の事が写るのであるから、此大本へ立寄る人民は是の遣方を見て、世界は斯んな事に成りておるのかと改信を為るやうに、神からの身魂が拵へて在るのであるから、誤解をいたさぬやうに御庇を取りて下されよ。他人が悪い悪いと思ふて居ると、全部自己の事が鏡に映りておるのであるから、他人が悪く見えるのは、自己に悪い所や霊魂に雲が掛りて居るからであるから、鏡を見て自己の身魂から改信いたすやうに、此世の本から御用の霊魂が拵へてありての、今度の二度目の天の岩戸開きであるから、一寸やソツトには解る様な浅い経綸でないから改信いたして身魂を研くが一等であるぞよ。世の本の誠の生神は今迄は物は言はなんだぞよ。世の替り目に神が憑りて、世界の事を知らせねば成らぬから、出口直は因縁ある霊魂であるから、憑りて何事も知らせるぞよ。世が治まりたら神は何も申さんぞよ。狐狸や天狗ぐらゐは何時でも誰にでも憑るが、この金神は禰宜や巫子には憑らんぞよ。何程神憑に骨を折りたとて、真の神は肝腎の時でないと憑らんぞよ。何も解らん神が憑りて参りて、知つた顔を致して種々と口走りて、肝腎の仕組も解らずに、天の岩戸開の邪魔をいたすから、一寸の油断も出来んから、不調法の無いやうに気を附けてやるのを、野蛮神が何を吐す位により解りて呉れんから、誠の神も苦労をいたすぞよ。神懸で何も彼も世界中の事が解るやうに思ふて居ると全然量見が違ふぞよ。神の申す中に聞いて置かんと、世間へ顔出しが出来んやうな、恥かしき事が出来いたすぞよ。この神一言申したら何時になりても、一分一厘間違はないぞよ。髪の毛一本程でも間違ふやうな事では、三千年かかりて仕組んだ事が水の泡になるから、そんな下手な経綸は世の元から、元の生神は致して無いから、素直に神の申す事を肯いて下されよ。世界の神、仏事、人民を助けたさの永らくの神は苦労であるぞよ。誰に因らず慢心と誤解が大怪我の元と成るぞよ。 ○ 大正元年旧八月十九日 大国常立尊が天晴表面になりて守護にかかると、一旦は神の経綸通りに致すから、改信致して神心に成りて居らんと、これから、人気の悪い所は何処でも飛火がいたすから、今度は是迄の見苦しき心を全然捨てて了ふて、産の精神に成りたらば、安全な道が造り替へてあるから、霊魂を研いて善い道へ乗り替へるやうに仕組んであれども、霊魂に曇りが在りては善い道へ乗替へたとて、辛うて御用が出来んから、発根の改信、腹の底からの改信でないと、誠の御用は出来んぞよ。竜宮様を見て皆改信をいたされよ。昔から誠に欲な見苦しき御心で在りたなれど、今度の天の岩戸開には欲を捨てて了はねば、神界の御用が勤まらんといふ事が、一番に早く御合点が参りたから、竜門のお宝を残らず艮金神に御渡し遊ばして、活溌な御働きを神界で一生懸命になりて、力量も充分に有るなり、此の方の片腕に成つて、今度の天の岩戸開の御用を遊ばすから、他の守護神も竜宮様の御改信を見て、一日も早く自己の心の中を考へて改信なされよ。大国常立尊が今表になりた所で、神界の役に立てる霊魂は一つも無いが、能くも是だけ曇りたものであるぞよ。もう神は構はんから、何彼の事を急速にいたして後の立直しに掛らんと、世界中の大事であるから、解らぬ守護神に何時までもかかりて居りたら、世界の人民が皆難渋をいたして、往きも戻りも成らんやうに成りて、戦争も済みたでも無し、止めも刺さん事になりて、世界中の大難渋と成るから、是迄耳に蛸が出来る程注意てあるが、何彼の時節が迫りて来て、動きもにじりも出来ん事に世界中が成るから、諄う守護神人民に気を附けるぞよ。 