第一八章神人(しんじん)〔一五六八〕 第一七二 一 (かむ)素盞嗚(すさのを)大神(おほかみ)()はせたまひし(つみ)のかせ 千座(ちくら)置戸(おきど)(きよ)められわれ()日々(ひび)(さか)ゆなり。 二 (ちから)(むな)しき(わが)身魂(みたま)(かみ)(よさ)しの(さち)ふかく (しこ)のまがひに()()ちて常世(とこよ)御国(みくに)(のぼ)りゆく。 三 (まこと)(ひと)つの麻柱(あななひ)(をしへ)をかしこみうやまひて すめらみことの(おん)(ため)(つく)御国(みくに)益良夫(ますらを)伊寄(いよ)(つど)へる(かみ)(その)(あや)高天(たかま)(ひら)かれぬ。 四 たたへまつれよ(わが)()(くに)(はしら)()ます()御子(みこ)(きよ)(たふと)(おほ)みいづ(かみ)にぞ()ます主師親(おほぎみ)を。 第一七三 一 まがのさへぎる山路(やまぢ)をわけて(きよ)(たの)しき高天原(たかあまはら)神国(みくに)(のぼ)()(ひと)(かみ)(あい)され皇神(すめかみ)(こころ)(かぎ)(あい)したる(まこと)(ひと)つの麻柱(あななひ)の いと(うる)はしき身魂(みたま)なり。 二 (まよ)ひつかれし(こころ)(やみ)()もなく(やぶ)りて神国(かみくに)(のぼ)(まこと)のまめひとは真理(まこと)燈火(ひかり)(とも)にあり。 三 世人(よびと)生命(いのち)左右(さいう)する(しこ)のつかさに()ちかつは 生命(いのち)(もと)瑞御魂(みづみたま)(きよ)めの(きみ)御神力(みちから)(あふ)(ゐやま)(かみ)稜威(いづ)。 四 真理(まこと)生命(いのち)(みち)なる(きみ)をいよいよ明白(さやか)(さと)()身魂(みたま)(たふと)天津国(あまつくに)(かみ)御書(みふみ)(しる)されて 常世(とこよ)(はる)(たのし)みつ(かみ)のまにまに(さか)ゆべし。 第一七四 一 宇都(うづ)のみやこにとこしへに(しづ)まり()ます()御子(みこ)大御恵(おほみめぐみ)をかしこみて国民(くにたみ)こぞり麻柱(あななひ)の まことを(つく)()(たま)(ささ)げて御国(みくに)(まも)れかし。 二 千座(ちくら)置戸(おきど)()ひましし(いのち)(かみ)御功績(みいさを)を かたじけなみて朝夕(あさゆふ)天津(あまつ)祝詞(のりと)太祝詞(ふとのりと) (とな)(まつ)れよ神国人(みくにびと)。 三 四方(よも)国民(くにたみ)ことごとく(めぐ)みの(かむり)(あた)へむと 大御心(おほみこころ)朝夕(あさゆふ)(くば)らせたまふ()御子(みこ)仁愛(きみ)恩頼(みたまのふゆ)をば(つか)のあひだも(わす)るなく 真心(まごころ)ささげて(つか)へまつれ。 四 天津(あまつ)御祖(みおや)皇神(すめかみ)(きよ)仁慈(めぐみ)()御子(みこ)豊葦原(とよあしはら)国中(くになか)(あめ)八重雲(やへくも)かきわけて (くだ)(たま)ひし(かしこ)さよ(あさ)(ゆふ)なに(つつし)みて (きみ)御光(みかげ)()しをがみ(こころ)(かぎ)()(かぎ)り まこと(ひと)つに(つか)ふべし。 第一七五 一 天津(あまつ)御光(みひかり)かがやきて(くら)きこの()(まも)りまし (つみ)になやみし身魂(みたま)をば(てら)させ(たま)ふぞかしこけれ。 二 天津(あまつ)御光(みひかり)うくるわれ(やみ)をも()らぬ()となりぬ ()きぬ(めぐ)みは(こころ)(そら)月日(つきひ)となりてかがやきぬ。 三 天津(あまつ)御光(みかげ)にあひそむき(つみ)(おぼ)れし人草(ひとぐさ)栄光(さかえ)(はな)のひらくべき(あふ)月日(つきひ)御姿(みすがた)を。 第一七六 一 (つか)れなやめるはらからよ一日(ひとひ)もはやく伊都(いづ)御魂(みたま) あらはれませる神園(かみその)(きた)りてつみの重荷(おもに)をば おろして(やす)めとくやすめ(かみ)のまねきの御声(みこゑ)こそ いとも長閑(のどか)(きこ)ゆなり。 