神国の人民に元の神国魂が些とありたら、茲までの難渋は無いなれど、誠一つの御魂により明されず、肝腎の事を任して為せる事も出来ず、テンで経綸が解りて居らんから、神が使ふ身魂が無いぞよ。此の方が世界中の事をいたさなならんから、何彼の事が一度になりて忙しうなると申すことが、毎度筆先で知らしてあらうがな。艮に成りたら神霊活機臨々発揮日月と現はれて、三千世界の艮を刺すぞよ。其折りに間に合ふやうに、早うから有難がりて、大本へ来て辛い修行をして居りても、肝腎の処が能く解りて居らんと、善い御用は出来んぞよ。何うなりとして引着いて居りたら、善い御用が出来ると思ふて居ると、大間違であるぞよ。艮金神が初発から一言申した事は一分一厘違はんぞよ。途中から変るのは矢張り霊魂に因縁が無いのぢやぞよ。因縁のある身魂は截りても断れん、如何な辛い目をいたしても左程苦しい事は無いぞよ。因縁性来と申すものは、エライものであるぞよ。それで今度は因縁の在る身魂が集りて来て、辛い辛抱をいたして、天地の光を出して呉れんならん。変性男子と変性女子との身魂を、茲まで化して神の御役に立てるぞよ。変性男子と女子の身魂が誰も能う為ぬ辛抱をいたして、此世には神は無きものと、学で神力をないやうに仕て居りたのを、此世に神が有るか無いかと云ふ事を、三千世界へ天晴と天地の神力を表はせて見せて、此の先は神力の世に致すから、是からは学力で、何麼事を致しても、世の本の根本の生神の神力には敵はんから、今の中に悪神のエライ企みを砕いて了ふから、一日も早く往生いたすが得であるぞよ。 今度の戦争は人民同志の戦争ではないぞよ。国と国、神と邪神との大戦争であるから、悪神の策戦計画は人民では誰も能う為ん仕組であれど、世の本の生神には敵はんぞよ。充分戦ふた所で金の要るのは程知れず、人の減るのも程は判らんぞよ。けれども出かけた船ぢや。何方の船も後方へは退けんから、トコトンまで行くぞよ。今迄の悪の守護神よ、神の国を茲までに自由にいたしたら、是に不足はもう在ろまいから、充分に敵対うて御座れよ。神力と学力との力較べの大戦争であるから、負たら従うて遣るし、勝つたら従はして、末代手は出しませぬと申すとこまで、往生をさせてやるぞよ。何程学力がエラウても、神力には勝てんぞよ。大きな見誤ひを為て居りたと云ふ事が後で気が附いて、死物狂を致さうよりも、脚下の明い中に降伏致す方が宜いぞよ。永引く程国土はチリヂリと無く為りて了ふぞよ。邪神の企謀は何麼計略も為てゐるなれど、悪では此世は立ては行かんぞよ。神の経綸は善一つの誠実地の御道に造り代へてあるから、気の附いた守護神は、善の道へ立帰りて安心なされよ。悪の身魂は平げて了ふから、早う覚悟を致さんと、もう一日の日の間にも代るから、是迄のやうに思ふておると、みな量見が違ふぞよ。毎度出口直に兵糧をとつて置かねば成らんといふ事が、諄う申して在らうがな。米が有ると申して油断をいたすで無いぞよ。人民は悧巧なもので在るなれど、先のチツトモ解らんもので在るから、筆先で何も知らすから、此筆先を大切にいたさんと、粗末にいたしたら、其場で変るやうに厳しくなるぞよ。この筆先は世界の事を、気もない中から知らしてあるから、疑うておると後で取返しの出来ん事になるぞよ。後の後悔は間に合はんぞよ。 ○ 大正三年旧七月十一日 大国常立尊が表に現はれて日出の守護となるから、人民が各自に力一杯気張りて為て来た事が、皆天地の神から為せられて居りたと申す事が、世界の人民に了解る時節が参りて来たぞよ。日出の守護になると変性男子の霊魂が、天晴世界へ現はれて次に変性女子が現はれて、女島男島へ落ちて居りた昔からの生神ばかりが揃うて天晴世に現はれて、この泥海同様の世界へ水晶の本の生神が揃うて、三千世界の岩戸開を致すから、天地の岩戸が開けて松の世、神世と相成るぞよ。綾部の神宮坪の内の本の宮は出口の入口、竜門館が高天原と相定まりて、天の御三体の大神が天地へ降り昇りを為されて、この世の御守護遊ばすぞよ。この大本は地からは変性男子と変性女子との二つの身魂を現はして、男子には経糸、女子には緯糸の意匠をさして、錦の旗を織らしてあるから、織上りたら立派な模様が出来ておるぞよ。神界の意匠を知らぬ世界の人民は色々と申して疑へども、今度の大事業は人民の知りた事では無いぞよ。神界へ出てお出ます神にも御存知の無いやうな、深い仕組であるから往生いたして神心になりて神の申すやうに致すが一番悧巧であるぞよ。まだ此先でもトコトンのギリギリ迄反対いたして、変性女子を悪く申して、神の仕組を潰さうと掛かる守護神が、京、大阪にも出て来るなれど、もう微躯とも動かぬ仕組が致して神が附添うて御用を為すから、別条は無いぞよ。変性女子の霊魂は月と水との守護であるから、汚いものが参りたら直に濁るから、訳の解らぬ身魂の曇りた守護神は傍へは寄せんやうに、役員が気を附けて下されよ。昔から今度の天の岩戸開の御用致さす為に、坤に落してありた霊魂であるぞよ。此者と出口直との霊魂が揃ふて御用を致さねば、今度の大望は、何程悧巧な人民の考へでも物事出来は致さんぞよ。此大本は世界に在る事が皆映るから、大本に在りた事は大きな事も小さい事も、善き事も悪しき事も、皆世界に現はれて来るから、変性女子をねらふものが是からまだまだ出来て来るから、確りと致して居らんと此中は治まらんぞよ。大事の仕組の身魂であるから、悪の霊がねらひ詰めて居るから、何処へ行くにも一人で出す事は成らんぞよ。変性女子は人民からは赤ン坊なれど、神が憑りたら誰の手にも合はん身魂であるぞよ。昔の元から見届けてありての、今度の大望な御用がさして在るぞよ。人民は表面だけより見えんから、何時も大きな取違ひを致すが、是も尤もの事であるぞよ。永らく大本へ来て日々御用に使はれておるものでも、女子の事は取違ひ致して、未だに反対致しておる位であるから、何にも聞かぬ世界の人民が取違ひをいたすのは、無理も無いぞよ。斯う申すと亦訳の解らぬ守護神の宿りてゐる肉体の人民が、肉体心を出して、出口は変性女子に抱込まれて居ると申すであらうが、其様な事の解らぬ艮金神出口直でありたら、三千年余りての永らくの苦労が水の泡に成るから、滅多に見違ひはいたさんぞよ。人民の智慧や学や考へで判るやうな浅い仕組は致してないぞよ。何方の身魂が一つ欠けても、今度の経綸は成就いたさんのであるから、世の本の根本から仕組て、色々と化かしてをれば、自己の霊魂が汚いから、竪からも横からも汚う見えるのであるぞよ。変性男子の身魂も変性女子の身魂も、三千世界の大化物であるから、霊魂に曇りの有る人民には見当が取れんぞよ。此大化物を世界へ現はして見せたら、如何に悪に強い守護神も人民も、アフンとして吃驚いたして、早速には物も能う言はん事が出来するぞよ。昔の根本の世の本から末代の世まで、一度あつて二度ないと言ふやうな、大望な神界と現界の岩戸開きであるから、アンナものがコンナものに成りたと申す経綸であるから、人民では見当は取れん筈であれども、改信いたして神心に立復りた人民には、明白に能く判る仕組であるぞよ。世の変り目には変な処へ変な人が現れて、変な手柄をいたすぞよと、明治三十一年の七月に筆先に書いて知らしてありたぞよ。時節が近寄りたぞよ。 (大正一二・四・二六旧三・一一於竜宮館北村隆光再録) |