二 身魂(みたま)のえさに()ゑかわくこころ(まづ)しき(ひと)()よ とくとく()たれ神園(かみその)伊都(いづ)御魂(みたま)(まね)きます 御声(みこゑ)長閑(のどか)(きこ)ゆなり。 三 常夜(とこよ)のやみにさまよひて(くる)しみなやめる(ひと)()よ とくとく(きた)れとく()たれ伊都(いづ)御魂(みたま)麻柱(あななひ)の まことの(たま)御光(みひか)りを(てら)して(なれ)(まね)きます 御声(みこゑ)のどかに(きこ)ゆなり。 第一七七 一 ()()(した)ひたてまつる(みづ)御魂(みたま)のうるはしさ 三五(さんご)(つき)花紅葉(はなもみぢ)なににたとへむすべもなし。 二 なやみ(くる)しみもだへたる(かな)しき(とき)(わが)ちから (あふ)ぐもうれし(かみ)稜威(いづ)三五(さんご)(つき)花紅葉(はなもみぢ) なににたとへむすべもなし。 三 まこと(ひと)つのあななひの(かみ)のをしへにすがりなば いや永久(とこしへ)()(ちぎ)りほどくることもあらなみの (みづ)にも()にもおそれなし悪魔(あくま)をふせぐ岐美(きみ)(しろ) (みづ)御魂(みたま)()(まも)身魂(みたま)もやすく(さか)ゆべし。 四 伊都(いづ)御魂(みたま)のうるはしさ身魂(みたま)()りて()(つき)か はた白梅(しらうめ)(まつ)みどり()にたとふべきものもなし。 第一七八 一 皇神(すめかみ)のいづの御顔(みかほ)ををがむまで みあと(した)ひて(のぼ)()かなむ。 二 永久(とこしへ)生命(いのち)にすすむ(みち)なれば いさみて()かむ(かみ)御前(みまへ)に。 三 いと(きよ)(をしへ)(とも)とあひともに (いさ)みすすまむ(かみ)御園(みその)へ。 四 いかにして身魂(みたま)のつみを(きよ)めむと (こころ)(くだ)きぬ(みち)しらぬうちは。 五 (みづ)(みち)ここにありとて(まね)(たま)ふ うれしき御声(みこゑ)()くぞ(たの)しき。 六 村肝(むらきも)(こころ)のままに大前(おほまへ)(こと)あげやせむわれ()(かみ)()は。 七 (ひと)()(つみ)をいとはず()けたまふ (みづ)御魂(みたま)のこころうるはし。 八 (ゆたか)なるめぐみの(つゆ)にうるほひて ()みさかえけり(あさ)(ゆふ)なに。 第一七九 一 (かみ)御前(みまへ)にのがれ()(もも)(けが)れも(きよ)まりぬ 八岐(やまた)大蛇(をろち)やしこ(おに)()たせたまひし瑞御霊(みづみたま) (ほか)(たよ)らむすべも()し。 二 この()(うま)れて(つゆ)ほどもいさをし()てしこともなき (つみ)にけがれし(わが)身魂(みたま)生命(いのち)清水(しみづ)(きよ)めつつ (やす)きを(たま)瑞御霊(みづみたま)(うれ)しみかしこみ()ぎまつる。 三 ()()(かみ)()こころにそむきし(われ)()身魂(みたま)をば にくみたまはずねもごろに(みちび)きたすけ永久(とこしへ)栄光(さかえ)をたまふたふとさよ。 第一八〇 一 万国(よろづくに)のまことの(きみ)をさとりたる 今日(けふ)こそ(われ)はすくはれにけり。 二 退(しりぞ)きも(すす)みもならぬ(いま)()(かみ)のみひとり(ちから)なりけり。 三 大君(おほきみ)御命(みこと)かしこみ(つつし)みて (つか)ふは(たみ)のつとめなりけり。 四 ()御子(みこ)(ふか)(めぐみ)をさとりなば ()しき(こころ)もおこらざらまし。 第一八一 一 さざれ(いし)(いはほ)とならむ(とき)もあり 五六七(みろく)御代(みよ)()たらざらめや。 二 ()(うへ)(すべ)てのものは(ほろ)ぶとも (かみ)(きみ)とのめぐみは()きせじ。 三 (つき)()()はいや(くら)(かく)るとも (かみ)(きみ)とのめぐみは()きせじ。 四 (かど)()(きよ)めて()たむ()御子(みこ)(そら)(てら)して(きた)ります()を。 (大正一二・五・六旧三・二一出口鮮月録)