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霊界物語 | 60_亥_イヅミの国3/三美歌/祝詞/神諭 | 24 三五神諭(その五) | 第二四章三五神諭その五〔一五四九〕 大正四年旧十一月二十六日 大国常立尊が三千世界の、上中下と三段に分けてある霊魂を、それぞれに目鼻を付けて、皆を喜ぶやうに致すのは、根本の此世を創造へるよりも何程気骨の折れる事ぢや、人民では分らん事であるぞよ。初発の悪の霊魂は悪の事なら何んな事でも出来るから、茲まで世界中を悪で搦みて了ふて、善と云ふ道は通らぬやうに致して来た悪神の、頭を露はして、トコトン往生を為せて、又次に中の守護神を改信さして、下の守護神も続いて改信させねば神世には成らんぞよ。下の守護神が一番に何彼のことが解らんなれど、改信を致さねば、何うしても改信いたすやうに、喜ばして改信させねば、叱る計りでは改信の出来ぬ守護神も在るなり、何も解らん守護神の如何にも成らぬドウクヅは天地の規則通りに致して、埒宜く致さねば仕様はモウ無いぞよ。此の先で何時迄も改信の出来ぬ悪魔に永う掛りて居りて、岩戸開きの出来んやうな邪魔を致した守護神は、気の毒が今に出来致すぞよ。是丈け気を附けて知らして居るのに、改信の出来ん悪魔に成り切りて居る霊魂の宿りた肉体は、可哀想でも天地から定まりた規則通りの成敗に致すぞよ。もう何時までも解らんやうな守護神を助けて置いたら、世界が総損害に成りて、茲まで神が苦労いたした骨折が水の泡に成りて了ふぞよ。夫れでは永らく神が苦労いたした甲斐が無くなりて、天の大神様へ申訳が立たんなり、神は守護神人民を助けたいのは、胸に一杯であるから、もう一度気を附けて置くから、何事が出て来ても神に不足は申されまいぞよ。是からは悪神の守護神の好きな事も、悪き事も出来んやうに、天地から埒を附けるから、何処を恨む事も出来ず、自己の心を恨める事も出来んやうになるぞよ。天地の先祖の神は、善の守護神も悪の守護神も皆を喜ばしたいと思ふて、色々と永らく気を附けたなれど、ドウクヅの蛆虫同様の醜しき聞解の無いものは、一処へ集して固めて灰にして了ふから、悪いものに悩められて生命を取られるやうな肉体は、蛆虫同様、悪神の眷族と、も一つ下な豆狸といふやうな論にも杭にもかからんものに弄びに遇うて居るのは、肝腎の神の綱の切れて居る身魂であるぞよ。こんな守護神の宿りて居る肉体は取払ひに為て了ふて此世界の大掃除を初めるぞよ。 天地の先祖の苦労の解らん身魂は、蛆虫同様であるから、斯んな身魂は世の汚穢と成るから、神界の経綸通りに致して埒能く岩戸を開かな、後の立直しが中々大望であるから経綸通りにして見せるぞよ。さう致すと神は善一つなれど、何も解らん世界の人民が悪の守護神に引かされて、矢張り艮金神は悪神でありたと申すぞよ。細工は流々仕上が肝腎であるぞよ。天地の神の御恩も判らぬやうな、畜生より劣りた、名の附けやうの無いものは、末代の邪魔になるから、天地の規則通り規めるから、悪の守護神の中でも改信の出来たのは、今度の岩戸開きに焼払ひになる所を救けてやるぞよ。蛆虫の中からでも救かるべき身魂が在れば択出して善の方へ廻して遣るぞよ。 天の大神様が、いよいよ諸国の神に、命令を降しなされたら、艮金神国常立尊が総大将となりて、雨の神、風の神、岩の神、荒の神、地震の神、八百万の眷属を使ふと、一旦は激しいから、可成は鎮まりて世界の守護を為せるなれど、昔の生粋の神国魂の活神の守護と成りたら、此中へ来て居る身魂に申附けてある事を、皆覚えて居るであらうが、一度申した事は其様に致すから、神の申す事を一度で聞く身魂でないと、充分の事は無いぞよ。もう神からは此の上人民に知らせる事は無いから、大峠が出て来てから、如何様でも改信をしますで赦して下されと何程申しても、赦す事は出来んぞよ。是程大望な昔からの仕組を今になりて変へる様な事を致して居りたら、二度目の天の岩戸開きの大きな経綸が成就致さんぞよ。根本から大洗濯を致して、末代世界の口舌が無いやうに致して、神界の害をする霊魂が、学で此世を暗闇にして了ふて、正味のない教やら、やりかたは、世の大本からの教でないから、途中から出来たものは、末代の世の遣り方には用ゐんぞよ。 今の上に立ちて居る守護神は科学ほど結構なものは無いと申して、渡りて来られん霊魂が、神を抱込みて、好き寸法に致して、此先をモ一つ悪を強くして、悪で末代建てて行かうとのエライ目的でありたなれど、もう悪の霊や学の世の終りと成りたぞよ。本の神世へ戻りて、天と地との先祖が末代の世を持たねば、他の霊魂では此世は続かん、口舌の絶えると云ふ事は無いぞよ。 大国常立尊が変性男子の霊魂の宿りて居る肉体を借りて、末代の世を受取りて、世の本の生粋の誠の生神ばかりが表に現はれて、天地の先祖の御手伝ひで、数は尠いなれど神力は御一柱の生神の御手伝ひが在り出しても、霊魂の神が何程沢山でも、本の生神の力には敵はんから、同じ様な事を申して細々と今に続いて知らして居るなれど、途中に出来た枝の神やら、渡りて来て居る修業なしの利己主義の遣方の守護神では、肝腎の事は解りは致さんぞよ。誠の事の解る大本へ出て来て、いろはからの勉強を致さねば、学は金を入れた丈の力は出るなれど、天から貰うた霊魂に附いた生来の力でないから、物質の世の間は結構でありたなれど、もう物質の世の終りとなりたから、今迄の学では二度目の天の岩戸開きには些少も間に合はんぞよ。 ○ 大正四年旧十二月二日 大国常立尊変性男子の霊魂が現はれて、三千世界の三段に別けて在る御魂を、夫れ夫れに立替へ立別けて、目鼻を附けて、先づ是で楽ぢやと申すやうに成るのは、大事業であるぞよ。二度目の天の岩戸開は、戦争と天災とで済むやうに思ふて、今の人民はエライ取違ひを致して居るなれど、戦争と天災とで人の心が直るのなら、埒能う出来るなれど、今度の天の岩戸開は、其んな容易い事でないぞよ。昔からたてかへは在りたなれど、臭い物に蓋をした様な事ばかりが仕て有りたので、根本からの動きの取れんたてかへは、致して無いから、これ迄のやりかたは、身魂は尚悪くなりて、総曇りに成りて居るから、今度は一番に、霊魂界の岩戸開であるから、何に付けても大望であるぞよ。是程曇り切りて居る、三千世界の身魂を水晶の世に致して、モウ此の后は、曇りの懸らんやうに、万古末代、世を持ちて行かねば成らんから、中々骨の折れる事であるぞよ。 天地の大神の思ひと、人民の思ひとは、大きな違ひであるから、何に付けても、今度の仕組は、人民では汲み取れんぞよ。人民一人を改信させるのにも、中々に骨が折れようがな。今度の二度目の天の岩戸開は、昔の初まりから出来て居る、霊魂の立替立直しで在るから、悪い霊魂を絶滅して了ふてするなら、容易く出来るなれど、悪の霊魂を善へ立替へて、此世一切の事の行り方を替へて、神法をかへて、新つの世の純粋の元の水晶魂にして了ふのであるから、今の人民の思ふて居る事とは、天地の大違ひであるから、毎度筆先で気を附けてあるぞよ。 あやべの大本の中には、世界の人民の心の通りが、皆に仕て見せてあるぞよ。世界の鏡の出る所であるから、世界に在る実地正末が、皆にさして見せて在るから、色々と心配をいたして居るなれど、何んなかがみも仕て見せて在るから、世界が良くなる程、この大本は善くなるぞよ。今ではモチツト、何事も思ふやうに無いのであるぞよ。 世界の事が、皆大本に写るから、夫れで、此中から行状を善く致さんと、世界の大本となる、尊い所であるから、何事も筆先通りに為て行かねばならんぞよ。是までの世のやりかたは、神の国では用ゐられん、邪神の極悪のやり方に、変りて了ふて居るのを、盲者聾者のやうな世界の人民は、知らず知らずに、させられて居りたのであるから、分らんのは尤もの事であるぞよ。誠の神が抱込まれて、神の精神が狂ふて居るのであるから、人民が悪う成るのは当然であるぞよ。 モ一つ此の先を悪を強く致して、この現状で世を建てて行くどいらい仕組をして居るなれど、モウ悪の霊の利かん時節が循環てきて、悪神の降服いたす世になりて来たから、吾の口から吾が企みて居りた事を、全然白状いたす世になりたぞよ。 世界の御魂が、九分まで悪に化りて、今まで世を持ち荒して来た守護神に、改信の出来かけが、何の様にも出来んから、神も堪忍袋を切らして、一作に致せば八九分の霊魂が悪く成るし、改信致さす暇が、モウ無いし、是程この世に大望な事は、昔から未だ無い、困難な二度目の天の岩戸開であるのに、何も分らぬ厄雑神に使はれて居ると、何も判らんやうになるぞよ。 まことの行も致さずに、天地の先祖を無視して、悪のやりかたで世界の頭になりて、此先を悪をモ一つ強く致して、まぜこぜで行りて行ことの初発の目的通りに此所まではとんとん拍子に面白い程上り来たなれど、此神国には深い経綸が世の元から致して在りて、九分九厘まで来たぞよ。 悪神の仕組も、九分九厘までは来たなれど、モウ輪止りとなりて、前へ行く事も出来ず、後へ戻る事も出来んのが、現今の事であるぞよ。仕放題の利己主義の行方で、末代の世を悪で建てて行くことの目的が、今までは面白い程のぼれたなれど。 神の国には、チツト外の御魂には判らん経綸が為てあるから、人も善、吾も善、上下揃ふて行かねば、国の奪り合ひを為るやうな、見苦敷性来では、世は永久は続かんぞよと申して、筆先に出して、気を附けてあるぞよ。 斯世は善と悪とが有りて、何方でこの世が立つかと言ふことを末代続かせねば成らん世であるから、何事も天地から為してあるのであるぞよ。吾が為て居るのなら、何事も思ふたやうに行けんならんのに、何うしても行けんのが、神から皆為せられて居る証拠であるぞよ。善の道は、苦労が永いなれど、此の先は末代の世を続かすので中々念に念が入るぞよ。 善の行は永いなれど、善の方には、現界幽界に何一つ知らん事の無い様に、世の元から行が為してあるから、此先は、悪の仕放題に行無しに出て来た守護神が辛くなるぞよ。如何な事も為ておくと、何事も堪れるなれど、行無しの守護神に使はれて居ると、世の終ひの初まりの御用は勤まらんぞよ。 善と悪との変り目であるから、悪の守護神はヂリヂリ悶える様になるから、一日も早く改信致して、善の道に立帰らねば、モウこれからは貧乏動きも為さんぞよ。善の守護神は数は尠いなれど、何んな行も為してあるから、サア今と云ふ様に成りて来た折には、何程烈しきことの中でも、気楽に神界の御用が出来るから、一厘の御手伝で、神の本には、肝腎の時に間に合ふ守護神が拵へてありて、世界の止めを刺すのであるぞよ。神の国は小さうても、大きな国にも負は致さんぞよ。神国は世界から見れば、小さい国であれど、天と地との、神力の強い本の先祖の神が、三千世界へ天晴と現はれて、御加勢あるから、数は少うても、正味の御魂ばかりで、何んな事でも致すぞよ。何程人数が多くても、何の役にも立たぬ蛆虫計りで、善い事は一つも能う為ずに、邪魔計りを致すから、世界の物事が遅くなりて、世界中の困難であるが、未だ気の附く守護神が無い故に、何時までも筆先で知らすのであるぞよ。 天地の御恩も知らずに、利己主義で茲まで昇りつめて来た悪の守護神に、改信の為せかけが出来んので、何事も遅くなりて、総損害に、上から下までの難渋となるから、明治廿五年から、今ぢや早ぢやと申して、引掛戻しに致して、気附く様に知らしても、元からの思ひが大間違で在るから、世界の岩戸開の九分九厘と成りた所で、ジリジリ舞ふ事が見え透いて居るから、気を附けるぞよ。 天地の先祖の、思ひの判りて居る守護神と人民は、今に無いぞよ。是程暗がりの世の中へ、世の元の正真の水火神が揃ふて表はれても、恐い計りで、腰の抜けるものやら、顎が外れて早速に物も能う言はん様な守護神や、人民が沢山出来る許りで、神の目からは間に合ひさうに無いぞよ。 判りた御魂の宿りて居る肉体でありたら、何んな神徳でも授けるから、此神徳を受ける御魂に使はれて居りたら、一荷に持てん程、神徳を渡すから、其貰ふた神徳に光りを出して呉れる人民で無いと、持切りにしては天地へ申訳が無いぞよ。 ○ 大正五年旧十一月八日 あまり此世に大きな運否があるから、口舌が絶えんから、世界中を桝掛を引いて、世界の大本を創造た、天と地との先祖の誠で、万古末代善一つの道で世を治めて、口舌の無い様に致すぞよ。天は至仁至愛真神の神の王なり、地の世界は根本の国常立尊の守護で、神国の、万古末代動かぬ神の道で治めるぞよ。吾好しの行り方では、此世は何時までも立たんぞよ。この世界は一つの神で治めん事には、人民では治まりは致さんぞよ。悪神の仕組は世が段々と乱れる計りで、人民は日に増に、難渋を致すものが殖える許りで、誠の神からは目を明けて見て居られんから、天からは御三体の大神様なり、地は国常立尊の守護で、竜宮様の御加勢で、元の昔の神の経綸通りの松の世に立替致して、世界中を助けるのであるから、中々骨が折れるぞよ。モウ時節が近よりたぞよ。用意をなされよ。脚下から鳥が立つぞよ。天地の先祖の神々を粗略に致して、神は此世に無い同様にして東北へ押込めて置いて、世界の大将に成りて、悪の血統と眷属の何も知らぬ悪魔を使ふて末代世を立て様と思ふて、エライ経綸をして居れど、世の本からの天地を創らへた、其儘で肉体の続いてある、煮ても焼いても引裂いても、ビクともならん生神が、天からと地からと両鏡で、世界の事を帳面に附け止めてある同様に、判りて居るから、モウ神界には動かぬ仕組が致してあるから、世界の人民は一人なりと、一日も早く大本へ参りて、神の御用を致して、世界中を神国に致す差添へに成りて下されよ。上下揃ふて神国の世に世界中を平均すぞよ。 今の世界の人民は、現世に神は要らんものに致して、神を下に見降し、人民よりエライものは無き様に思ふて居るが見て御座れよ、岩戸開の真最中に成りて来ると、智慧でも学でも、金銀を何程積みて居りても、今度は神にすがりて、誠の神力でないと大峠が越せんぞよ。今度は神が此世に有るか無いかを、解けて見せて遣るから、悪に覆りて居る身魂でも善へ立ち返らな、神の造りた陸地の上には、居れん様になるから、改信を致して身魂を能く研いて居らんと、何彼の時節が迫りて来たから、万古末代取戻しの成らん事が出来致すから、今に続いてクドウ気を附けるのであるぞよ。是丈けに気を附けて居るのに聞かずして、吾と吾身を苦しめて最後で改信を致してもモウ遅いぞよ。厭な苦しい根の国底の国へ落されるから、さう成りてから地団太踏みてジリジリ悶えても、そんなら赦してやると云ふ事は出来んから、十分に落度の無いやうに、神がいやになりても、人民を助けたい一心であるから、何と云はれても今に気を附けるぞよ。 これからは筆先通りが、世界に現はれて来るから、心と口と行ひと三つ揃ふた誠でないと、今度神から持たす荷物は重いから、高天原から貰ふた荷が持てん様な事では、余所から人が沢山出て来だすから、其時に恥かしう無いやうに、腹帯を確り締めて居らんと、肝腎の宝を取外す事が出来るぞよ。今度は此大本に立寄る人民に、神からの重荷を持たすから、各々に身魂を十分に研いて置いて下されよ。ドンナ神徳でも渡して、世界の鑑に成る様に力を附けてやるぞよ。改信と申すのは何事に由らず、人間心を捨てて了ふて、知識や学を便りに致さず、神の申す事を一つも疑はずに生れ赤子の様になりて、神の教を守る事であるぞよ。霊魂を研くと申すのは、天から授けて貰ふた元の霊魂の命令に従ふて、肉体の心を捨て、本心に立返りて、神の申す事を何一つ背かん様に致すのであるぞよ。学や知識や金を力に致す内は、誠の霊魂は研けて居らんぞよ。 この天の岩戸開を致すには、学でも、悧巧でも、知識でも、金銀でも、法律でも、行かんぞよ。兵隊計りの力でも行かず、今の政治の行り方では、猶行かず、今迄の色々の宗教でも猶行かず、今の学校の教でも行かず、根本の天の岩戸開であるから、今の人民の思ふて居る事とは、天地の相違であるから、世界の人民が誠にいたさんから神は骨が折れるのであるぞよ。天地の間の只の一輪咲いた梅の花の経綸で、万古末代世を続かすのであるから、人民には判らんのも尤もの事であるぞよ。 九つ花が咲きかけたぞよ。九つ花が十曜に成りて咲く時は、万古末代しほれぬ神国の誠の花であるぞよ。心の善きもの、神の御役に立てて、末代神に祭りて此世の守護神といたすぞよ。此世初まりてから、前にも後にも末代に一度より無い、大謨な天の岩戸開であるから、一つなりとも神の御用を勤めたら、勤め徳であるぞよ。それも其人の心次第であるぞよ。神は無理に引張りは致さんぞよ。 是だけ蔓りた悪の世を治めて、善一つの神世に致すのであるから、此の変り目に辛い身魂が多人数あるから改信々々と一点張りに申して、知らしたのであるぞよ。早い改信は結構なれど、遅い改信は苦しみが永い許りで、何にも間に合はん事になるぞよ。艮金神で仕組致して、国常立尊と現はれて、善一つの道へ立替るのであるから、経綸通りが世界から出て来だすと、物事が早くなるから、身魂を磨いて居らんと、結構な事が出て来ても、錦の旗の模様が、判らんやうな事では成らんぞよ。今迄苦労いたした事が、水の泡になりてはつまらんから、大本の辛い行を勇んでいたす人民でありたら、神が何程でも神力を授けるから、ドウゾ取違ひをせぬやう慢心の出ぬ様に心得て居りて下されよ。世界の神、仏、耶、人民の為に、神が永らく苦労を致して居るぞよ。 (大正一二・四・二七旧三・一二於竜宮館北村隆光再録) |